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» 2013年12月21日 更新

LINEがモール事業を始め、先行してAndroidでの提供を始めた事がニュースになっている

LINEが仮想商店街開設 ネット通販大手の楽天やアマゾンに対抗(SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131220/bsj1312201735010-n1.htm

数が多ければうまくいく?

LINEが始める意義は、そのユーザー数。3億人ユーザーにリーチ出来るその媒体力を活かせば、何をやってもある程度のユーザーは獲得可能になる。ただ、ショッピングモールを様々見てきた私はこれはひょっとしたらうまくいかないかもしれないという考えがうかんできた。その3つの疑問について順番にあげていく。

1.商品のクオリティ

出品者が簡単に出品出来るというのは今、CtoCスマートフォンECの潮流で、簡単に出品できる事からある程度の商品が集まるだろう。しかし、欲しい商品かどうかはまた別の話なのだ。

ユーザー数が多くて、出品点数も多くても、「ガラクタ」ばかりでは一気に飽きられてしまうだろう。モールが醸しだす雰囲気をどう作っていくかによって、その商品のクオリティは変わってくるのではないだろうか。

しかも、ユーザー層が広ければ広いほど、その趣味嗜好は多様化し、見つける事が難しくなってくるというジレンマも存在する。

2.他のモールとどう違う?

現状のLINEモールはLINEの世界観は全く踏襲しておらず、他のスマホECのFril(http://fril.jp/)、メルカリ(http://mercari.jp/)、毎日フリマ(http://maifuri.jp/)といった先行のフリマアプリとの違いはあまりない。唯一LINEのデータをそのまま引き継げる事だが、買い物をする事とコミュニケーションをするという事にあまり関連性が無い事に気付かなければならない。

LINEを使ってもともと物々交換のような売り買いを頻繁に行っている状況から自然発生的にモールをつくろうという流れであればうまくいくかもしれないが、単にコミュニケーションプラットフォームとしてユーザーを獲得したLINEが、モールを作ったからといってそこにドッと人が流れるとは思わないのだ。

3.LINE経済圏を過信しすぎていないか?

LINEモールの中にはシェアボタンもあり、LINEの友達にすすめる事は出来るが、これは実はLINEが持つ「LINEに送る」機能と同じだし、逆にLINEだけではなく、メールだったりfacebookだったり、他のメッセージサービスで送りたい場合は不便だ。ここは囲い込みをすべきではなかったかもしれない。LINEの友達にしか送れないのは合理性が無いからだ。

例えば、もっと機能的に便利で、より良い商品が集まるモールがあり、様々なメッセージツールへシェア出来る機能を持つモールが出現すればそちらに流れてしまう事が予想される。

ソーシャルコマースとは何か?

LINEがそのユーザー数を背景に、モールをつくろうという考えはわからなくもない。しかし、LINEはコミュニケーションの場である。単純にECがそのプラットフォームでうまくいかないのはfacebookの例を見ても明らかだ。ソーシャルコマースとして注目を浴びたにもかかわらずフェイスブック上での直接のECはなかなか広まらなかった。 

ソーシャルコマースとは、ソーシャルメディアに商品を載せる事ではない。様々なストーリーを持つ商品を消費者が発見し、それがソーシャルメディアで広がる事で商品購買プロセスAIDMAで言うと、最初のAI(注目を集め・興味を喚起する)を得る事につながり、それが購入へとつながってく。デザイン・ストーリー・人、様々な側面を通じて伝わる仕組みをどう作っていくか。LINEが持つポテンシャルをECへとつなげるにはその視点が重要である。

今後の展開に大いに期待しつつ、あえて「うまくいかない」と言わせていただいた。

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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