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» 2014年4月 3日 更新

ハイ・コミュニケーション私論 気づきや経験を教えあう、シェアするサービスが続々登場 ─ 活況を呈するスキルや経験、ノウハウのコミュニティ

先日「新しい教養の場としての読書会〜活字離れと読書会人気に思う」という記事を書いたが、幸いなことにそれなりに関心や興味を喚起したようで、本人が思っている以上に多くの人たちにご笑覧いただき、大変にありがたく改めて御礼を申しあげる。

さて、それと関連する動向として、自分磨きというか自己啓発というか、ここのところ私の周辺ではその人が持っているスキルやノウハウ、経験や知識(知惠)などを教えあう、シェアするサービスやスタートアップが続々登場している。

こうした新しいサービスは、自分のスキル、知識あるいは得意なことを教えたい個人(先生)と、学びたい人(生徒)をマッチングするC to Cサービスであることが特長である。
こうしたサービスで、古参はリクルートの「おしえるまなべる」だろう。オープンしたのは、いまから7年前(07年11月)である。

こうしたテクノロジーを活用した新しい学習形態や方法は、ソーシャルラーニングと称されることもある

学校以外で、以前から学びの場として知られているのが、カルチャーセンターあるいはスクールと呼ばれる存在だ。
社会人のために学びの機会を提供することを目的に企業が運営し、主婦層を主なターゲットとした趣味や教養のカリキュラムによる講座である。1講座あたり、3〜6ヶ月程度で学ぶものが多い。
代表的なところでは、「朝日カルチャーセンター」、NHKの「NHK文化センター」、「東急セミナーBE」、西武の「池袋コミュニティ・カレッジ」などが知られている。

今日、新たに登場している新しい学びは、ソーシャルメディア社会による、新たな次元に入っているように思う。


■「第二新卒」という言葉の意味するもの

私の学生の頃にはなかった現象である。いつ頃から使われ出したことなのか定かではないが、今日ではすっかりと定着してそうした市場も存在するほどだ。もちろん、これは転職情報サービスをビジネスにしている業界が、ポジティブ感を訴求することでさらに自分たちの商売に資するだろうという計算があってのことだ。

新卒は、本人が言っても採用側が言っても新卒だが、第二新卒は採用者側(企業担当者、就職情報業界)の都合が産み出した表現である。
私自身は未読なのだが、数年前に『若者はなぜ3年で辞めるのか? 』(光文社新書)という本がかなり話題となったので、そのころからかとも思うのだが根拠はない。

この言葉自体、厳密で明確な定義があるわけではないようだが、学校などを卒業して一旦就職したが、おおよそ2〜3年ほどで転職をするような人たちを指している。
転職する理由は大きくは2つあると思う。

第一に、新卒一括採用時に希望する企業や職種につけなったが、そうした機会を得られたので転職する。
第二は、なんとなく就職したが、その後に希望する企業や職種に気がついて転職する。

私はベンチャーやスタートアップの集まりに参加することが多いので、そうした場には必ず学生やインターンがいる。就活で大変だという話しを聞き、何をしたいのかを訪ねると「何をすればいいのかよくわからなくて困っています」と答える学生は多い。
それが普通だから大丈夫だと、私はいつでも答える。

今の学生は、親や就職課から、二十歳を過ぎて自分が何をしたのかもわからないのかと恫喝されすぎていると思う。
親から恫喝されている学生は、そもそもその親に聞いてみるといいのだ。その学生の親自体が、本人が学校(それも一般大学)を卒業する時、本当にいま働いている会社に行きたかったのかというと、そうではないだろう。とにかく、世間で名のある企業や大手企業へ就職という気持ちだったことだろう。
そうした若い頃の自分のことは忘れ、子どもにそうしたことを強いるのは変だと感じている。

こうした私の考えは、ライフネット生命の出口さんも同じで、たまたま出口さんの話しを聞いてやはり私だけがそう感じているわけでははないのだと確信した。
親や周囲(学生課など)が敷いたレールの上を、なにも考えずに走るているだけだと思う。

第二新卒というのは、全ての人たちがそうでないにしても、社会へ出て働いているうちに、自分がした仕事や職種に気がつき、そこから初めて自分の意志でそれを選択して転職するのだろうと思う。
そこから、はじめて自分でレールを敷くようになるのだ。

ちなみに、私は上記で言うと、第二を経験して彷徨してきた人間だ。だから最初から敷かれているレールの上だけを走らなくても大丈夫だと思っている。

もちろん、人様に薦められるような生き方をしてきたとも思っていないが、少なくとも最初で希望通りでなくとも安心しなさいということにしている。


■プロボノの認知拡大

最近、皆さんもプロボノという言葉を耳にする機会が多いことだろうと思う。プロボノとは、従来のボランティア活動などとは異なる、新しい社会貢献のあり方を指している。
プロボノが、従来のボランティアと異なっているのは、その人が携わっている仕事や業務、日常で使っているビジネススキルを社会貢献活動にも役立ててもらおうという活動だ。語源は、ラテン語の「pro bono publico(公益善のために)」を意味する言葉から来ているとのこと。

従来のボランティアとは違い、すでに自分の持っている技能や知識を使い、様々な社会の課題解決のために役立てることができるので、ここのところ急速に関心が高まっている。すでに、国内のいくつかの企業でもそうした活動を推奨しており、そうしたプロボノをプログラムとして取り入れている企業もある(例:パナソニック)。

そうしたプロボノ活動を通じ、本当に自分に出会ったり、いままで得られなかった何かに気づいたりすることがあるだろう
また、こうした活動はソーシャルメディア上でもシェアされ、さらに賛同や共感を獲得し、そうした中から社会起業家なども生まれることだろう

そうしたプロボノ活動に興味を持ったり参加したいひとたちのために、国内でも、いくつものサービス(プラットフォーム)が存在している。


■MOOC(Massive open online course)の登場

何年も前から、これからはeラーニングの時代ということが言われている。
そうした中で、昨年からMOOC(MOOCs)という言葉メディア上でよく目にするようになった。これは、大規模公開オンライン講座(Massive open online course)のことで、オンライン(Web)で、誰でも無料で受講可能な講座のことである。

主に米国の大学が運営しているケースが多い。先日、国内でもNTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)が日本初のMOOCサイト「gacco(ガッコ)」を開設して話題となっている。

しかし、そのMOOC先進国であるアメリカでも、話題になっているが期待したほどの成果を上げておらず、多くの課題に直面している。
「厳しい試練にさらされる米MOOCs(大規模オンライン大学講座)---今春始まる日本版サービスの参考に」という記事によると、数百万人の登録ユーザーがいるものの、科目を修了する人は全体のたった4パーセントに過ぎない。アメリカの大学は入学するより卒業する方が難しいとは言われているが、それにしても終了(卒業)する人がこの数字というのは極めて低すぎる。

こうした事情には、登録はしたものの受講しない人が多くいるというだけではなく、教える側とのインタラクションある授業を望む場合、受講生同士でコミュニケーションを取りたい場合などは、すべて有料であることが要因としてあげられている。

また、英語の講座で人気のある教授の場合、全世界からの受講者があり、数万ときには数十万という受講生の規模になるという。そうなるとインタラクションやコミュニケーションをこまめにそして円滑に運営することが困難だという壁に突き当たってしまう。

もちろん、こうしたオンラインでの学習や学びの場は、紆余曲折があるのせよ、今後も増え続けるだろうと思う。現時点での課題や問題点を指摘し、その異議や価値を評価するべきではないだろうと思う。

誰かから教えを受ける、学ぶ、習う場は学校だけではない。テクノロジーの進展が、多様な学びの機会、自ら気づきや発見する機会や共有を通じて、つながりと広がりのある社会を形成するということになるだろう。

そうしたことが、これからの社会環境や自分の生き方を考えるうえで、とても重要のような気がしている私である。

(関連リンク)
(1)スキルやノウハウなどをシェアするサービス
▼shAIR
http://www.shair.co.jp/

▼coconala(ココナラ)
http://coconala.com/

▼ストリートアカデミー
http://www.street-academy.com/

▼schoo(スクー)
http://schoo.jp/


(2)プロボノについて
▼企業としてのプロボノ活動--今日のフローレンスを作ったある戦略コンサルの存在とは
http://www.tentosen.org/2013/11/01/pro-bono-bain/

▼視点・論点 「"プロボノ"の広がりと可能性」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/151596.html

▼「プロボノ」活動をしてみたい方はぜひ知っておきたい7つのプラットフォーム
http://www.tentosen.org/2012/05/31/puro-bono-7platforms/

▼『プロボノ―新しい社会貢献新しい働き方』(勁草書房)
http://goo.gl/nlN838


(3)MOOC(Massive open online course)について
▼なぜぼくたちは学び続けるのか。MOOCで学ぶ意義を「インターネットの父」に聞く
http://www.lifehacker.jp/2014/03/140324mooc_murai.html

▼MOOCを通じた学びの機会が、社会に多様性を生む:JMOOC福原氏インタビュー〜ヨーロッパでは本格的な普及期へ〜
http://www.lifehacker.jp/2014/03/140306jmooc.html

▼ITの力で"理想"の教育が生まれる?――「MOOC×反転学習」が実現する新しい学びのカタチ
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1403/24/news002.html

▼厳しい試練にさらされる米MOOCs(大規模オンライン大学講座)---今春始まる日本版サービスの参考に
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38724

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プロフィール

梅下武彦

梅下武彦

コミュニケーションアーキテクト兼ブロガー。20世紀は広告代理店の傭兵マーケッター、21世紀はベンチャー企業のマーケティング責任者を数社で歴任。現在、マーケティングコミュニケーション領域の戦略立案や設計(最適化)、アドバイザーとして活動をする一方、主にスタートアップ支援を行いつつSocialmediactivisとして活動中。Digital Ambient Society、Communication Metamorphosesが進行しつつある今日、そうした多様な社会現象・事象、時代情況を独自のマーケティング視点で語るコラムとしたい。

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