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» 2013年2月 4日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 2012年韓国4.11総選挙に見る、インターネット選挙解禁後。3バンから4バンの時代へ


韓国の中央選挙管理委員会は昨年2012年1月13日に、4月に迎える総選挙を前にインターネットでの選挙運動を解禁を表明しました。これにより、従来は禁止されていた選挙期間中のインターネットを使った選挙運動が自由化されることになりました。 インターネット選挙運動といっても、インターネット広告に関しては制限が設けられていますので、実際にはツイッターやフェイスブック、ブログ、カカオトークなどのメッセンジャーを使っって選挙運動が展開されました。

 

3バンから4バンの時代へ


インターネットで選挙運動ができるということは、街頭演説と同じことがオンライン上でもできるということです。人がいるところへ出向くという従来の方法から、もっとダイレクトに有権者に支持を訴えることができるようになります。 ただ、選挙運動でのインターネット運動が解禁になったとしても、いきなりそこから始めたのでは、有権者にはなかなか届きません。実際に選挙運動での成否を分けるのは従来からのつながり、つまりソーシャルメディア上での「エンゲージメント」であるといえます。 日本でもインターネット選挙運動の解禁へ向けた議論が盛んになっていますが、選挙へ出馬する立候補者に必要なことは一刻も早くソーシャルメディアでのプレゼンスを上げるということだと思います。 これからの選挙は、「地盤」「看板」「カバン」に加えてソーシャルメディア上での「評判」がますます重要となってくるのは間違いありません。 実際に支持率調査でもツイッターなどで積極的に発信している候補が好意的に受け止められるなど、4番目の「評判」は欠かせない要素となっています。 

 

認証ショット。選挙へ行こうキャンペーン


もう一つ、選挙運動において忘れてはならないのが、ソーシャルメディアを活発に活用する世代に選挙に出向かせるということです。 韓国の総選挙ではこの点でも大きな動きがありました。ソーシャルメディアで発信をしている政治家にとっては若い世代が投票に行くことが自分に有利に働くわけですから、投票日に投票に行ってもらうための活用は、今回の自由化の大きな変化となりました。

   

投票所での証拠写真(認証ショット)をSNSで送ってもらったら割引チケットを送るキャンペーンや、投票率が70%に達したらミニスカート姿を披露しますという芸能人が表れるなど、大きなうねりとなりました。 インターネット選挙は出馬する候補者がどう活用するかということだけが問題ではなく、ソーシャルメディアを活用する有権者の行動にどう影響を与えるかということも考えなければならないポイントとなると思います。 政治家にとっては、ソーシャルメディア上で影響力のある人を見極め、その人へのアプローチをしていくという試みも重要になってくるかもしれません。 

2013年の日本でのネット選挙解禁は、第三者による選挙運動も解禁の見込みですので、自身の情報発信だけでなく、誰がソーシャルメディア上で影響力があるか見極め、ダイレクトにコミュニケーションを図る「コミュニティマネージャー」の存在が成否を分けることになるでしょう。


レピュテーションマネジメントという考え方


レピュテーション(評判)をマネジメントするというのが、近年米国で研究されていて、専門家も多く活躍しています。 ソーシャルメディアでいいうわさも悪いうわさも一気に広まってしまう時代ですから、評判をマネジメントしていくことは企業活動や政治活動にとって非常に大きな意味を持つようになってきました。 

どんなに良い活動をしていても、ソーシャルメディア上で拡散しなければ大きなムーブメントは起こらないですし、逆に知らない間に悪いうわさがソーシャルメディアで広がってもそこに参加していなければ打ち消す術を持ち得ません。 また、レピュテーションマネジメントとは、噂を抹殺するということではありません。 従来型の統治をイメージすると悪いウワサはひねりつぶした方が良いという方向に向かいそうですが、尖閣諸島での事件のYoutube流出問題からもわかるとおり、「他言無用」は通用しないと思った方が賢明でしょう。

良いうわさが広まった時にどう加速させるか、悪いうわさが広まったらどう沈静化させるか、その方法論を持っているかどうかが重要ということなのです。 インターネットでの選挙運動解禁後の政治家にとって、この4番目のバン。「評判」を味方に付けることが成功への近道となります。 レピュテーションマネジメントに関しては以下の著書に詳しいですので、一読をお勧めします。


   

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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