ニュース
» 2012年12月20日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター 顧客の「変化」がアタック・チャーンス!

皆さん、年末恒例の年末ジャンボ宝くじ、購入されましたか?
以前、セクスィー・データサイエンティストな同僚から宝くじの当選確率を聞かされて
めまい(と軽い怒り)を覚えましたが、それでもやっぱり6億円って響き、魅力的ですよね。

ちなみに1,000万円以上の高額当選者 限定で配布されている小冊子があるのをご存知
でしょうか?その名も、「【その日】から読む本 突然の幸福に戸惑わないために」。
その中には次のような記載があるそうです。

 当せん金の使い道について、ローンや借金の返済を優先すること、
 当せんについて知らせる人をリストアップすること、
 仕事は辞めないようにすること、冷静になって落ち着くこと
 などの基本的なことから、
 当せん金の分与にかかる贈与税などの税金問題や資産運用
 遺言書の作成についてなど、応用的な内容も説明されている。
                         -Wikipedia より

 mini_oshima.gif うーん。この小冊子を貰える方はラッキーですね。ウラヤマシイ!!!
   もし私に6億円当たったら、
まず手堅く1億円は銀行に預けて運用して、
   えーと、それから、それから
・・・・・(以下、妄想が続くため削除します)。 

       20121220_1-2.jpg   

高額宝くじは残念ながらとてもレアケースですが、定期預金の満期や退職金、遺産相続など、
預金者の口座に高額な入金があったタイミングは、資金運用などのニーズがあることが多く
銀行にとっても提案の大きなチャンスと言えます。
逆にいうと、ニーズがない限り金融商品を検討するタイミングはあまりありません。
忘年会続きで今月ピンチッ!と焦っている今月の私に、いくらお得な年金保険の
ダイレクトメールを送っても全く反応は期待できないでしょう。
「迷惑なダイレクトメールを送ってくる銀行だなぁ。」と捨てられちゃうのが関の山です。

顧客を理解し、顧客のニーズ発生のタイミングを捉え、最適な商品を提案する。
今回は、こうした課題に真摯に取り組み、大きな成果を上げている国内の銀行をご紹介します。


顧客の変化をチャンスに変える!


かつてデキる銀行マンは、お得意様の顧客の口座の動向を観察し、お得意様のお話を聞きながら金融ニーズを類推して提案に活かしていました。深い顧客理解に基づいて、タイミングを逃さずベストな提案ができていたのです。
しかしATMやネットバンキングなどで効率化が図れた結果、顧客が窓口を訪れる機会が減り、顧客のニーズや嗜好を知ることが困難になるといったマイナス面も出て来ました。

また規制緩和や顧客ニーズの多様化などにより投資信託や外貨預金、保険など取扱い商品の多様化が進む中、経験の浅い新人営業が提案する商品選別に苦労する事も起こり始めました。

20121220_3.jpg

 mini_oshima.gif うぅ。
  
良かれと思った効率化も、一面ではお客様の顔を見えにくくしてしまったんですね。
  そこに色んな種類の商品が出て来たら、どの客様にどの商品を勧めれば良いか、
  新人営業さんは困っちゃいますよね。

  皆様、お待たせしました!セクスィー・データサイエンス・マーケターの登場です!


銀行の大きな特徴として、口座開設時に必要となる顧客の詳細な属性情報に加え、
給与などの定期的な入金や公共料金・カード料金の引き落とし、ATMでの出金など、
顧客の日々の取引データを全て蓄積できているという点が挙げられます。
顧客単位で取引データを集約すれば、あっという間に顧客行動を一目で把握できる
良質なマーケティング用DBができちゃうわけです。
これはマーケティングにアナリティクスを活用する上で大きなメリットです。

ただし全顧客の取引データは膨大な量です。とても人の目で一件一件見てはいられません。
そこで、金融商品のニーズが発生している顧客だけをシステムで自動的に見つけ出し、
さらに何を提案すれば良いかを教えてくれる仕組みが必要になるのです。

 mini_oshima.gif そんな夢みたいな仕組み、あるわけ無いじゃ・・・・・。
  あ!ありました。
  日本の先進的なセクスィーな銀行は、既に分析に基づいたセクスィー・マーケティングを
  実現していたんです!例えば、こんなケースを想像してみてください。



砂州 太郎さん (仮名)
SAS商事にお勤めの砂州 太郎さん。今年で59歳です。
砂州さんの年齢や職業から、定年間近である可能性が予測されます。

定年時に退職金を受領する場合は事前に使い方を考えているケースも多いため、
退職金が入金されてからいかに早く、砂州さんのニーズや好みにあったグッとくる
運用商品を提案できるかが重要になってきます。
かといって、やたらめったら資産運用関連の資料を送っていては迷惑がられてしまいます。
しかも顧客数は膨大です。システムによる自動化は欠かせません。

まずはシステムが年齢などの顧客属性データから退職金の入金タイミングを予測し、
予測月3か月前の顧客を自動的に毎月リストアップし、リストをコールセンターに送ります。
リストを受け取ったコールセンターは対象の顧客に電話をしていき、顧客ごとの運用ニーズ
や投資リスクについての考えを把握します。
砂州さんの場合、この時点でまだ明確な運用計画を立ておらず詳細は不明でしたが、
低リスク商品での堅実な運用を考えていることは把握することができました。

次に過去の顧客購買履歴データから、同様の顧客属性や退職金運用ニーズ、嗜好を
持つ顧客グループがどのような商品を購入しているかを分析し、グループの特性ごとに
最適な商品リストの組み合わせを作成しておきます。
慎重派で砂州さんと同様の運用資産を持つグループがどのような商品を購入しているかを
知ることで、砂州さんに興味を持ってもらえる可能性が高い商品を知ることができました。

続いて退職金の入金タイミングを早期に検知する仕組みを作ります。
顧客の口座の動きを分析し「通常の取引パターン」を作成し、統計的手法を使って算出した
金額を超える大口入金があった場合、つまり 「顧客の変化」をシステムが自動的に
検知してアラートを上げる
のです。
20121220_4.jpg
砂州さんの場合、月によって多少の増減はありますが、毎月20日に会社から給与として
入金されるというのが「通常の取引パターン」でしたが、ある時、通常とは異なる大口の
入金があったことがシステムによって検知されました。
年齢や職種などの条件から退職金である可能性が高いと判定されたのです。

顧客行動の変化、つまり何らかの顧客ニーズが発生した可能性は事前に設定された
シナリオに沿って、営業店やEmail/DM、コールセンターなど、様々な営業チャネルへと
伝えられます。
退職金と思われる大口入金があった砂州さんの場合、資産運用ニーズ発生の可能性が、
翌日には口座がある支店の担当営業に、提案すべき商品リストと一緒に配信されました。
担当営業は画面に表示される情報を参考に、最適なタイミングで、最適な商品を提案する
ことができたのです。
 mini_oshima.gif ナルホド!
  大量の取引データを分析して、顧客一人ひとりの「通常の取引パターン」を把握
  しておくことで、「取引状況が変化した時」=「顧客ニーズが発生した可能性アリ」
  のタイミングを逃さずに提案が出来るようになったんですね。
  しかも事前に「退職金が入ったらこの顧客グループの方にはこの商品を提案する」
  というシナリオができていたので、分析結果がタイムリーに提案活動に活かせたんだ!
  これ、タイミング発見から対応まで、全てが自動化できているからこそ可能になんだぁ。


退職金の入金以外にも、給与支払の開始や増加などから就職、昇給などを把握したり、
他行同一名義への高額振り込みから口座離脱の危険性を検知するなど、
顧客の様々な変化を捉え、顧客理解を深めようとする努力が続けられているのです。

ある大手地方銀行ではこの仕組みを活用し営業活動に浸透させることで
成約率が3%から10%に、投資信託と保険商品の月間販売額がなんと3倍(!)
になるなど、大きな成果をあげています。
 mini_oshima.gif うーん。セクスィー!
  顧客のニーズ変化を捉えて最適なタイミングで、最適な商品を提案する。
  アナリティクスと営業担当者のコミュニケーションが融合して初めて効果を生み出す
  これぞ正に業務に根付いた理想的なセクスィー・データサイエンス・マーケティングです。

  こんな 「この銀行、私をちゃんと理解してくれてるな」と思わせてくれる提案だったら、
  安心して資産の事を相談できちゃいますよね。
  顧客理解と業務の自動化が生み出したのは、営業効率化だけでなく
  顧客からの「信頼」だったんですね。

  20121220_5.jpg

  顧客の変化を掴み、提案に活かすための分析力の重要性を理解した私。
  セクスィー・ポイントを 5ポイントと、豚の貯金箱3個をGetしました!

  20121220_6.jpg

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

「マーケター通信」購読一覧