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» 2013年1月25日 更新

元・百貨店マーケッターが見た【住宅業界】の明日 税制改正大綱決定で、ローン減税以外に影響がある3つの項目

税制改正大綱が正式に決定される

 「税制改正大綱を正式に決定」というニュースが、アルジェリアでのテロ事件
の影に隠れがちに報道されておりますが、そもそも税制改正大綱とは、いったい
どういうものなのでしょうか?

 税制改正を行うには、もちろん法案を国会に提出して可決されなければなりま
せん。その国会に提出する法案の元になるものが「税制改正大綱」。
 税制改正大綱は与党である自民党と公明党が作成するので、ほぼそのまま国会
で可決されます。
 つまり「大綱」とはいえ、ほぼ大きな変更なく可決されるものなのです。

 前年と違い、消費税増税・所得税・相続税増税が大きくクローズアップされて
おりますが、住宅取得に向け大きな心理的圧力が加わる消費税、ならびに相続税
と所得税に焦点をあわせてみましょう。


消費税について

 みなさまご存じの通り2014年4月1日の消費税率8%適用を前に、経過措置として
2013年10月1日の住宅請負契約については、消費税率は8%適用になります。
(お引き渡しが2014年4月1日以降になった場合)
もちろん、新税率の対象として入居後に購入する設備や外構工事も含まれるほか
2014年3月31日までに「転出届」「転居届」「転入届」「世帯変更届」「(郵便局
の)転居届」「所有権保存登記」「所有権移転登記」「電気・水道・ガスの利用
実績」など、新居で生活している証拠を求められることから、単に「お引き渡し
が完了しました」では済まないのです。

 ましてや、3月のお引き渡しラッシュ状況で瑕疵などによる手直しが発生した
場合、9月30日までの契約では認められている『お引き渡しが2014年4月1日以降
になっても現行消費税が適用される「経過措置」』も受けられず、請負契約書で
増税分の扱いを明記し双方で合意がなされていない場合、その差額を自社で負担
する危険性もあるのです。
話題の住宅ローン減税拡充措置のひとつである現金給付についても、文言は盛り
込まれておりますが、給付措置の具体的な中身は今夏までに提示されるそうです。


 この点について、29日に弊社代表 小野が
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相続税について

今回の税制改正で、大きな負担を強いられる可能性が高いのが相続税。
現行での基礎控除額は「5千万円+(1千万円×法定相続人数)」ですが、今回の大
綱では平成23年度の税制改正法案を軸に検討されています。よって、基礎控除額
は「3千万円+(6百万円×法定相続人数)」となり、現行より4割も圧縮されること
になります。
相続税引き上げは大綱と同じ内容になるとは限りませんが、仮に同じ内容で改正
されるとなると、首都圏では約4割の方々が相続税の申告対象になります。

 ただし、配偶者が遺産相続する場合は配偶者の税額軽減という制度により、ほ
とんど対象になることはないと想定されますが、配偶者から子への『二次相続』
で大幅な負担増が想定されます。
みなさまご存じの節税対策の遺産評価額を下げる『小規模宅地等の特例』は、
有効な節税策のひとつですが、さまざまな制約条件がつきます。

 さらに、小規模宅地の評価減の対象になる改正案に盛り込まれ、かつ二世帯住
宅のなかでも以前から高い人気を誇る完全分離二世帯住宅の場合、階段や扉の位
置、また配偶者から子が相続するケースで所定の条件を満たした場合の特例対象
になるかどうかもポイント。
二世帯住宅の場合は、計画段階から相続のことも考えて進めていく必要があるの
です。


所得税について

 住宅ローン減税の影に隠れあまりクローズアップされていないかわり、大きな
影響を及ぼしかねないのが所得税増税。

 税制大綱では、所得税の最高税率を45%に引き上げることが主に取り上げられて
おります。この対象になるのは課税所得が4千万円を超える方々。

 また今回の税制改正大綱には盛り込まれていないのですが、早ければ2014年以
降の税制改正大綱に盛り込まれる可能性がある内容として、富裕層以外への増税
ならびに退職所得控除があります。

 課税所得に応じた6区分のブラケット(刻み)のうち1千800万円以上の課税対象
所得が40%という現行税率を1千500万円以上に引き下げるという議論や、勤続
年数が長い人ほど控除額が有利になる「退職所得控除」で「年数」に上限が定め
られる議論など、高額所得者や長年にわたって勤め上げた退職金で家を建てよう
という方々に、退職金増税という冷水を浴びせかねないような増税論議が着々と
進行しています。

【住宅ローン減税の延長・拡大】【20歳以上の者に直系尊属から贈与をした場合
贈与税が5%から10%引き下げ、ならびに贈与税の新たな非課税措置】【自動
車取得税廃止】【緊急経済対策関連の税制対策】と、バラ色に見えそうな新年度
の税制体制大綱ですが。実はトゲだらけ。

消費税増税を契機に訪れる大きな冷え込みを前に、しっかり増税後の動向を踏ま
えた対策を打つ必要があるのです。


ネクスト・アイズ株式会社 早坂     http://www.nexteyes.co.jp/

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プロフィール

早坂 淳一

早坂 淳一

中立の立場で住宅全般に関する対応を承るネクスト・アイズ(株)にて【ブチョ~】と呼ばれる立場で《ハウスネットギャラリー》という注文住宅リフォームポータルサイトを運営しながら、《ハウスネットギャラリー》でわかったお客さまの興味/関心と、あちこちから直接、間接的に聞いてくる市場/行政/政治の動きを掛け合わせて、主に新しいことを立ち上げるような仕事をしてます。

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