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» 2014年3月 6日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 【Googleペナルティ解除に悩むマーケター向け】SEO対策によって高営業利益率を叩き出す企業はどこも当たり前にやってる社内施策

先日クライアントがリンクを自主的に購入していたことが原因でGoogleから警告を受けたことがありました。

内容を見ると市区町村などの公的機関からもらっているリンクが警告対象でした。
※URLを一部削除しています。

警告.jpg

市区町村のサイトのような公共性が高いサイトはもともとGoogleから高く評価される傾向があり、そういったサイトからリンクを受けるとランキングがあがりやすくなります。

市区町村は広告枠として月数千円~数万円でバナー広告を販売しており、SEO会社を通すよりも質の良いリンクが安価に手に入るということもあり以前から様々な事業会社が市区町村のリンクをSEO目的で購入していたという背景がありました。

このクライアントは自社の判断で自主的に購入をしていましたが、それが警告対象になったのです。

こういったケースを代表にSEO対策のルールが変わっているという実感があります。

ウェブクルーという様々な比較サイトの運営を手がける上場事業会社がありますが引越しと車の事業の営業利益率が2011年と2013年を比べると悪化し、2013年11月~2014年2月にかけて若干改善されています。

ウェブクルーセグメント別.jpg

IR資料に書かれていますが、悪化も改善もSEO対策が要因になっています。

2012年5月.jpg

出典:2011年11月決算短信

下落時の説明会資料.jpg

出典:2012年12月説明会資料

2013年時の説明会資料.jpg

出典:2013年12月説明会資料

ウェブクルーのウェブマーケティング担当者のブログを見ても、検索流入数が改善していることがわかります。

ウェブクルーSEOブログ

今回の記事の目的はルール変更によってこれまでの方法で成果を出せなくなっているマーケターを対象に、今後どのようにSEO対策を取り組むべきかを理解してもらうことです。

ウェブクルーのような上場している事業会社が取り組んでいる施策を公開されている情報をもとに解説します。

それでは参りましょう!


■最もインパクトがある施策がキーワードを特定し、ページを用意すること

一括資料請求サービスのSEO対策というと
・引越し
・車査定
・保険
などの検索ニーズが高いキーワードに対応したページに対して、リンクを集めランキングアップを狙う方法がこれまでの主流でした。

但し始めに説明したように、そういった方法が難しくなっている現状があります。

ウェブクルーの運営するズバット車買取比較をウェブアーカイブで見比べるとキーワード毎にページを用意しているのがわかります。

ページを用意.jpg

SEO対策という言葉はページのコーディングの最適化とリンク改善施策という文脈で使われることが多いですが、本当に大事なことは

ユーザ関心が高く、ビジネスモデルの特長を活かせ、競合が少ないキーワードを特定
キーワードに対応したページを用意する

この2点です。

そして対応ページのランキングを上げるために必要な施策がキーワードに対応したコンテンツの調達と、調達の低コスト化です。これを説明しましょう。


■SEO対策にはコンテンツが重要と聞いたけど、どんなコンテンツを増やせばいいの?

SEO対策にはコンテンツが重要という言説が多くありますが、前提としてSEO対策はマーケティング手法のひとつなのでコストパフォーマンスという考え方を忘れてはいけません。

ユーザにとって価値のある情報をつくれるのであれば問題ありませんが、コンテンツは
・低コストに
・継続的に
増やしてくことが必要になります。

コンテンツというと

suumoコンテンツ.jpg

こういった編集や企画力を必要とする読み物系情報を想起するケースが多いと思いますがこの方法はコストもかかりますし、このコンテンツに集まった自然なリンク量で数千、数万のキーワードのランキングアップを担保することは現実問題難しいなと感じます。

ウェブクルーはターゲットワード毎に専門家とユーザから専門情報を用意していることがわかります。

■専門家情報

専門家情報.jpg

■ユーザコメント

ユーザコメント.jpg

ウェブクルーの施策は
・キーワード対応ページ毎に情報がぶら下がっているためターゲットワードを継続的に強化できる
フォーマット化されているため作成コストを抑えられる
という利点があります。

「SEO対策においてこれからはコンテンツが大事といわれたけど、一体どんなコンテンツを作れば・・」

と頭を抱えているマーケターはこういった方式を参考にすべきです。

また最近はクラウドソーシングサービスによって、以前より低コストに記事作成を外注することができるようになっています。

リアルワールドというクラウドソーシング事業を行っているクラウドというサービスの案件を見ると、各事業会社がユーザ投稿型の記事作成をクラウドソーシング会社に依頼していることがわかります。

jigenクチコミ.jpg

マイスミ茨木口コミ.jpg

こういった方式も筋が良い方法です。

話は変わりますがこういった案件を見るとクラウドソーシングサービスの成長要因のひとつが事業会社経由のSEO改善を目的とした記事作成案件だと感じます。


■URL方式の最適化

Googleが公式に提供するウェブマスター向けSEO情報に書かれていますが、URLの生成方式は
・パラメータを削除し
・意味のあるものにする
ことがベストです。

価格コムが運営するスマイティという賃貸検索サービスがありますが、2013年12月にトラフィックが落ち込んでいます。

スマイティ.jpg

出典:2013年6月アクセス
出典:2013年9月アクセス
出典:2013年12月アクセス

スマイティの以前までのURLは、例えば東京の物件対応ページであれば

http://sumaity.com/13/

という記載でしたが現在はこのように最適化されています。

http://sumaity.com/chintai/tokyo/

以前のスマイティの最適化状況であれば普通にサービス運営している分には問題ありません。

ただし非常に長いURLやパラメータが付いているのであれば最適化はしたほうがいいです。

過去の事例でもURL最適化を含めた改善を行い半年間で月間の検索流入ユーザ数が4万から9万まで増え反響数と売上が大きく改善されたケースがあります。これ以外の施策も行いましたが、URLの最適化はインパクトが大きかったと考えています。

最適化していない企業は取り組むべき施策です。


■今後必要とされる考え方

SEO対策は以前のような方法で高いパフォーマンスを出すことは難しくなっています。

そのため今後は

・SEO対策は費用対効果が悪い手法と判断した上で、別の集客施策を模索
・やるのであれば上記の企業のような施策を実行

という判断が必要になってくるでしょう。

また今後取り組んでいくと決めるのであれば、マーケターや経営者のそもそもの考え方によってパフォーマンスが変わることを認識する必要があります。

前提としてSEO対策は費用対効果を出すのが非常に難しいマーケティング手法です。

例えば先ほど紹介したURL生成方式の最適化施策はサイトの規模、仕様やエンジニアの力量によって改善工数がバラバラですしどれくらい検索流入数が改善されるかを事前に想定するのは困難です。

費用対効果云々を議論している間に、社内でさくっと改善できる体制をもっている競合他社にまくられるケースを見ますが、こういった会社はビジネスの強みがオフラインの営業活動(人、広告手法、店舗数などを含めて)にあることが多く

・経営者がウェブやデジタルに対しての感度が低く
・マーケティングの発想が「反響数/工数」なので、費用対効果を算出し難い施策に対して構造的に投資できない
・改善体制が社内になく全て外注

という傾向がある気がしてます。

そのため個別具体的な手法に詳しくなることも重要ですが、ウェブやマーケティングに対しての理解度によって事業パフォーマンスが大きく変わることを認識し、改善体制を変えることが成果を出すためには必要だなと感じます。

まあ現実問題これが一番難しいのですが。。

それではまたこの場所でお会いしましょう!

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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