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» 2013年10月 8日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング Yahoo!ショッピングのインパクト。Eコマースはどう変わるか。

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Yahoo!ショッピングの発表は、驚きを持って各メディアも伝えているようだが、この無料化はEコマースをどのように変えていくのだろうか。

ここ数年、無料で出品出来るEコマースサービスが立て続けに立ち上がり https://stores.jp/  ttps://thebase.in/ といった所がユーザーを増やしており、
出品者になるためのハードルはどんんどんと下がっている。

プロシューマーという言葉がある、コンシューマー(消費者)がインターネットの力で情報力を持ち、いわば買い物のプロと呼べるような状態となっている事を表す言葉だ。しかしこの言葉はあくまで「コンシューマー」である事に変わりはない。今までのEコマースの世界は出品する業者とそれを買う消費者との間に厳然たる隔たりがあった。 もちろん個人間売買のヤフオク等のオークションはあるがこれも消費者が自分の使っているものを出品する中古マーケットの意味合いがまだ強い。

Yahoo!ショッピングが目指すEコマースの姿はちょっと違うのではないだろうか。
出品が無料で出来るという事はすでに今手元に商品を持っている。または作る事が出来る人が個人でより簡単に開業出来る姿が想像出来る。
Stores.jpやThebase.inも、以下の動画を見れば分かる通り、個人が自分の物ではなく、自分が作った物や仕入れた物を売るという事をコンセプトにしているのだ。

 

今回の中で発表された通り、Yahoo!ショッピングは農産物や海産物などの一次産業従事者が個人で自分がとってきた物を販売する、イベントで作ったアイテムを販売するといった個人や一時的に集まった団体が販売を行うプラットフォームとして機能しだすようになる。 そこに出品者の評価情報が組み込まれれば安心して買い物が出来るし、いままでに手の届かなかったもの、何人もの、いくつもの業者を介してしか手に届かなかったものが一気に流通する可能性を秘めている。

何を買うかではなく、誰から買うかの時代

この趨勢はおそらく一時的なものではなく、この10年は無料プラットフォームから様々な商品が行き交う時代となるだろう。その時代において重要な事は、商品そのものではなく、誰から買うかという事かもしれない。 ソーシャルメディアや、ショップ内の評価のシステムがますます人物本位のショッピング体験を推し進めていく事が予想される。 ショッピングのシステムは無料で使えるのだから、お金を掛けてある程度覚悟をもってショップをオープンしているわけではない。そうであれば、その人がどのような人なのか、買い手側は今まで以上にその人の評価を気にする事になるだろう。Yahoo!ショッピングの無料化戦略は、ソーシャルメディア時代において商品本位ではなく、人物本位のショッピング体験へとますます進んでいく事が予想される。 売れていてもクレームが多い所は淘汰されていくし、少なくても評価が高ければどんどんと売れていく。 そんなEコマースの時代がもうそこまで来ている。

Yahoo!ショッピングのビジネスモデル

ではYahoo!ショッピングはどのようなビジネスモデルなのかは、孫社長が自らも発表されたように、ショッピングの周辺の広告事業や、決済、ロジスティックスなどバックグラウンド部分での関与によって収益を上げていくものと思われる。まずは無料にして一気にハードルを下げ、圧倒的な流通量を確保する事が狙いだろう。 流通量が多ければその中で動く流通部門や決済部門の収益も大きくなっていく。 Yahoo!ショッピングは損をしているわけではなく、むしろこの施策で数年後の大幅な収益拡大が実現するかもしれない。

ソーシャルコマースの時代

数年前から取沙汰されていたソーシャルコマースは、SNSのプラットフォーム上で物を売るといったものが多く、いまいち腑に落ちないと思われた方も多かったかもしれない。しかし、今回のYahoo!ショッピングは本格的なソーシャルコマースの幕開けなのだと思う。

例えば出品者がfacebookで活発に他のユーザーと交流していれば、そこから買う事の安心を担保できると考えるだろう。逆に1日前に取得したアカウントでプロフィール写真もないというのであれば購入を躊躇するかもしれない。 そういったソーシャルでの活動がコマースに直接結びつく時代というのが本当の意味でのソーシャルコマースであるといえる。

Eコマースにもコンテンツマーケティングを

コンテンツマーケティングは今主流のマーケティング手法で各社が取り組んでいるが、Eコマースにも今以上にコンテンツマーケティングの重要性が高まってくる。 高いお金を払ってショップを作っているというバックグラウンドが無いのだから、頼れるものはいかに多くの情報を積極的に掲載し続けているかだろう。これは今も売れているショップは欠かさずやっているが、今後もこの流れはより大きな影響力を持つ事になるはずだ。


まとめ

Yahoo!ショッピングの「革命」は、ショッピングという体験を「販売者」対「消費者」ではなく「人」対「人」に変えていく力を持つだろう。
そして、それは物を売る事の概念が大きく変わる節目となる出来事になるかもしれない。








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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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