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» 2013年9月13日 更新

元・百貨店マーケッターが見た【住宅業界】の明日 消費税増税が住宅取得に与える影響

消費税増税が住宅投資に与える影響について、いろいろな
ところで予測されておりますが、それらの影響予測をおおまかに
まとめてみます。
 結論から言うと、過去の増税時ほどの影響はないにせよ、市場
変化をしっかり受け止めた対策を進めていくことだけは決して
避けて通ることができません。
オリンピック招致成功というプラス与件があっても、いままで
の成功事例が通用する可能性はさほど高くないでしょう。

 みなさまもご存じの通り、1997年4月の増税時にはすさまじ
駆け込み需要が発生。
駆け込み需要の結果、急激な反動減が発生しました。
前回の増税時のような急激な変動を抑えるため、今回の増税に
あたり住宅ローン減税の拡張、すまい給付金の創設など、様々な
激変緩和策が講じられます。

 これらの激変緩和策が効を奏しているのか、今回は明らかに
1997年の増税時と比べ、駆け込み需要規模は小さなもので終わ
そう、とお考えの方が多いようです。

 また今回は2度の増税がある予定につき、駆け込み需要自体は
2度生じることは間違いないと思いますが、2015年春にピーク
迎える2度目の駆け込み需要は今回より小さいものになると予想
されます。

 このような予測を踏まえ、今後の住宅投資の見通しを増税が無い
ケースと比較すると、2度の駆け込み需要と反動減が生じた後に
訪れる実質所得減少による押し下げも加わり、2016 年度には増税
がないケースから9%程度下振れすると予測されています。
(株式会社大和総研調べ)

 増税後の受注減対策がピッタリと効を奏すれば、ここまで低下する
ことはないかもしれませんが、この影響は世帯年収の高い方々が
発注する注文住宅よりも、消費税増税による世帯年収減少影響が
大きな方がメインターゲットの価格志向型ローコスト系や分譲
住宅系に大きな影響をもたらす可能性は否めません。
ローコスト系の影響が少ないとすれば、それはいままで注文住宅
を購入していた層がより低価格帯に移っただけのことで、接客を
はじめ住宅の品質にまで厳しい選別を働きかけることは間違いない
でしょう。

 1997年の増税時と異なり、過去起きた急激な駆け込み需要と
その反動減による混乱を教訓に、適切な政策対応が打たれる可能性
が高いと想定されています。
それでも、消費税増税は住宅購入の駆け込み需要をはじめ個人消費
全般に大きな影響をもたらしているだけに、消費の裾野が広い住宅
業界の不振による需要減少が生産減少につながり、所得環境にも
大きな影響が出てしまうことは間違いないでしょう。

 世帯所得の悪化は、住宅の不振をはじめ、消費全般を減少させて
いきます。
大和総研によると、消費税増税は、経済成長率に対して、2013年度
に0.54%pt、2014年度に▲1.42%pt、2015 年度に0.04%pt、2016年
度に▲0.33%pt の影響を与えると予測されています。

 過去の消費税増税のとき発生した景気が急減速するシナリオは
避けられるかもしれませんが、いままでつちかってきた【競合との
差別化】ならびに【売り方】シナリオの抜本的な見直しだけは、
避けて通ることができません。

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プロフィール

早坂 淳一

早坂 淳一

中立の立場で住宅全般に関する対応を承るネクスト・アイズ(株)にて【ブチョ~】と呼ばれる立場で《ハウスネットギャラリー》という注文住宅リフォームポータルサイトを運営しながら、《ハウスネットギャラリー》でわかったお客さまの興味/関心と、あちこちから直接、間接的に聞いてくる市場/行政/政治の動きを掛け合わせて、主に新しいことを立ち上げるような仕事をしてます。

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