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» 2013年1月18日 更新

元・百貨店マーケッターが見た【住宅業界】の明日 「ネットスーパー」の隆盛に、参考になる【宝の山】が

「ネットスーパー」の隆盛

小売業出身の私ですら想像を超える勢いで拡がっている「ネットスーパー」。
近所でいつでも買える食材や日用品を、わざわざインターネットで購入する動機
とは、いったいなんなのでしょう?

 そんな「ネットスーパー」ですが、同じような仕組みは昔からありました。
各店で注文をうけ、店舗にある商品を近隣エリアに配送する【店舗型】や、専用
の加工・配送センターをもち、センターから配送する【センター型】があります。
 ※私は両方とも商品発注から配送、クレーム処理まで経験しておりました。
   特にギフトセンター運営は、メンタル面でとても辛かった記憶があります。
   大晦日の商品未着事故では、地獄の一歩手前を観させていただきました。

 かつてFAXや電話で注文を受けていたものが、単にネットに置き換わっただけ
で、各店舗でやることはさほど変わっておりませんが、紙のパンフレットを制作
する手間がWebサイトをつくる手間に変わったことが、最も大きな違いです。


ネットスーパーのメリットをいくつかあげてみましょう。

  ・いつでも好きな時間に商品を探したり注文できて、配送してもらえる。
  ・わざわざお店に行って、店内を歩き回ったり、レジに並ぶこともない。
  ・欲しい商品がない場合でも、取り寄せや倉庫で探してもらう手間が減る。
  ・重たい買い物を玄関先まで運ぶ手間が減る。
  ・専用のポイント制度、限定商品やタイムセールでおトク。
  ・チラシ比較サイトなどで、各店のお買い得商品をいろいろ見比べることが
   できる。

あわせてデメリットも考えてみましょう。

  ・実際に手にとって観ることができないので、どんなものが届くかわからない。
       特に生鮮品はヘンなものが届きそうで心配。
  ・送料や会費を考えると、専用のポイント制度、限定商品やタイムセールを
   使っても、結果として高くつく。
  ・配達時間に自宅に居ないかもしれないし、配送時間にあわせて自宅にいる
   ことがたいへん。


ざっと思いつく範囲ですが、デメリットは「現物を観ることができない」ことと
「サービス利用料を含めた価格面の不安」が大きいのかな。
と考えると、以前の同様なサービスと違い、ネットスーパーはだいぶ改善が
進んでいるようです。


住宅の買い方の主流である【住宅展示場】と比較


 では、現在の住宅の買い方の主流である【住宅展示場】を【各スーパーの店舗】
と置き換えてみましょう。
確かに【バーチャル住宅展示場】などのサービスは、あちこちで展開されており
ますが、注文住宅の場合は当然「現物」はありませんし、中古住宅は「見えない
ところの不具合」がどの程度あるのか、ちょっと観ただけでは判断ができません。
分譲住宅であれば「現物」はありますが、自分たちが気に入った家が自分たちの
買える値段で販売されている保証はありません。

 さらに以前と違い【住宅展示場】が実際の家と異なる点が多いことは、見込み
客にも広く伝わっていることから、特に注文住宅をご検討されている方々ほど、
完成見学会や構造見学会で現物を確認することが主流。
住宅展示場で観ただけですべてを決めてしまう方々は、以前と比べてだいぶ
少なくなっているようです。


となると、ネットスーパーのメリットである、
 
  ・いつでも好きな時間に商品を探すことができる。
  ・わざわざお店に行って、店内を歩き回ったりすることもない。
  ・専用のポイント制度、限定商品やタイムセールでおトク。
  ・比較サイトなどで、お買い得商品をいろいろ見比べることができる。

上記の点は、注文住宅を購入するときの検討にも同じことが言えそうです。


 上記のメリットは、ネット住宅販売を先行して取り組んでいるハウスメーカー
などでもはや定着した感もありますが、一方では先行して取り組んでいる
ハウスメーカーなどでは、家電量販店をはじめとする新しい販売チャンネル
での住宅販売に取り組んでいることは、読者のみなさまもご承知のことと
思います。


 つまり、たとえば【住宅展示場】だけ、【ネット】だけ、【紹介】だけ、
という限られたメディアだけで自社をアピールするだけではなく、営業担当者
を含めた【ヒト】やOB施主を代表とする【生活体験】を含めた複合的・総合的な
取組みをしたうえで、自社の商品(たとえば、完全注文住宅なのか、企画住宅
なのか)の売り方を、【お試し】などの工夫を添えて伝えないと、決して潜在的
な見込み客は振り向いていただけないことでしょう。
たとえ確固たるブランドイメージがあっても、ネットで有名でも、上記のポイント
は企業規模に関係ないのです。


「ネットスーパー」の細かな工夫

 現在有名でなくても、いろいろな工夫はできると思います。
ネットスーパーが高い支持を受けているポイントを考えると。細かな工夫を
たくさん積み上げていることがわかります。
その工夫とは、価格の訴求ではありません。


  ・安心感の演出
   → 代表者の挨拶と考え方はもちろん、お客さまの声やスタッフの声掲載
     瑕疵保険や完成保証、アフターサービスの充実など「万が一の対応」
     (スーパーの場合は返品や交換になります)
   
  ・ユーザー目線で役立つ情報の提供
   → お掃除方法やお手入れ方法など

  ・利便性
   → ついでに買うと便利、契約すると無料でもらえる「オマケ」など


これらのポイントから以下の点がわかります。

  ・安心感=失敗したくないので、少々割高でも安心できる会社で買う。
  ・役立つ情報=有益な情報を得る見返りとして、閲覧者の記憶に残る
  ・利便性=価格以外でどんなサービスに注目するか、記憶に残る
                  きっかけ


 自社サイトを手直ししたり新鮮な情報を出すにあたり、上記の点にも工夫する
ことで、より多くの見込み客を集め、契約に結びつける可能性を高めることが
できそうです。

 増税前の駆け込み需要が始まった現在、いままで以上に激しい受注競争
になることが予測できるだけに、見込み客に選んでもらう工夫は、ほんの
ちょっとした違いなのかもしれません。



ネクスト・アイズ株式会社 早坂     http://www.nexteyes.co.jp/

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プロフィール

早坂 淳一

早坂 淳一

中立の立場で住宅全般に関する対応を承るネクスト・アイズ(株)にて【ブチョ~】と呼ばれる立場で《ハウスネットギャラリー》という注文住宅リフォームポータルサイトを運営しながら、《ハウスネットギャラリー》でわかったお客さまの興味/関心と、あちこちから直接、間接的に聞いてくる市場/行政/政治の動きを掛け合わせて、主に新しいことを立ち上げるような仕事をしてます。

カテゴリ

  • Webサイト構築
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