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» 2014年6月24日 更新

データとデザイン研究室 【番外編】シリコンバレー見聞録 (1)写真編

4月に北米旅行に行ったついでに、シリコンバレーに立ち寄り、様々なIT企業の雰囲気を体験してきました。

そこで現地のガイドの方に教えていただいた最近のシリコンバレーを取り巻く環境や雰囲気について、写真と米国統計データでご紹介したいと思います。

まずは写真編から。

今回、「車で移動が必須の広大なシリコンバレーに、初訪問なのにもかかわらず、車も運転できない女子が独りで乗り込む」という状況でしたので、移動時間の確保と身の安全も考え、現地でオプショナルツアーを提供されているこちらのツアー会社の方にお世話になりました。

観光客向けツアーのほかに、ビジネスマン向けのオリジナルツアーの提供も行っているそうです。

VIP Golf and Resort, Inc

なお、現在の日本からのツアー参加者の傾向は、IT系の企業に勤める人がほとんどであり、男女比は、9:1 とのことでした。
工程表は以下のとおり。

  • スタンフォード大学
  • HPガレージ見学
  • Facebook本社(イイネ看板)
  • Intel本社内ミュージアム見学
  • Yahoo!本社内オフィシャルストア
  • ランチ
  • Google本社
  • コンピューターヒストリーミュージアム見学
  • Apple本社ストア

あとで教えてもらったことですが、シリコンバレーの企業は、東海岸とのビジネスの関係もあり、通勤ラッシュは7~9時の時間帯、帰宅ラッシュは15時以降となっているそうです(時差対応のため)。

その時間帯は、ハイウェイが混雑して渋滞が起こるそうですが、渋滞回避のツアー工程を組んでいただいたので、ほとんど止まらずに観ることができました。

それでは、1箇所1、2枚ずつ珠玉の写真を載せて行きたいと思います。

■スタンフォード大学

感想、「全てがでかい!」に尽きます。周りに目立った繁華街はなく、1日歩いても回りきれないほどの広さ。かなり勉強に集中できそうな環境でした。

学内に普通に椰子の木と道路があり、学生の建物の移動には乗り物が必須です。

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なお、この学内競技場の向こう側のスタジアムで、Steve Jobsが「Stay Hungry, Stay Foolish」で有名なスピーチを行いました。

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■HPガレージ

奥のガレージがHP創業の地=シリコンバレー発祥の地です。手前の家は普通の民家。カリフォルニア州の歴史的建造物に認定されているため、民家の前に碑があります。閑静な高級住宅街の中に、歴史の起点となった建造物と碑、住宅が静かに隣り合って建っていました。

今回は立ち寄りませんでしたが、XeroxのPalo Alto研究所もこの近くです。

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■Facebook本社

訪問した人が必ず「イイネ!」と親指を立てるあの看板の裏側。Sun microsystemsの看板のままになっています。

※Facebookは2011年にサンマイクロシステムズ旧本社の建物に本社移転。

・まずは表側 ご他聞にもれずイイネしてきました

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・裏側 オラクルに買収されたサンマイクロシステムズの看板が残されています。何か想いがあってのことなのか、偶然か。

写真 2014-04-19 3 11 46.jpg

■Intelミュージアム

インテル本社内のミュージアムには、同社が開発してきたマイクロプロセッサーの製造方法と歴史、コンピューター自体の歴史を、実物を用いて展示しています。IBMの昔のコンピューターなど大人向けの内容から、バイナリーコードでの名前入力機など子供向けの学習コンテンツまで幅広い展示となっています。

またミュージアム内では、子供向けのワークショップルームがあり、半導体の製造方法や電子回路製作のクラスが行われています。

・バイナリコードで名前をタイプする機械。

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・子供向けワークショップ会場。

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■Yahoo!本社

お昼時でしたので、社員食堂の様子を伺うことができました。アジア系の社員を多く見かけた気がします。ガイドさん曰く、ツアーで訪れているだけであっても、社長が変わってから雰囲気がかなり変わり、活気を感じているとのことでした。

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■シリコンバレーランチ事情

シリコンバレーのIT企業に関しては「無料社食」がよく取り上げられますが、社員食堂がまだない会社の社員はどこで食べているかというと、こちらの写真のような場所に出かけて食事をするそうです。

日本で言うところの郊外型巨大モールのようなところで、大型レストランや映画館、遊園地などが一体となった、一日遊べそうな巨大施設です。

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■Google本社

Googleは、「ザ・本社」という建物や看板があるわけではなく、5階建て程度の低めの建物が立ち並ぶ、Googleビレッジのような雰囲気です。

社員は打ち合わせで赴く必要があるときは、建物を移動するときに自転車で移動します。その自転車が、こちらのChrome自転車です。Google社員のみが乗れる特別な自転車。Googleビレッジ内で社員が自転車で移動するシーンを何回か見かけましたが、車と同等の速いスピードで走っていました。

ちなみに、Appleにも移動用自転車がありましたが、配色は全てグレーでした。

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■コンピューターヒストリーミュージアム

コンピューターの歴史が詰まった博物館です。

博物館の全体構成は、計算機から始まり、アメリカの国勢調査をきっかけとしたデータの統計処理、アナログからデジタルへの転換、シリコンバレーの発展とともに歩んだコンピューターの数々の製品がぎっしりと並んでおり、IT系の方は皆さんそれぞれの想いとともに観ることができる場所だと思います。もちろん、子供向けにも解説や触って学べるコンテンツが用意されています。

なお、計算機の時代の事例紹介で、日本の「そろばん」が紹介されていました。ここでそろばんに再会するとは思いませんでした。

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■Apple本社

こちらの写真は、Apple社員専用通勤バスです。Appleがサンフランシスコ市内など、遠方から通勤する社員に向けて提供しているものです。Appleのロゴの色に近いグレーの車体です。

FacebookもGoogleも同様のバスを運行しています。

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■シリコンバレー周辺都市がかかえる問題

上記のAppleのバス。いくらシンプルデザインがポリシーのAppleとはいえ、車体にリンゴマークもついていません・・・。Facebookのバスはイイネ!の親指もなく、GoogleはAndroid君も描かれていない。ただバスには行き先の「Cuperchino」「Menlo Park」など本社所在地しか書かれていません。

どうも味気なく思えますが、理由があって企業ロゴが車体についていないのです。

それは、そのバスが特定の企業の社員専用バスとばれないようにするためです。

現地でうかがった話によると、現在、IT系の職業に就く若者は、シリコンバレーは田舎という印象を抱く人が多く、シリコンバレーに住むのではなく、市街地に居住する人が増加しているとのこと。
シリコンバレーの企業は、ITベンチャーのクールさだけでは優秀な人材を集められなくなってきたため、通勤用無料バスを提供したり、TwitterやDropbox等市街地にオフィスを構える企業もでてきています。
こうした価値観と居住形態の変化により、市街地に比較的年収の高い人が住むようになり、家賃が高騰。
古くから住んでいた人が部屋や住みなれた町から出ざるを得ない現象が発生しているそうです。
やがて、「IT企業に追い出されてしまった」と感じている古くからの住民が、著名な企業の通勤バスとわかると取り囲み、デモ活動が起こるようになりました。
それで、企業側も会社名を車体から消し、行き先のみの表示にして社員の安全を図る措置を行ったのが、会社ロゴなしの理由です。
以下にも文献がありました。

格差対立、第2機械時代の痛みに直面するシリコンバレー

そこで気になるのが、実際にいくらぐらい家賃が上昇し、年収分布や世帯構成などにも変化があったのかということです。

次回はこの環境変化を米国統計データから探っていきたいと思います。

 

※なお、5月よりヤフー株式会社に転職し、DSP、DMP関連のデータコンサル業務についています。引き続き宜しくお願いいたします。

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プロフィール

後藤真理絵

後藤真理絵

大学時代はエスノグラフィからのモノ作り研究。卒業後は某広告代理店系の制作会社を経て、通信キャリアでマーケティングリサーチ業務および、データを活用した新規事業企画に携わる。現在は、ヤフー株式会社にてアドテク周辺のデータコンサルとして、DSPやDMPのデータ活用支援に従事。

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