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» 2014年5月12日 更新

ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話 【大規模ウェブサービスのマーケ担当限定】SEO対策が生命線です!という大規模サイト運営会社が決して外部公開しないSEO施策まとめ

先日こんなニュースが流れていました。

Google、SEOの方針を転換 バックリンクから「著者」「コンテンツの質」重視へ

「コンテンツの質」という意味はわかるんですが、「著者」という言葉は論文やニュース、ブログといった『人が書く文章情報』を前提としています

仮にアルバイト求人の検索サイトや、ECサイトのマーケティングを担当する方がこのニュースを見れば

著者って何?

というリアクションになるでしょう。

このように世の中に流れているSEOに関する情報は、ビジネス改善を目的としたSEO対策の情報と若干乖離があるなと以前から感じています。

こういった乖離があるのは情報が対象によって整理されていないためです。

そのため今回はSEO対策によってビジネスを成長させようと考えている大規模サイトマーケティング担当者を対象に、様々なサイトの施策を紹介することで
自分達でサービスの検索流入数を底上げできる施策を抑えてもらう
ことが目的です。

SEO対策で重要なポイントである

・キーワード
・コーディング
・リンク

それぞれの要素毎に解説をしていきます。

それでは参りましょう!


■食べログが採用する地域スポットキーワード施策

カカクコムが運営する食べログのSEO対策で優れている点は、食に対する多種多様のキーワードを事前に特定をして対応ページを用意していることです。

以前解説をしました。
食べログのキーワードページ施策

例えば秋刀魚だけでさんま、サンマ、秋刀魚と綴り毎に用意しています。

さんま
サンマ
秋刀魚

またそれぞれページ毎に、様々な地域専門のページを用意しています。

地域を、47都道府県、約900市区町村、約9000駅とすると秋刀魚だけで1万地域×3つづり=3万ページ生成されることになります。

これらは全部同じコンテンツなのでひとつにまとめたほうがいいですが、コンテンツの名寄せは目視で行う必要があるので、ここまで情報量があると現実問題難しいです。

またここで抑えるべき点はキーワードを特定するという発想です。

そして食だけではなく、施設に対応したページを用意しています。

パルコミュージアム
ルミネマン渋谷
古代エジプト美術館

他社のグルメポータルと比較すると食べログだけ対応ページを用意しているのがわかります。

ページの有無.jpg

これによって

施設名×レストラン
施設名×グルメ

などの検索流入を期待できます。

ランキングチェック.jpg

これらのキーワードの検索流入数はツール上では算出できませんが、おそらくサイト内検索ワードの実績からキーワードを発掘したのでしょう。

この施策を不動産サイトで応用するのであれば

施設名×賃貸
施設名×不動産

などに対応したページを用意することです。

施設のキーワードはビジネス貢献度は相当低いそうですが、検索流入数は増えるでしょう。

SEO対策というと検索アルゴリズムに代表されるテクノロジーの話がどうしても多くなりますが、そもそもはマーケティングの手段の一つです。

そのため最も重要なことはユーザ関心のあるキーワードを特定することなんですが、食べログを見るとそれを地道に実現していることがわかります。

余談ですが食べログのソースは宮城県自衛隊のサイトみたいになってますね。

 食べログソース.jpg

食べログ

宮城県自衛隊のソース.jpg

宮城県自衛隊

■door賃貸が採用する物件詳細ページのユニーク化施策

不動産サイトのSEO対策で問題になることは、掲載情報が他サイトと被ることです。評価を高めるためには情報を別サイトと別個のものにする必要があり、ネクストが運営するHOME'Sは様々な方法によってユニーク化を実現していることを以前解説しました。

HOME'SのSEO対策

リブセンスが運営するdoor賃貸の詳細ページを見るとトリッキーな方法でユニーク化に取り組んでいます。

各ページを見ると物件を取り扱う不動産会社の情報を表示させていることがわかります。

door賃貸.jpg

これによって他サイトとのユニーク化は加速しますし、物件詳細ページの情報量を仕組みによって飛躍的に増やすことができます。

ひとつの物件を様々な不動産会社が取り扱うことはよくあることなので、検索結果ページの物件情報を不動産会社単位ではなく物件単位に整理したのはHOME'Sが先駆けでした。

ただしdoor賃貸のような方式で情報をまとめているのは見たことがありません。

またこういった不動産サービスでよくある問題に、地域専門ページの情報量が乏しくなることが挙げられます。

要は地域名のアンカーテキストしか並んでいない状況になるため、リンク集のようなコンテンツになってしまうことです。

リンク集が悪いわけではありませんが、評価を高めるためにはアンカーテキスト以外のプレーンなテキストをユーザに提案する必要があります。

 構造的にアンカーテキストだけのページになりやすい.jpg

door賃貸は乗り換え路線の情報を表示させることで、アンカーテキスト以外のテキスト情報を提案しています。

 情報量強化.jpg

よくある方法はクラウドソーシングサービスを活用しテキストを用意することですが、この方法は仕組みで解決しています。

他の業界でも転用が可能ですし、発想が洗練されていると感じます。


■ぐるなびが実施する地域ページ強化施策

大規模サイトの担当者ににおける昨今の悩みのタネは
自作自演リンクを使わずに、どうやって大量の下層ページにリンクを集めるのか
です。

ユーザにとって価値のある情報を提供することで獲得したリンクによって、ある特定のキーワードやページのランキングをアップさせたという事例はいくつかあります。

ただし、様々なユーザの関心に対応するためにはそれぞれのユーザに対応した多種多様の下層ページのランキングをアップしなければなりません。

そのため自然に集まったリンクを各下層ページに集めることが必要になりますが、勝手に集まるリンクの量はコントロールできないため非常に難易度が高いです。

この問題の解決策はぐるなびを見ると参考になります。

みんなのごはん.jpg

彼らは日替わりでみんなのごはんというコンテンツを提供していますが、ターゲットになる各地域ページに対してリンクを渡す構造になっているのでこれらのコンテンツが運営され続ければするほど各地域ページのリンクが増える仕組みになっています。

ぐるなびの地域ページへのアンカーテキスト.jpg

かなりのコストがかかりますし費用対効果は出せませんが、この方法は王道です。

ただし飲食店情報はリンクを集めやすいという前提があるため、他の業界で同じことができるかどうかは正直わかりません。


■みんなのウエディングが採用するクリック階層改善施策

みんなのウエディングという結婚式場のクチコミをチェックできるインターネットサービス会社が上場しました。

 minnanowedding.jpg

ビジネスモデルは式場からの広告収入ですが、ブライダル業界の広告媒体は紙のゼクシィがガリバーです。

サービス名の検索数を比較してもそれはわかりますが、ゼクシィは結婚検討ユーザの想起率が断トツに高い特徴があります。

※想起率というのは結婚と考えた際に一番始めにユーザが思い浮かぶブランド比率です

ウエディングポータル検索数比較.jpg

結婚式会場を比較検討しているユーザ行動を数十人調査すると

ゼクシィ.netを見て地域を選択

式場一覧ページでいくつかの式場のチェック

気になった式場の公式ホームページをチェック

気になった会場をクチコミサービスで風評確認

というユーザ行動が何人か確認できます。どれか一つのサービスだけを使うのではなく、検討段階の目的によってサービスを使い分けているようです。

 そのためみんなのウエディングにとっては

・式場名
・式場名 クチコミ

などのキーワードのSEO対策が事業の構造上特に重要になると考えています。

こういったキーワードの評価を高めるために必要なことは、トップページから式場ページまで短いクリック回数で検索エンジンクローラーが辿れるようなサイト構造にすることです。

見てみるとみんなのウエディングは会場一覧ページを用意しているため、どの会場も3クリックで到達ができます。

みんなのウエディングは階層が短い.jpg

この施策によって式場名や式場名×クチコミといったキーワードを強化できます。


■まとめ

SEO対策の話はマーケティングとテクノロジーの話に分けることができますが、競争が激化している業界や領域では、新たに発掘できるキーワードがほとんど無くマーケティングでは差がつかないケースもあります。

SEO対策はマーケティングだ!といっておきながらちゃぶ台をひっくり返しますが、そういった状況で重要になるのは今回紹介したようなテクニックです。

また今回紹介したサービスはビジネスモデルとして

・多くの情報を集めやすい
・検索と相性が良い

という前提があるため、サービスによっては

・そもそもSEO対策が向いていない
・上記の施策が構造的に実施不可

なんてことも往々にしてあるので注意して欲しいです。

あとこれまで紹介してきたサービスの施策を見て、自分で参考点を発見できるようになるとなお良いです。

見るべきポイントとしては

・同じ業界の他のサービスと比較して、別の観点でページを用意しているかどうかを見る
・どのように掲載情報をユニークにしているのかを見る
・どのようにして階層を短くしているのかを見る

などが良いかと。こういった観点でサービスを見ていくことで施策のアイデアを数多く得ることができるはずです。

それではまたこの場所でお会いしましょう!

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プロフィール

黒須敏行

黒須敏行

早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。

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