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» 2012年10月22日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 【ECサイト SEO対策特集】Zappos(ザッポス)SEO研究最終回【ロコンドザッポスリンク構造比較編】

こんにちは、黒須敏行です。

ザッポスの特徴である手厚いカスタマーサポートと返品無料のビジネスモデルを日本で展開している会社をご存知でしょうか。ロコンドというECサイトがそれに該当します。ドイツのロケットインターネットという自らをベンチャービルダーと称している会社が出資をしており、ロコンド自体去年はテレビCMなどをやっていたのでご存知の方もいるかもしれません。

このロケットインターネットはシリコンバレー発のイケてるビジネスに似たビジネスをアジアやヨーロッパで展開をさせて、大元の会社に買収をしてもらうことで規模を大きくさせています。元々はeBayというアメリカのECサイトに対して、そっくりのビジネスを5000万ドルで売却したことで有名になりました。FacebookやGroponに似たビジネスを展開させては大元に買収をしてもらったりもしています。

今回はSEO対策の大事なポイントであるリンクに関しての解説をザッポスとロコンドというサイトを比較することで伝えようと思います。
リンク構造で大事なポイントは
・クリック階層の短縮化
・内部リンクの最大化
の2つです。
ひとつずつ説明をしましょう。

■クリック階層の短縮化

大量のページが生成されやすいECサイトで大事なことは、大量の商品詳細ページに対してトップページから検索エンジンのクローラーがなるべく短いクリック数で到達できるような状況を作ることです。

ecサイトの事情.jpg

ただ現実問題全てのページに対して1クリックで到達することはできません。ザッポスは色んな工夫を用いてクローラーの回遊改善を実現させています。

代表的な工夫として有名なものは異常に大きいフッターリンクが有名です。大量の下層ページに対して検索エンジンのクローラーがサイト全体を回遊しやすくするための施策です。これはロコンドも同じ施策を行なっていることが見てわかります。(左がザッポス、右がロコンド)

ロコンドザッポス比較.jpg

ザッポスは靴やバッグといった商品の種類に対してのアンカーテキストを割り振っていますが、ロコンドはnikeやcoachといったブランド名のアンカーテキストを記載しています。ブランド名の対策を強化していることがわかります。但し試みとしてはうまくいってるとはいえないでしょう。これは「ロコンド coach」というキーワードの検索結果です。

ロコンドのcoach検索結果.jpg

ここに表示されるのは全てロコンドが扱っているcoachの詳細結果や、検索結果を特定の条件で絞り込んだページになっています。本来は全ページのフッターからリンクを集めているhttp://www.locondo.jp/shop/brand/COACHというURLが表示されてしかるべきですが、なぜこういったことになっているのでしょうか。
ちなみにサイトコロンでもhttp://www.locondo.jp/shop/brand/COACHは表示されません。

サイトコロンで表示されない.jpg

理由はシンプルにURLの設計方法に問題があります。
ザッポスはブランド名のトップページに静的URLのコンテンツを設けていますが、ロコンドはおそらくですがザッポスのブランド毎の動的検索結果ページを静的URLに変換させているように見えます。
こういったやり方でインデックス化させることはよくある手法ですが、サイトコロンで叩いてもブランド名で検索しても出ないということは何か問題があるのでしょう。
改善案は非常に簡単で、ザッポスのように静的URLのブランドコンテンツページを作り全フッターリンクやブランドリストからのリンク先を新しいコンテンツページに変更するだけで大きく改善をすることができるでしょう。

URLの設計比較.jpg

またこちらの対策もクリック階層の短縮化のひとつです。
商品対決ージというコンテンツがザッポスにはあります。

zapposの対策3.jpg

鈴木謙一さんのブログで知っている方も多いとおもいますが、気に入った商品に対して投票をするというコンテンツです。投票をするとページが切り替わる仕様になっており1ヶ月毎に対決ページがアーカイブされていってます。見てもらえるとわかるのですが、商品自体の関連性はあまりなくランダムに生成されるようになっています。これらのコンテンツの価値は、こういったページがあることで商品の詳細ページへのクリック階層が短縮されることです。

クリック階層短縮化を実現.jpg

その結果ザッポスは競合他社のECと比べて下層ページに最もリンクが集まるサイト構造になっています。

zapposのリンクの数.jpg

この商品対決ページはロコンドにはまだありません。この対策はリクルートグループの一部のサイトが取り入れています。

■内部リンク最大化

内部リンク最大化はページからページに対してのリンクの数を増やすという施策です。目的はクローラー回遊(=クローラビリティ)向上とページランクの獲得の2点です。

ッポスは商品に記載されるユーザーの口コミをSEO対策として活用していることがわかります。
zapposの対策1.jpg
商品を購入したユーザーのレビューをみるとわかりますが、bootsやskirtといった特定のキーワードに対してアンカーテキストが生成されるようになっています。おそらく事前にキーワードが設定されており、ユーザーがそのワードを使ったタイミングで特定のURLのアンカーテキストが生成するようになっているのでしょう。ユーザーがレビューを書けば書くほど特定ページへのリンクが集まる構造になっています。ロコンドはまだレビュー機能が実装されていないのでこういったことはできません。

上記と同じようなザッポスの施策にカスタマーテスティモニアルというコンテンツページを使ったものがあります。
zapposの対策2.jpg
カスタマーテスティモニアルとはお客さんの声を集めたページです。商品のレビューではなく、ザッポスに届けられているユーザーメッセージが淡々と紹介されているコンテンツです。ユーザーレビュー同様の対策がとられており、特定ワードが入る文章はリンクされるようになっています。このカスタマーテスティモニアルのコンテンツは1万ページほどインデックスされています。こういったコンテンツもまだロコンドにはありません。

今回レポートをまとめると

ザッポスの施策のポイントは
・クリック階層を短縮化させること
・ひとつのページから別ページに対してのリンクを増やすこと
の2点です。

ザッポスの研究はひとまず最後ですが、また掘り下げたものをレポートするかもしれません。
是非ここから持ち帰った学びを実践に落としてみてください。

それではまたこの場所でお会いしましょう!

またもしよければこちらのページもご覧ください。

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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