ニュース
» 2015年7月19日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング ありふれた商品に「物語」を付加したらオンリーワンの商品になった

沈没船から引き上げられたシャンパンが美味しかった

大航海時代に海を渡った酒がまろやかになった

そんなエピソードを再現できないかと考え、実際に実験を繰り返し出来ワインがある。「サブリナ」だ

subrina.png

subrina2.png

写真出典:http://www.subrina.info/what.html

高級なワインは世の中に選択出来ないくらいたくさんの物がある。その中で売れるワインとは何か。

それはやはり「物語」を纏った商品だ。

ワインには専門の紹介をする人がいる、「ソムリエ」だ。

そのワインの紹介をする時に、何年の品種が何でというのはもちろん大切だがもし、あなたがレストランで

「実は、沈没船から引き揚げたワインがおしいいというのがヨーロッパでは広く知られているのですが、これを再現した海底に沈めて熟成されたワインがあるのですがいかがですか?」

と聞かれたら心ときめくはずだ。

沈没船から引き揚げられたワインというストーリーがありふれたワインに新しい価値を吹き込んだ瞬間だ。

自分たちの商品はありふれた商品だから競争力がないと思っていないか?

自分たちが扱っている商品は、既成品であまり特徴のないものだから・・・と思っていないだろうか。
しかし、だからこそ出来る戦略があるのだ。それがストーリー戦略だ。

なぜありふれた商品だから出来るのか。

それは、皆が知っている商品だからだ。

先のワインの事例がそうだ。

これがワインではなく、全く知名度のない酒類だったらどうだろう。知られる事は無かったかもしれない。

ワインという誰もが知る商品だから、物語を加える事で売れる商品になるのだ。

この「誰もが知っている」というのは想像以上に大きな力を持っている。だからこれを最大限使うべきなのだ。

物語を付加する5つの視点

物語を構成する要素として代表的なものを5つ挙げてみたい。

1.自らのプロフィール

子供の頃ワルだった私だからこそできる、本当の学習のおもしろさを教えられる学習塾の先生といったケースなど
自分の生きてきた歴史をそのまま物語として商品に込めるというのは共感を得やすく、オンリーワン化しやすい

2.再現・再建

冒頭のワインの事例のように、過去栄華を極めたが今は衰退しているものを再建するというストーリーには共感を得やすいものがある。
私も現在260年前に江戸の陶磁器取引一切を取りまとめて江戸・伊万里間に専用の船を4隻持っていた老舗卸問屋のブランドを再興したいと取り組んでいる。

3.開発ストーリー

プロジェクトXやプロフェッショナル、情熱大陸等の番組の視聴率が高いのはやはり商品が出来るまでの過程を掘り下げて伝えているからだ。このように商品開発の苦労話などは物語として大きな魅力がある。

4.へ~そうだったのか!(裏話)

「へ~、そういうことだったのか!」というような話題はみな好きだ。「驚き」と「納得」を両方用意することで「そうだったのか!」という快感に変わるのだ。 ハーゲンダッツという商品があるが、これはいかにもヨーロッパのドイツ語圏の商品のようなイメージだが、アメリカ企業の会議室で「なんとなく、ウムラウトが付いたハーゲンっていう発音がヨーロッパっぽいよね」「最後の言葉は締りが良い感じでドイツ語っぽいダッツはどうだろうか」という風にして決まったという事を聞いたことがある。そんな話を聞くと人に話したくなるのだから大きな効果があることは間違いない。

5.共感

マクドナルドは店頭での寄付金をドナルド・マクドナルド・ハウスという病気で入院している子供をサポートする親が宿泊できる施設の建設に当てている。サントリーは木を植えている。このように商品に関連のある社会的な問題に対し、皆が納得する形で貢献する事で共感が生まれ、それがストーリーとなって商品力にも反映される。

まとめ

どんなに良い商品を持っていても、それを適切に知らせる言葉や写真、動画などの表現手段を持って、さらにその表現を発表する場を持たなければ物は売れない。しかし、発表する場があったとしても物語がなければ拡散されなくなり一発屋で終わってしまう。

長く売れ続ける商品・サービスを目指すなら、これらのステップをきちんと踏まえたマーケティング戦略が重要だ。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

「マーケター通信」購読一覧