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» 2012年10月31日 更新

XXさんに聞いてみた マーケティングのプロですか? 若手女性社長に聞くマーケティング戦略(2)

 こんにちは、中西あき娘です。今回は、10月15日のコラムに引き続き、ソーシャルメディアユーザーの声を反映した商品・サービス開発に取り組む、株式会社アゲハ代表取締役の木下優子さんにお話を伺いました。

 「企業のプロモーション活動は商品開発の段階から始まる」と考える木下さんですが、私には早速ある疑問が沸いてきました。

中西 木下さん、プロモーション活動が商品開発の段階から始まるということは、商品開発とプロモーションは連携しなければなりませんよね? ですが、それぞれ部署が異なると、案件の進め方や方針の違いによって、両者の連携は難しそうに感じます。

木下 そうなんです。ですから、商品企画とプロモーションが断絶していると、とても歯がゆく思います。

ハートキルトシルバー.jpg 「リーン・スタートアップ」という本はご存じですか? この本では、アントレプレナーはガレージで始めるようなベンチャーだけではなく、大企業であっても不確実な状況の中でビジネスを創る人達をアントレプレナーと定義しています。

 通常、社内で企画をたくさん練り、準備万全にしてから市場に商品を投入する。けれども、その商品はもしかしたら全く誰も求めていないものかもしれない。それなら、商品企画の段階から「このような商品があったらどうですか?」と、要所要所で問いかける。社内で採用されるかどうかを考えるといった社内政治に走るのではなく、ユーザーに聞いてどんどんブラッシュアップするというイメージでしょうか。

 ソーシャルメディアを使いこなせば、ユーザーは、顔の見えない遠い存在ではなく、「すぐ隣にいるからちょっと聞いてみよう」と思える、日常的に気軽にディスカッションができる"パートナー"という感覚になります。

中西 ディスカッションといっても、そんな気軽に企画段階の内容を公開してしまうことに抵抗を感じる企業も多いのではありませんか? 

木下 そうですね。例えば、企画段階でラフスケッチを出すことで、他社に真似され市場が荒らされるという懸念を持たれる場合もあります。ただ、ラフスケッチまでは事前に公開しなくても、ユーザーさんとのディスカッションの中で発見した新しいニーズなどについて、より多くの人たちに問いかけてみることはできます。そのあたりは、クライアント様のポリシーに配慮しながらも、「ユーザーとのパートナーシップ」だけは裏切らないように運用していますね。

 例えば、こちらから商品企画の問いかけをしていなくても、ソーシャルメディアを使っていたら、ユーザーさんから「この商品をもっとこうしてほしい」といったリクエストがあると思います。それに対して、表面だけの回答でやり過ごすのではなく、きちんと真摯に受け止めて、商品開発にフィードバックできる体制が理想です。

 オープンにすることで社外に強力な"パートナー"が得られる、ユーザーが"パートナー"になってくれるといった「オープンイノベーション」のメリットが、ソーシャルメディアの普及と共に、もっと多くの企業に受け入れられるとよいなと思っています。

中西 フィードバックをきちんと活かす。それには、商品企画とプロモーションの密な連携が重要だということですね。

本日のポイント

  • ユーザーをパートナーにするために不可欠な、商品企画とプロモーションの連携

 マーケティングに携わり3年弱が経ちますが、私の担当業務は当初からマーケティングコミュニケーション、4Pの概念でいうPromotionの分野です。

 オンライン広告、記事広告、メルマガ、キャンペーン、マニュアル制作など、いわゆるマーコム施策は一通り経験してきましたが、こうした施策をマーケティング部門に所属して以来ずっと担当していると、ふとある錯覚に陥るのです。「マーケティングとは、施策を実施すること」であり、「あらゆるマーコム施策で経験を積めば、マーケティングのプロフェッショナルになれる」のではと。

 これはまさに他部門との連携がとれていない証で、マーケティング要素の1つでしかないPromotionをマーケティングと同義に捉えてしまっている典型的な誤りです。

 木下さんのお話につながりますが、仮に商品企画やリサーチが別部門としてマーケティング部門と別に存在していたとしても、マーケティングの考え方は必須であり、部門間の連携は重要になります。

 そう思うと、マーケティングのプロとは、一体何でしょうか。

 「マーケティング戦略の策定から実行までを一貫して遂行できる人」こそがプロであると感じます。策定と実行、どちらかのみでどんなに専門性を高めたとしても、マーケティングのプロではありません。

 初心にかえったような気がしました。ありがとうございました。

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プロフィール

中西あき娘

中西あき娘

インターネット広告やクラウドなどのBtoBサービスに携わる、 某IT企業のマーケティング広報担当。 マーケティングを学びながら、TOEICのスコアも上げたいと思う日々。

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