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» 2012年12月17日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 不動産ポータルの最強媒体HOME'S(ホームズ)SEO対策徹底研究

こんにちは、黒須敏行です。

今回はHOME'SのSEO対策を研究します。前提としてHOME'Sの流入数を他の媒体と比較してみましょう。

HOME'S流入数.jpg

見てもらえればわかりますが最も流入数が多いのがHOME'Sです。様々な観点からSEO対策を見ても、その対策は非常に洗練されており見るべきところが多いです。

そもそも不動産情報はそれを構成する様々な変数が存在するので、ユーザーの検索ニーズが多種多様という前提があります。そのため検索経由のマーケティング施策がどのサイトも大きな事業課題となっています。

結果的に不動産業界は他業界と比べてもSEO対策の競争が激しいため、HOME'Sを中心に各社の対策を見ることで様々な気づきを得ることができます。

タイムマシン経営という、アメリカで先立って流行っているビジネスモデルやマーケティング方法を日本で実践するという考え方がありますが、似たように不動産業界のマーケティング施策を参考に別業界のウェブサービスの集客数を大きく増やすということも十分可能です。

SEO対策における重要ポイントである
・キーワード
・コーディング
・リンク
という3つの観点からひとつづつ見ていきましょう!

■差別化が基本のHOME'Sのキーワード選定

競争に競り勝つための重要なポイントは『差別化』ですがキーワード選びで大事なことも同じです。
重要なポイントは

・反響を獲得でき
・競争が少ない

というキーワードを見つけて、集客対策を成功させることです。
自社の強みがキーワードに紐付くのがベストですが、そんなにうまくいくことは多くありません。そのため各サイトが手をつけてないキーワードを調べてコンテンツを作るという発想も必要になります。

HOME'Sはこの競争が少なく反響を獲得できるワードを見つけるのが非常に上手です。例えば2006年当時賃貸選びで各社がしのぎを削っていたのは「地名×賃貸」でした。

地域×賃貸.jpg
当時HOME'Sが実施したのは
『沿線×賃貸』
『家賃×賃貸』
というニーズはあるが、他社が手を付けていないキーワードをターゲットにして、キーワード毎にページを作り、コーディング方法とリンク構造を最適化させ各ワードで検索した際の表示結果を独占しました。

家賃掛け合わせ.jpg
またそもそもキーワードを設定せずに、検索ニーズ毎にページを用意させるという方法を採っている面白いサービスがあります。それがchintai360°です。


賃貸360℃.jpg


このサイトは全ての検索条件毎に、ページを静的URLにして用意している仕様になっています。

chintai360℃対策.jpg

この方法は究極ですが、ひとつ欠点があります。それは条件によってはコンテンツが生成されないということです。現状の検索エンジンの評価基準は、検索ワード毎に最適なコンテンツを持っているかどうかが重要になっています。chintai360°が素晴らしいのは、物件が表示されないものはそもそも絞り込めない仕様になっているためコンテンツが生成されないということがありません。これによって上記の問題を防ぐことができています。

■3つの方法でコンテンツをユニーク化

コーディングで大事なことを先にまとめましょう
・html最適化
・情報のユニーク化
・検索エンジンに好まれる情報設計
の3つがポイントになります。

ここではHOME'Sが採用している情報のユニーク化施策についてお話します。

以前ザッポス研究でも話しましたが、掲載型のウェブサービスは自社で扱っている情報を他社のサイトでも扱っていることが往往にしてあります。当然不動産情報サイトも同様にHOME'Sで扱っている物件をsuumoやyahoo不動産が扱っているということも珍しくありません。

ユニーク化が課題.jpg

HOME'Sはクライアントとユーザーからのコンテンツによってユニーク化を担保しています。物件ごとにクライアントの賃貸仲介会社からコメントを記載してもらうことで、他サイトの物件情報とのユニーク性を担保させています

営業スタッフ検索コメント.jpg

また賃貸仲介会社に対しての評価をユーザーに行なってもらうことで不動産会社の情報のユニーク性を高めています。

不動産評価情報コメント.jpg

その他の施策としてはnoindexを使った施策があります。HOME'Sは地域毎に別ドメインを設けてコンテンツを運営しています。

地域ごとにドメインを用意.jpg

ドメインが異なるだけで同じ物件が表示されるため、配下のコンテンツはnoindexというタグをいれて検索エンジンのクローラーにインデックスさせないようにしているため同一コンテンツ判定を受けることもありません。


noindex施策.jpg
またHOME'Sが先駆けて行なった面白い施策に、HOME'S不動産アーカイブという過去の自社資産を活用した施策があります。不動産ポータルのような掲載型のウェブサービスは掲載が終了すればコンテンツが無くなってしまうのが普通です。

HOME'S不動産アーカイブは取扱のある掲載が無くなった物件情報をページとして用意してインデックスさせています。掲載は終わっている情報なのでユニーク性は担保されていますし、ここからの流入を呼び込むこともできます。他社も同じようなコンテンツを作っているのがわかりますがHOME'Sが先駆けて始めているためかなりの差になっています。

HOME'Sアーカイブ.jpg

■HOME'Sのリンク構造

リンク施策で大事なことは
・ページ内からのリンクを集めること
・別ドメインのサイトからリンクを集めること
の2つしかありません。

ここではページ内からリンクを集める実践例を紹介しましょう。前提としてページ内からリンクを集めるうえでやるべきことは
・クリック階層の短縮化
・ページ同士のリンクの最大化
の2つです。

HOME'Sは3語掛けあわせの条件ワードのSEO対策を成功させるために、各ページへのクリック階層を短くさせています。

ジャバラ式にテキストリンク.jpg

この方法は一歩間違えればクローキングにあたります。クローキングとは検索エンジンに対して見せる情報とユーザーに見せる情報をSEO対策を目的に変える手法のことです。判定はロボットで行うことはできないので人の目が介入して行われますがこのくらいであれば問題無いでしょう。

ページ同士のリンクの最大化はHOME'Sやsuumoが上手に行なっています。下のスライドを見て下さい。

サイト内リンク.jpg

このリンクは各駅に対してのリンクです。SEO対策の効果はもちろんですし、ユーザビリティ向上も担保しています。ページ同士のリンクの最大化は数をたくさん増やせばいいという身も蓋もない結論になりがちですが、こういった形で使いやすさも担保させていくほうが利用率はあがるでしょう。

■サブドメイン・同一ドメイン問題

HOME'SのSEO対策を語るうえで避けて通れないのが、同一ドメインサブドメイン対策の問題です。これまでHOME'Sは主要コンテンツ毎にサブドメインを作りサイトを用意していましたが、2012年10月末にドメインを統一させました。(一部サブドメインも残っています)IR資料を見るとSEO対策を強化させるためということですが、この方法が今後どういった成果を出すのかというのは検証が必要になってくるでしょう。

サブドメイン.jpg

これは以前と現在のランキングを競合であるSUUMOとで比較したものです。

HOME'SSUUMO比較.jpg

現状結果が出ているように見えますが、ドメイン統合施策が集客アップにどの程度貢献しているかを判断するのはこの情報だけでは判断ができません。この問題に対してはまた別の機会に書こうと考えています。

■まとめ

HOME'Sの対策をまとめましょう

・競合の少ないSEO対策を成功できる見込みのあるワードを抑える
・投稿と過去の資産を活用しコンテンツユニーク化を担保
・クリック階層の短縮化と内部リンクの最大化

という3つです。
不動産業界やポータルサイトだけではなく、他の業界のサービスサイトにも十分応用できる考え方なので是非ここで得た気づきを実践に移して欲しいです。

それではまたこの場所でお会いしましょう!

※この記事は公開情報をもとに作成しています

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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