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» 2014年1月26日 更新

元・百貨店マーケッターが見た【住宅業界】の明日 第二次駆け込み需要までの端境期だからこそ

 今回は、9月まで続く可能性が高い【駆け込み需要端境期】だからこそ進める
べき、【アンバサダー(大使)】づくりについて考えてみましょう。
※請負契約の場合、前年の傾向を観る限り、増税の約1年前から駆け込み 
 需要が始まります。つまり、次回の駆け込み需要は2014年9月から始まる
 と予測されます。


□ アンバサダー(大使)マーケティング

 マーケティングの世界では、みなさまご存じの通り、いろいろな話題が出て
は消えることが多いですが、そのなかでも長く支持されている話題のひとつに
アジャイルメディア・ネットワーク(株)さまが提唱されている
【アンバサダー(大使)マー
ケティング】があります。

【アンバサダーマーケティング】とは、著名人や芸能人がブランドの大使として
任命されるときに使われることが多いようですが、マーケティングの世界では
その「ブランドのファン」で、積極的に関わり、発言・推奨するユーザーと連携
したマーケティングを指すことが多いようですね。

 よく例に挙がるのが『ネスカフェ アンバサダー』。
アンバサダーになった方を通し、その方が勤務するオフィスにネスカフェをおい
しく淹れるマシンを無償で設置します。その後はマシンで淹れるコーヒーを気に
入ってネスカフェのファンになる方が増え、マシンの専用カートリッジも売れる
という仕掛けです。
『ネスカフェ アンバサダー』に限らず、アンバサダーの選定には所定の審査
基準があり、誰しもアンバサダーになれるわけではありません。
アンバサダーになっても、その企業からの金銭授受はまずないでしょう。

 しかし【アンバサダー】という立場は、メーカー・販売店が認めた【その商品・
メーカーのファン代表】ということ。
言い換えれば、アンバサダーは熱烈なファンでなければ勤まりませんし、
企業も熱烈ファンを選べないと、仕組みそのものがうまく回りません。
※個人的なことですが、熱心なスバル車ユーザーのことを【スバリスト】と
  呼称することが多いようです。いちど【スバリスト】になってしまうと、
  他メーカーのクルマは恐くて運転できなくなってしまいます。

□ アンバサダー(大使)マーケティングを住宅業界に置き換えてみる

 では、私たちが属する住宅業界に置き換えてみましょう。

住宅業界は【クレーム産業】とも揶揄されていることから、契約後のお施主さまに
対するフォローは、さほど熱心ではない企業が大半です。
みなさまがさまざまな工夫を凝らし集客した結果、その見込客は強い関心を
持ってみなさまのもとを訪れ、商談(相談と提案)を重ね、納得・信頼のうえで
成約に結びついたということは、すなわち、みなさまの商品(住宅・リフォーム)
に対する熱烈ファンといっても良いと思うのです。


 でも、営業担当の立場からすれば、契約が済めば設計~工務~アフターに
つなぎ、なかなか契約後のお客様にきめ細かく対応しきれなくなるということは
私自身よく理解できます。(かつて住宅営業をしていた頃の自分もそうでした)

 しかし、営業担当として契約後にきめ細かなフォローが難しくても、設計~工務
~アフターの各担当が、営業担当と同じように【お・も・て・な・し】の気持ちを
もってお施主さまに接することができれば、そのお施主さまの『熱烈ファン度』は
大きく下がることもないんだけどなぁ、とも、その当時から考えておりました。

 もし、営業~設計~工務~アフターの各担当が、自分が担当する各々の現場に
おいて、その現場のお施主さまが『熱烈ファン』になっていただけることを常に
願い、営業担当と同じような現場に対する使命感をもって営業担当と同じように
その現場、すなわちお施主さまに接することができるようになれば、そのお施主
さまは、みなさまの商品(新築・リフォーム)に対し【アンバサダー】として、事ある
ごとにみなさまの商品を勧めてくれることは間違いありません。

□ これから厳しい冬の時代を迎える住宅業界で、【アンバサダー】をどう育てていくか?

 さきほどお伝えした通り、土地購入からの一次取得層を含め大きく消費者が
動き出すのは9月以降になることは、ほぼ間違いないと思います。
住宅ローン減税の恩恵をフルに受けられる富裕層は、9月以前から活発に動くと
想定されますが、その恩恵を受けられるのは残念ながらすべての企業ではあり
ません。

 いままで富裕層を対象に商材や接客対応力を磨き上げてきた企業はその恩恵に
ひたることはできますが、富裕層との接客応対経験が少ない企業は逆に見込客の
離反を招きかねない、厳しい冬の時期が続きます。


 よって、これからは契約~お引き渡しのお施主さまを中心に、みなさまの【アン
バサダー】を意図的に育てていかないと、富裕層見込客獲得競争が激しくなる
4月以降、そして、土地購入からの一次取得見込客獲得競争が激しくなる9月
以降に、競合他社との差別化はいっそう困難になることでしょう。


 言葉で伝えるのは簡単ですが、組織をあげて取り組むことは、ほんとうに難しい
こと。でも、日々のちょっとした心掛けで、2015年10月以降に自分が生き残る
ことができる可能性が高まる、と、考えることができれば、お施主さま=お客さま
に対する接し方を工夫することは、そう難しいことではありません。

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プロフィール

早坂 淳一

早坂 淳一

中立の立場で住宅全般に関する対応を承るネクスト・アイズ(株)にて【ブチョ~】と呼ばれる立場で《ハウスネットギャラリー》という注文住宅リフォームポータルサイトを運営しながら、《ハウスネットギャラリー》でわかったお客さまの興味/関心と、あちこちから直接、間接的に聞いてくる市場/行政/政治の動きを掛け合わせて、主に新しいことを立ち上げるような仕事をしてます。

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