ニュース
» 2013年1月 9日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング ソーシャルメディアのアクセルとブレーキとは? リスク管理の具体的手法

ソーシャルメディア、ソーシャルメディアと企業経営者の皆さんも無視できなほどに大きな存在に日々なって来ているように感じます。しかし、巷にあふれる情報はソーシャルメディアをいかに「活用」するかに重点が置かれ、そのリスク管理の面を具体的に指南するような情報は比較すると少ないかもしれません。

アクセルが思い切り踏めるのは、ブレーキが付いていていつでも止めることが出来る安心感があるからではないでしょうか。今回は、ソーシャルメディアについてそのアクセル思い切り踏むためのブレーキの仕組みについてお話していこうと思います。

前提としての考え方 ~積極的な推奨がリスク管理の原則~

まずリスク管理というと統制に向かう企業が多いのが現実です。実際に私の周囲の会社でも「社員のSNS使用禁止」となっているところもあります。しかし、ソーシャルメディアのリスクマネジメントは厳しい統制で実現出来るものではありません。社員の動きは統制できたとしても(それも難しいですが)、回りのステークホルダー(顧客・取引先・社会)のソーシャルメディアの利用は止めようが無いからです。

むしろ、禁止していることにあぐらをかき、ソーシャルメディアで何かが起こった時の初動が遅れる危険性があります。

重要な事は、経営者自らが積極的に活用し、従業員にも積極的な活用を推奨するということです。

その上で、次のステップへと進みます。


リスク管理の3つの要素 ~予防・発見・事後対応~

リスク管理には大きく分けて3つの要素があります。それが「予防」「発見」そして「事後対応(クライシスマネジメント)」です。
リスク管理というと、大企業の謝罪会見やホームページでの謝罪などが大きく報道され注目を集めがちですが、何も起きない事がベストなのですから、「予防」と「発見」がリスク管理のウェイトとしては大きいものなのです。 ただ、何も起きないということはそのための努力が目に見えないものですので、なかなか社内で理解してもらうことが難しいという点はあるかもしれませんが、そこは十分な説明が必要なところです。 次はそのそれぞれについて、見ていきたいと思います。

予防

これはソーシャルメディアだけの話ではなく、経営そのものと言えますが、まずは経営理念の浸透、従業員が生き生きと働く仕組みづくりなどが大きく関係してきます。 不満が少なければそれだけ不平不満をソーシャルメディアで口にするリスクも減りますし、経営理念の浸透が進んでいれば行動の基準ができますので大きく道を外すことはなくなります。 この分野の専門家もおられますので、もしその部分がうまくいっていないとお感じの方は同時進行で組織改革も進めてみるのも良いかもしれません。

次に社員が実際にソーシャルメディアに触れるということです。その上で、その空気感を知るということが重要になります。 ただ、自由に使うわけにはいきませんからそこに必要となるのが「ガイドライン」の存在です。 ガイドラインに含るべき項目には次のようなものがあります。

1.ガイドラインを作った背景
2.ソーシャルメディアの定義
3.ソーシャルメディア利用の権利
4.適用範囲
5.基本原則(個人としての利用)
 1)私的利用も含め会社を代表しているということ
 2)法令遵守・機密保持
 3)身元の開示・非開示
 4)投稿の完全削除不能の理解
 5)他者への中傷・権利侵害の禁止
 6)情報の正確性への注意
 7)その他投稿してはいけない内容
 8)職務専念義務
6.基本原則(公式アカウント担当)
 1)トレーニングの必要性
 2)代表して発信するための基本姿勢
7.基本原則(パートナー・契約者)
 1)報告の義務
 2)会社を代表しているということ
8.モニタリング
9.その他参照すべき社内規則
10.問い合わせ担当部署・責任者

この中でも特に、ソーシャルメディアの権利という点を注目してください。 ルールというのはどうしても「やらされている」という感じを抱かせてしまいます。あくまで「ルールを守ってさえいればあなたには自由に使う権利がある」ということを明記することで、社員を信頼している事を示し、積極的な活用のを促すことにもつながるのです。 ガイドライン作成時には必ず入れたい項目です。 具代的なガイドラインは以下もご参考下さい。


発見

次に大切なのが、異常を察知するためのモニタリングの仕組みです。 小規模な企業であれば定期的にリアルタイム検索(Yahoo!などが提供しています)を活用して、自社や関連商品などについて検索するというのが良い方法でしょう。 ここで重要な事は、火事や病気と同じように早期発見が重要という事です。 早めに発見し対応する事で、事態が拡大することを防ぐことができます。 ですので、ソーシャルメディアでの活動の中の指標となるキーワードを選定し、定期的に検索するというのを業務に組み込む必要があります。
中規模以上の企業になると、人的な検索では限界がありますので、専門のモニタリングサービスの利用も検討してみる必要があります。月額10万円程度する場合もありますが、事後対応のコストを考慮すれば予防のための費用として計上することも必要な経費かもしれません。

事後対応

実際に炎上が起こったらどうするか。 いかに自社イメージを守るかというのが経営者としては最大の関心事でしょう。しかし、自社イメージを守るために隠蔽に走ってしまい、それが後で明らかにされてさらに炎上を招くというケースがこれまでもかなり多く出てきています。 ここでは素早い情報公開と率直な謝罪、その後の対応の進捗報告など、コミュニケーションをしていくという姿勢を示す事で野次馬的な騒ぎを確実に収める事が重要です。

まとめ

以上見てきたように、リスク管理は積極的な活用と表裏の関係になります。 
ソーシャルメディア時代を生きる企業経営者にとって、そのリスクを予見し、防止することは必須のスキルと言えるかもしれません。
(社長自らが起こす炎上も最近よく起こりますが・・・)
わからない事があれば気軽にお問い合わせください。



Copyright© 2018 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

「マーケター通信」購読一覧