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» 2013年1月22日 更新

データとデザイン研究室 調査結果のプレスリリースとインフォグラフィック

企業のマーケティング活動において、プロモーションの位置づけで自社に関連するテーマの調査を実施し、プレスリリースを行うというケースがあります。
私自身、市場調査業務に5年ほど従事してきたことから、調査会社や広告会社、企業の調査関連のプレスリリースはチェックすることが多いです。
最近見かけたタイムリーなプレスリリースとして、こちらの2件をご紹介したいと思います。

「新成人のカーライフ意識調査2013」
(実施企業:ソニー損保)

「車所有者に聞いた!年末年始の混雑タイミングが分かるインフォグラフィック」
(実施企業:保険の窓口インズウェブ)


この2件を取り上げたのは、「ある共通点」があったことが理由です。
それは「保険業界」、ではなく「インフォグラフィック」です。

インフォグラフィックとは、情報やデータを視覚的に表現したものです。ここ2、3年、ネット界隈では「○○をわかりやすくまとめたインフォグラフィック」といったネタがソーシャルメディア上で共有されていくケースを良く見かけました。

Googleトレンドを使って検索語の傾向を見てみても、2010年ごろから「infographic」「インフォグラフィック」という検索語のボリュームが上昇していることが見て取れます。

■検索語「infographic」の傾向

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■検索語「インフォグラフィック」の傾向

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昨年ごろからは、インフォグラフィックのまとめサイトや投稿サイト、インフォグラフィック作成支援サービスなども登場してきています。

インフォグラフィックという概念自体は特に新しいものではありませんが、ここ最近のトレンドは各種定量データをいかにわかりやすく可視化して共感を呼び、伝播させていくか、という点で注目が集まっていると感じています。

マーケティングにおけるデータの見せ方について、インフォグラフィック形式と従来のプレスリリース形式を比較してみます。(つたないイメージ付きですが)

■調査結果のプレスリリースとインフォグラフィックの比較

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インフォグラフィックは、関連する定量データを画的に1枚の画像で見せることで、直感的に情報を伝えたり、印象付けたりすることに長けています。一方、従来のプレスリリースは、文章をメインとしてグラフや表で情報補完する形式です。発表されたグラフや図表は裏づけデータとして資料に引用をしやすく、ビジネスの場に馴染んだ見せ方と方法であると言えます。

ただし、ソーシャルメディア上での共有を促進していく際には、画像の「パッと見のわかりやすさ」が鍵を握ります。

調査結果のWebサイトをTwitterやFacebookの公式アカウントを通じて共有する時、サムネイル画像として印象が強いのは、インフォグラフィックの方ではないでしょうか。Webサイトの設計によっては、Webページにあるグラフや表が、Facebookのサムネイル画像として表示されないケースもあり、もったいない事例を何度も見ています。
ソーシャルメディア上(特にFacebook)では、画像に沢山のイイネがついたり共有されたりしやすいという特性もあり、画像付き投稿は企業のソーシャルメディアマーケティングにおけるメソッドの一つにもなってきています。

多くの情報を集約して「伝わりやすい珠玉の1枚画像」を作成し、それを伝播させることで自社のWebサイトへのアクセスを呼び込む。こうした取り組みは、企業メッセージを広め消費者を動かしていく重要なプロセスになると私は考えています。

事例として挙げた2社は、自社の事業である保険業/保険代理業に関連する「車」「年末年始の高速道路での移動」をテーマに調査を行い、その結果を従来のプレスリリースの形式でまとめた上で、インフォグラフィックも作成して発表しています。
ソーシャルメディアマーケティングの支援企業ではなく、一般的な企業が自社で発表しているケースとして興味深いと感じました。

次回は、各種統計データをもとにOfficeなどの身近なツールでインフォグラフィックをどこまで作れるのかトライしてみようと思っています。
あまりグラフィックデザインの知識が多くあるわけではありませんが、自分なりに工夫してみた点が何かのお役に立てば嬉しく思います。

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プロフィール

後藤真理絵

後藤真理絵

大学時代はエスノグラフィからのモノ作り研究。卒業後は某広告代理店系の制作会社を経て、通信キャリアでマーケティングリサーチ業務および、データを活用した新規事業企画に携わる。現在は、ヤフー株式会社にてアドテク周辺のデータコンサルとして、DSPやDMPのデータ活用支援に従事。

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