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» 2013年7月 1日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 社民党はAR対応ポスターで何をしたいのか。~インターネット選挙運動狂想曲~

社民党がAR(拡張現実)を活用したPRをネット選挙運動の解禁に合わせて発表した。
このプロモーションは、誰のために、どんなベネフィット(便益)をもたらすために行うのだろうか。

社民党のウェブサイト(http://www5.sdp.or.jp/ar/)によれば以下のような手順を踏むとCMが見れるという。

1.お使いのスマートフォンに対応したアプリをダウンロードします。
2.起動画面が表示され、カメラ画面になった事を確認します。
3.上記4種類のポスターにカメラを向けます。
4.ポスターを認識後、CMをご覧いただけます。

社民党のCMを見るために、スマートフォンに専用アプリをダウンロードし、ポスターを探し、アプリを起動してカメラを向け認識させる。

・・・・

あなたなら試みるだろうか。

それだけの労力をかけた結果得られるものが社民党のCMである。
特段、AR限定のものを表示させるわけでもないので、Youtube等にもアップロードするCMと同じものが流れるのだろう。
いったいこれだけの費用をかけて何がしたいのだろうか。

わざわざそんな手間をかけなくても、スマートフォンから「社民党」と検索すれば関連の動画から公式サイトまで見る事が出来るのだから、本当になんの便益にも繋がっていない。

ARが意味が無いといっているのではない。例えば試着であったり、自分の部屋に家具を置くなどの具体的な課題の解決のためであれば有効であろうし、成功しているゲーム等もある。しかし今回の社民党のAR活用に限ってはそれが見えない。

インターネット選挙運動が解禁されたからといって、なんとかインターネットなるものを活用しようという空気は確かにあるだろう。 時代はスマートフォンだ。だからアプリを作らなければならないという流れもあるだろう。 

しかし、こんな事をやっていては、技術を売りたい人が得をするだけで、政治が動くわけがない。

有権者に知ってもらうために何が必要か、どんな情報を提供しなければならないのか。 何を訴えたいのか。 そこからどんな手段が必要かを考えていく事が重要で、このようなプロモーションはまさに手段が目的化していると言われても仕方の無い所業だ。

読者の皆さん。

もし、この施策にもっと深遠な意味があるという方は教えてほしい。
私が気付かなかった事もあるかもしれない。



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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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