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» 2013年3月15日 更新

データドリブンな時代を『データ柔術』で生き残ろう 中小企業のマーケターよ、データ柔術家を目指せ!

1.ごあいさつ

 はじめまして。私は中堅広告会社でマーケティング戦略構築やデータ分析をしております。高額なデータマイニング環境に対する所属する会社の投資が乏しい環境の中、日々悪戦苦闘しております。

2.そんな中で日々痛感すること:"マーケティング・イノベーション"

 10年ぐらい前まで、マーケッターが実務で行うデータ分析といえば、アンケートデータとか売上データをクロス集計や多変量解析を使って、エクセル(とアドイン、もしくはマクロ)ぐらいで事足りていたという記憶があります。未だにそこに止まっている日常作業も多いかもしれません。

 しかし、この数年であっという間に世の中、業界も激変しています。

 昨年のBuzz Wordであった"Big Data"今年は"データ・サイエンティスト"。インターネット、ソーシャルメディア、クラウド化、アドテクノロジーといったデジタル環境の普及により、扱うデータも大量になり、数値だけでなくテキスト、画像など非構造化データへと多種に膨らんでいます。これらを扱う様々な技術もこの数年で目覚ましい進歩を遂げています。こうしたテクノロジーの変化は業界のクロスボーダー化を生み、今まで協力関係にあったIT企業は、コンサルティングを標ぼうし、コンサルティング会社は、マーケティングや広告へのコミットを積極化させ、広告会社にとって競合となっています。またデータ解析専門の会社も急激に成長し、従来の広告会社のマーケティング部門にとって競合になってきています。

 さらに、この数年でマーケティングの枠組みが急激に、大きく変化しています。

 従来のマーケティングプランニングでは、データ収集→分析(何が起こっているのか→なぜ起こっているのか)→(専門家の知見に基づく判断)→戦略→施策といった感じでした。戦略部分はデータを超えて、専門的知見というブラックボックスにゆだねられていました。 

 一方、今のマーケティングプランニングでは、データ収集→分析(何が起こっているのか→なぜ起こっているのか)→予測(何がおこるのか?)→最適化(どこまで、どうやって実現できるのか)までが求められています。

 必要なスキルも、それにつれて範囲も拡大しかつ、高度なものとなり、従来のマーケティングや統計解析に加え、機械学習などのデータマイニング、計算機統計学、データベースに関する知識、プログラミングなどが必要になってきています。また、そうしたデータを処理するうえでの環境(データベース、ツール、言語)も重要になってきています。

 SASやSPSSModelerなどの高額な専門の解析ソフトウエアを持ち、それを使いこなせば非常に強力な武器となることでしょう。しかしながら、高額な投資が難しいという環境に身を置く方も多いことかと思います(私もその1人です)。

 そんなとき、とあるWebサイトの記事に出会いました。

Data Jujitsu: The art of turning data into product
Smart data scientists can make big problems small.
by DJ Patil   July 17, 2012

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 "Data Jujitsu"とはどうやら「データ柔術」で、筆者DJ Patil氏によると、Wikipediaの「Jujitsu」の項目からインスパイアされたそうです。「自分の力よりもむしろ、相手の力を利用する技術(適当な訳でごめんなさい)※1」彼はここから、データを製品に変える技術として「Data Jujitsu」を捉え、データサイエンスにおける大きな問題も、高度なマシン性能や複雑なコードを考えるのではなく、賢いデータサイエンティストが行うように、大きな問題を小さなものに置き換える知恵が重要だと言っています。また、自分ひとりで解決するのではなく、Amazon Mechanical Turk(ベータ)※2のように専門家などの"人"をときには使うことも必要だと。

 DJ Patil氏はデータ製品を作ることを目標に「Data Jujitsu」を提唱していますが、マーケティング・ソリューションについての私なりの「データ柔術」を定義して、中小企業やフリーのマーケッターがデータドリブンな今の時代を生き抜く術を、このコラムで皆様といっしょに考えていけたらと思っております。

 ちなみにwikipedia(日本版)によると講道館の創始者嘉納治五郎先生による「柔術」の定義は、こうなっています。

 「『無手或は短き武器をもって、無手或は武器を持って居る敵を攻撃し、または防御するの術』である。」

 まさしく"無手"である自分に必要な生き抜く術を見出したいのです。

 2回目以降で具体的にご提示させていきたいと思っておりますが、今のところ「データ柔術」を3つのキーワードで考えています。

  • オープンソース・ソフトウエア」:ソースコードを公開したソフトウエア(フリーウエアとは異なる厳密な定義がある ※3
  • 集合知」:自分に足りない部分ではインターネットや書籍、知人の知識/知見の助けを活用
  • 探究心」:マーケティング、統計、機械学習、データベースなどの最新の動向に対し飽くなき興味と、諦めない執着心を持つ"折れない心"また、物事の本質を問いただし続ける心
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 ご意見、ご感想ありましたら、ぜひよろしくお願いいたします。

 次回は、「データ柔術家として、使いこなしたいオープンソース・ソフトウエア」を予定しております。なぜオープンソースなのか? どんなものがいいのか? 何ができるのか? などを、今求められるマーケティングプロセスとともにご紹介させていただきます。

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プロフィール

久野 麻人

久野 麻人

大手広告会社を約15年勤務後、ネットベンチャーを経て現在、日本経済社に契約社員として勤務。リアルのプロモーションからネットプロモーション、統合的なマーケティング戦略までデータマイニングを駆使し、新たなマーケティング・プランニングを追い求めています。クルマ、IT系など他業種の企業のサポートを経験。Facebookで「Web Mining 勉強会」というページもやっています。 またフリーランスのマーケティングコンサルタントとしても活動しておりますので、ぜひご連絡をお待ちしております。

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