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» 2013年1月18日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 ガリバーサイトクックパッドに後発で挑む楽天レシピのSEO戦略 クックパッド研究SEO対策編

こんにちは、黒須敏行です。

クックパッドは創業当時サーバー代を工面するのに苦しんでいた状態が続きましたが、そういった問題を解決するため検索トラフィックを落とすためのSEO対策を行なっていたほど凄いサイトです。
(大事なことなので2回いいました)

そんなクックパッドのSEO対策を、競合である楽天レシピと比較をすることで見て行きましょう。

楽天レシピは2010年にレシピポータル市場に後発で参入したサービスですが、現状の流入数を比較すると

圧倒的な流入数を誇るクックパッド.jpg

という差になっています。またブランド名の検索数の差も非常に大きいです。

ブランド名検索数比較.jpg

ビジネスの成功戦略の基本は競合がやらないことをやってナンバーワンをとろうという話ですが、同じタイミングで始めたものもあれば、後発でスタートさせなければならない事業もあるでしょう。

そういった状況でSEO対策を行う際に、何をしなければならないのかということを理解してもらうことが今回のゴールです。

例の如くSEO対策における重要ポイントの
・キーワード
・コーディング
・リンク
という3つの観点から見て行きましょう!


■後発媒体である楽天レシピが採用したキーワード戦略

レシピのキーワードというのは

料理名(筑前煮)
素材×レシピ(じゃがいも レシピ)
素材×調理方法(卵 ゆで方)

がメインになってきます。

各ワードのランキングを見てみましょう。

料理名ランキング.jpg

料理名・食材名はクックパッドが圧倒しています。一方かけあわせのワードはどうでしょうか。

かけあわせワードランキング比較.jpg

献立・作り方の掛け合わせはは楽天レシピのランキングも高いです。これは楽天レシピが意図した施策を行なっている成果です。コーディングを見てみましょう。


■クックパッドと楽天レシピのコーディングの違い

html最適化における重要タグの使い方を比較してみましょう。

コーディング比較.jpg

クックパッドは基本的にはレシピに最適化されています。一方楽天レシピはクックパッドが狙っていない塗り絵の余白のポジションのようなキーワードをコーディングに落とし込んでいます。

これはそもそもキーワードを選定するという発想がなければできません。

ここで疑問に思うのは、コーディングされていないワードでもクックパッドのランキングパフォーマンスが高い点です。これは検索エンジンの性能の進化に依るところが大きいです。

検索エンジンの性能は日に日に良くなっており、必ずしもコーディングに落としこんでいなくてもページの情報として性質が同じものであれば、評価をする傾向が高くなっています。

私のクライアントでも『口コミ』というキーワードで最適化されているぺーじが「クチコミ」「情報」というワードで評価されるということがありました。もちろんコーディングが最適化されていることに何の問題もないので、最適化は行うべきです。

次にクックパッドと楽天レシピは、検索エンジンに評価をさせようとしているページが異なります。コーディングを見ると、楽天レシピはレシピ詳細ページの最適化を行なっていません。

各レシピページのコーディングの違い.jpg

これはカテゴリトップを評価させようとしている楽天レシピに対して、クックパッドは全てのレシピページの評価を期待しているという違いです。

優先度の違い.jpg

推測ですが、後発のため全方位ではなくポイントを絞った対策を行うという意図があるでしょう。また楽天レシピはそれが料理カテゴリページトップのコンテンツも参考になります。

以前以前検索エンジン対策において大事なコンテンツの考え方は
・検索エンジン用のコンテンツ
・ユーザーのコンテンツ
を分けて考えることという話をしました。

楽天レシピはこれを理解したうえで施策を行なっていることがわかります。楽天レシピはh1タグの下にキーワードを定義するコンテンツを用意しています。

h1タグの使い方.jpg

h1配下の情報はページのなかでも高く評価されるため素晴らしい方法です。テキストの内容もユーザーが読んでも不自然なものではないところも良いですね。


■クックパッド楽天レシピリンク構造比較 

重要ポイントである
・クリック階層構造
・ページ内リンク構造
の2つの観点で見てみましょう。

☆クリック階層構造

この両サイトのクリック階層構造を見る際におさえるポイントは
・トップページのポップアップリンク
・カテゴリ一覧
の2つです。

クックパッドは各料理カテゴリのクリック階層が短いのが特徴です。

クリック階層比較.jpg

これはリンクの設置方法の違いがあります。クックパッドは料理カテゴリ毎のリンクをポップアップで表示させているため下層のコンテンツに対してのクローラビリティが高いです。

ポップアップリンク.jpg

楽天レシピも同じような施策を行なっています。

楽天レシピのジャバラ式アンカーテキスト.jpg

クリック階層の短縮化の重要性を理解していることが見て取れます。

またカテゴリ一覧というレシピを一覧できるコンテンツを両サイト共に持っています。これに関しては楽天レシピのほうが1ページで表示させているコンテンツの網羅性は高いです。楽天レシピのほうが徹底していますね。

カテゴリページアンカーテキスト比較.jpg

☆ページ内リンク導線

ランキングの結果を見てみると、クックパッドは料理名や食材のランキングのパフォーマンスが非常に高いです。理由としてはリンクが多く集まる人気のレシピから料理名や食材にリンクを渡していることが大きいです。

クックパッド食材へのリンク.jpg

楽天レシピを見てみましょう。楽天レシピ自体も料理名などにリンクを渡していますが数が異なります。また人気ランキングへのリンク導線がありません。

楽天レシピ内部リンク.jpg

またパンくずリストの使い方も違いがあります。パンくずリストというのは、そのページがサイトのどの階層にあるかを判断するためのリンクです。

グリム童話にヘンゼルとグレーテルという子どもたちが捨てられ、お菓子の家にたどり着くという話があります。彼らは家の道を忘れないようにパンをちぎって目印にしたという話がありますが、パンくずリストという名前はこの話が元ネタになっています。

トップページを含めて辿ってきたページに帰るためのリンクですが、SEO対策では重要な施策です。パンくずがあることで、各ページにリンクジュースを受け渡すことができるからです。

通常パンくずはひとつだけ置くことが多いですが、クックパッドや楽天レシピはそのレシピが紹介されているカテゴリページに対しての複数のパンくずリストを用意しています。

比較.jpg

コンテンツボリュームが多いポータルサイトにとっては参考になる施策です。


■まとめ

細かいところでは楽天レシピができているポイントがいくつかありましたが、パフォーマンスはクックパッドが上回っています。

これは1997年から培ってきたコンテンツボリュームからもたらされるリンクと、ポイントを外していないSEO対策が要因です。楽天レシピにはSEO対策だけを目的としたリンクも見受けられますが、そういった施策でこの差を埋めることは難しいです。

釈迦に説法ですが楽天レシピの強みは楽天経済圏と呼ばれる会員基盤です。検索エンジン集客にリソースを割くよりは、その強みを活かして楽天グループ内から集客数を増やしていくというのが最終ゴールまでの道のりは効率的でしょう。実際そういった方法を採っていると思います。

それでも楽天レシピのSEO対策は参考になるところが非常に多いです。是非持ち帰ったうえで実践をしてみてください。

次回はクックパッドと楽天レシピのユーザビリティを比較する予定です。

またこの場所でお会いしましょう!

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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