ニュース
» 2012年12月 6日 更新

元・百貨店マーケッターが見た【住宅業界】の明日 【趣味性】を訴求すると効果的なのは、団塊世代の男性か?

 ネクスト・アイズ早坂です。

   個人的にはとても興味深いSUBARU BRZとTOYOTA 86の購買層特性を
考えつつ、個人的には客層がニアイコールと考えているスマートな住宅支持層
の購買動機を考えてみます。


 今の、スマート・ハウスに何が不足しているのか・・・・
        いわゆる【共感】【趣味性】という価値観。


この価値観に沿った商品展開・サービスの提供ができる体制を整えることが、
結果として競合他社との差別性を導き出すことになるのではないでしょうか?
【共感】【趣味性】という他社がかんたんにマネできない世界観をつくる必要が
あると考えます。


他社がかんたんにマネできない世界観

 その考えに辿りつくまでのお話を以下に記述していきます。

興味のない方にとっては、SUBARU BRZ ? やTOYOTA 86 ?ですが、その購買
客層の最大ボリューム層は、可処分所得がかなり高くかつ年代も60歳以上という
傾向があるようです。
スバル(富士重工業)が2ドアクーペを造るのは、Alcyone SVX以来20年ぶりのこ
と。WRX STIなどに代表されるスポーツ色の強いクルマづくりが多いことから、
こんな時代にもかかわらずパワー・トルクのピーク回転数を高回転型(6000回転
7000回転)に味付け。VW TSIに代表されるダウンサイジング過給全盛時代に、
この潔さ。感服です。
ところが、設計コンセプトはいわゆる「乗りやすくて安全に配慮されたクルマ」。
我慢して乗って、そのときは集中して楽しめるんだけど、降りたらああ疲れた...
みたいなイメージが付いて回るクルマではありません。

 販売チャネル別でも、前後重量バランスを変えていることからステアリングの
味付けがずいぶん異なるのですが、これは・・・
各社さまとの呑み会話題のために残しておきますね。
仙台・東京・名古屋と、弊社会員のみなさまのなかにも【スバリスト】が多数い
らっしゃいますので(笑)。


 ここで、SUBARU BRZとTOYOTA 86の【趣味性】について。

私をはじめ知ってる方々にとっては「ツボ(マニアック)」な領域ですのでかなり
自制して書きますが、SUBARU BRZとTOYOTA 86の納車はまだ始まったばかり。
サンプル数が少ないことから、購買客層データはあくまで参考データの域ですが
細かいデータをあちこち拾っていくと、主な購買層は60歳以上で欧州車などから
の乗り換え・買い足しが多く、初回車検のタイミングで売却することを前提で購
入している方々が多い様子です。

 一方、買うお金はあるんだけど、仕事の関係とかで立場上買えない方々にとり
SUBARU BRZとTOYOTA 86は羨望のまなざし。(たとえLexus乗っていても・・・)
買えない理由のひとつとして「周囲の目=あそこの社長はあんな派手なクルマに
乗って...」とか言われると、立場上まずいことから自制する例もあるようです。

 ここに、スマート・ハウスに代表される住宅の付加価値を訴求する方法が隠さ
れています。


次世代環境配慮型住宅に足りないものは【趣味性】

 さきほど、スマート・ハウスに代表される、次世代環境配慮型住宅に足りない
もののひとつに【趣味性】と書かせていただきましたが、住宅も自動車と同様に
その住まいそのものが好きになれないと、当然のことながら手入れもしないし、
愛着も湧かず、しまいには住んでいることすらイヤになります。

 裏を返せば、作り手の【手間ひま】、オーディオの世界で言うところの【クラ
フトマン‐シップ(技巧)】、クルマでいうところの【設計者のこだわり】といっ
た【ひとを介したものがたり】を上手に伝えることで、それらのものづくりを手
がけた方の物語が共感を呼び、商品価格以上のいわゆる【価値感】を生み出しま
す。

 自分の選別眼にかなった【価値観】とは、いわば【趣味性】。
趣味である以上、月々の光熱費や省エネ性といった【数値による我慢比べ】は
影を潜め、【自分の価値観に沿ったモノ】かどうかが、その商品を購買する動機に
なります。


 これが、いわゆる【共感】【趣味性】という価値観。


 現在発売されているスマート・ハウスでは【共感】【趣味性】という価値観は
あまり強く感じられませんが、今後スマート・ハウスの商品化・仕様化を計画さ
れている各社さまにおかれましては【共感】【趣味性】に対してきちんと対価を
お支払いする経済的・時間的なゆとりのある方々を対象に【自分の価値観に
沿ったモノ】に沿った商品展開・サービスの提供ができる体制を整えることが、
結果として競合他社に対する差別性を導き出すことになるのではないでしょうか?

 裏を返せば、【省エネ住宅】や【子育て支援】といっても、実利的なメリット
だけでは、あっというまに競合に追いつかれてしまう、という可能性も考えて、
【共感】【趣味性】という他社がかんたんにマネできない世界観をつくる必要が
あるということです。


 これは住宅のスマート化以前から続く、勝ち組工務店(施工会社)の常勝モデル。


 昨今のデジタル家電の価格下落ペース(半年で半額)を見ると、小手先レベルの
スマート化程度では、あっというまに価格競争に巻き込まれてしまうことは間違い
ないようです。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

早坂 淳一

早坂 淳一

中立の立場で住宅全般に関する対応を承るネクスト・アイズ(株)にて【ブチョ~】と呼ばれる立場で《ハウスネットギャラリー》という注文住宅リフォームポータルサイトを運営しながら、《ハウスネットギャラリー》でわかったお客さまの興味/関心と、あちこちから直接、間接的に聞いてくる市場/行政/政治の動きを掛け合わせて、主に新しいことを立ち上げるような仕事をしてます。

カテゴリ

  • Webサイト構築
  • キャンペーンノウハウ
  • ソーシャルメディアマーケティング
  • データ分析/効果測定

「マーケター通信」購読一覧