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» 2013年2月 1日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 nanapi(ナナピ)のSEO対策研究 スタートアップSEO研究特集第1弾


こんにちは、黒須敏行です。

今回はスタートアップと呼ばれる、成長が期待される新興企業を特集します。そのなかでもウェブサービスを運営している企業のSEO対策を研究を行いましょう。

これまではSEO対策の最高の実践例として様々な企業のサービスを研究し紹介してきましたが今回は若干毛色が違います。日本のウェブサービスのなかでもSEO対策が非常によくできているのは価格.comリブセンスクックパッドだと考えています。ここでいうSEO対策の定義は

・キーワード選定
・コーディング
・リンク施策

などがどれも高いレベルで実施されているということです。最近資金調達を受けているウェブサービスは多いですが、ソーシャルメディアとの連携に意識が集中していて検索エンジン対策がおざなりになっているサービスも多いです。

FacebookやTwitterの利用者が増えたからといっても検索エンジンは使われ続けるでしょう。なぜなら利用するシーンや目的が異なるからです。ソーシャルメディアは情報を受動的に取得しますが、検索は能動的に探すものです。FBがソーシャルグラフを導入しこの流れは変わるかもしれませんが、そもそも友人や他人と全ての属性情報を共有する世界が来るのは考えにくいです。

ソーシャルと検索の違い.jpg

例えば歯医者を探すときにfacebookで検索をするでしょうか。検索エンジンで検索した歯医者をfacebookで確認することは今後あるかもしれませんが、faecbookだけで完結するということはないでしょう。googleとfacebookはお互いの長所や欠点を補完していく関係になっていくと考えています。情報を探すユーザニーズに即したマーケティングを考えるのが重要でしょう。

この記事はスタートアップとよばれる企業が運営しているウェブサービスのSEO対策を研究することで、新興のウェブサービスの成功の足がかりとなる情報を伝え様々な学びを持ち帰ってもらうことが狙いです。

今回の研究対象はnanapiというウェブサービスです。

nanapi.jpg
nanapiというサービスを知らない人に一言で説明すると、生活の様々なノウハウを集めたサイトです。おばあちゃんの知恵袋的な情報を紹介するテレビ番組に「伊東家の食卓」というものがありましたが、あのウェブサービス版と思ってもらえれば問題ありません。あとこのサービス自体3年以上運営されているものなのでスタートアップではないかもしれません。

生活の他にも恋愛やITなど様々なジャンルのノウハウ・ハウツーをまとめています。私はエクセルの行と列がよくごっちゃになっていたのですが、nanapiの記事を読んで覚えることができました。


また最近は暇があれば恋愛のカテゴリを読んでいます。男性の誘いをやんわり断るハウツーは「ありすぎて困るwww」としかいえません。

男性の誘いをやんわり断る6つのテク

nanapiのミッションは世界最大のハウツーのデータベースサイトになることです。そしてそのミッションに紐付くビジネスモデルは広告収入です。広告の掲載収入で稼ぐためには、サイトの媒体価値を上げるために多くのコンテンツと流入数が必要になります。nanapiを立ち上げた古川健介さんは私の大学の先輩であり、学生時代に作ったしたらばという掲示板サービスをライブドアに1億円で売却したことで有名です。

その後はリクルートに入り独立をし、nanapiというサービスを立ち上げました。日本ではnanapi以外にもyahoo知恵袋や教えてgooなどのハウツーというよりもQ&Aサイトなどがありますが、それらのウェブサービスと比較してもnanapiのSEO対策はよくできています。

SEO対策における重要な3つのポイントである

・キーワード
・コーディング
・リンク

という3つからnanapiというサイトを見ていきましょう。


■nanapiのキーワード施策

通常のSEO対策の手順としては

・キーワードを選定
・ワードに応じたページ作り
・リンクをページに集める

というステップを踏みますが、nanapiは登録ユーザーに記事を書いてもらう形なのでSEO対策を行うキーワードを予め決めているわけではないと思います。むしろ記事が増えていったタイミングで検索ニーズのあるキーワード毎に情報を整理するという方法をとっています。

nanapiの方法.jpg

yahoo知恵袋などの他のQ&Aサイトとnanapiが決定的に異なるところがこの点です。yahoo知恵袋などは投稿内容に対してタグを生成しているので、タグ毎に記事をまとめる機能は実装されています。ただnanapiはユーザーニーズ毎に記事を編集するため整理の方法が洗練されています。こうすることにより価値のある情報としてリンクがより集まってきます。

情報整理の違い.jpg

これはnanapiが注力している記事のランキングと別のドメインから受けているリンクの数を比較したものです。

nanapi注力ページ.jpg

facebookというワードで10位に入っていますがナチュラルリンクが多く集まっています。記事を整理したことで自然にリンクが集まったのが見てわかります。一方他の記事はリンクのボリュームが少なくランキングが上がっていません。これはいつというのはわかりませんが時間が経過することで解決されるでしょう。

nanapiはSEO対策における重要ポイントのキーワード設定を念頭において集客施策を行なっているということがわかります。


■nanapiのコーディング施策

以前書いた記事では基本的な施策が重要という話をしましたが、nanapiはdescriptionの記載方法が他のサイトと多少異なっています。端的にいうとボディの文章を直接表示させる形をとっています。

nanapiコーディング.jpg

これはなぜでしょう。

descriptionを記載しない場合はボディテキストの上部から表示させる仕組みになっているので問題ありません。またnanapiはボディのテキストを自動的にソーシャルメディアで紹介されるdescriptionの記載にさせています。

私が書いている別のブログもソーシャルメディアのdescriptionと検索エンジン上のdescriptionを分けています。ソーシャルメディア用のdescriptionやイメージの設定はおこなっていない方には是非取り入れて欲しいです。

画像説明文最適化.jpg

これを行うことで表示の崩れを回避することができます。



■nanapiのリンク施策

nanapiはクリック階層の設計が他のハウツーサイトと比べるとうまくできています。クリック階層の設計というと大げさですが、末端ページまでにクローラーがたどるクリック数が短いということです。

例えばですが様々な人のハウツーを一覧で見れる画面で表示させている件数が異なります。

表示件数の違い.jpg

1画面で50件表示させることで、末端ページまでより短いクリックでクローラーが到達できるようになっています。非常にシンプルですが強力な施策です。詳細ページまで何回もクリックをしないといけないようなウェブサービスにオススメの施策ですが注意点があります。

それは表示速度を担保させることです。

情報量を多くさせることで、ページの読み込みに時間がかかってしまうということは十分想定できます。ページ表示スピードの遅延は検索エンジンの評価もそうですが、単純に離脱するユーザーを招く一因になります。実装後はユーザビリティテストを行い、ユーザ満足度を担保できるかどうかを見るのがよいでしょう。

また最近はページ送りのリンクにショートカットリンクを追加しています。これがあることで検索エンジンのクローラーは末端のページに対してより短い遷移で到達することができるようになります。

nanapiのショートカットリンク.jpg

この施策はリブセンスのやり方が最もよくできていますが、こういった方法でも十分に効果は出ます。クリック階層を改善させクローラーの回遊性を改善させるという根本の考え方は同じです。


■まとめ

nanapiのSEO対策を見るべきポイントは

・集客すべきキーワードを選定するという考え方
ソーシャルメディア対応コーディング
・基本に忠実なクリック階層改善施策

という基本の3つです。

次回は別のスタートアップサービスを特集します。

またこの場所でお会いしましょう!

☆nanapiのSEOについてもっと知りたい!という方へオススメの情報

nanapi社長の古川健介さんがnanapiのSEOで何を行なっているのかを書いています。

nanapiは元アイレップの辻正浩さんという方がSEO対策のコンサルティングを行い大きく流入が伸びました。辻正浩さんが何を行ったのかを辻さん自身が資料にまとめて公開をしています。
事例で考えるSEOの力


☆SEOのノウハウをもっと知りたい!という方へオススメの情報

【アメリカで最もSEO対策が優れているECサイトザッポス】

【価格.com SEO研究】

【日本で最もSEO対策が優れているリブセンスのSEO対策を研究】
【HOME'SのSEO対策を徹底研究】


☆ネットサービスのビジネスモデルをもっと知りたいという方へオススメの情報

【食べログとぐるなびのビジネスモデル比較】
【リブセンスのビジネスモデル解説】
【HOME'Sのビジネスモデル解説】
【クックパッドのビジネスモデル解説】
クックパッドの強みの根源であるユーザ視点

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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