ニュース
» 2013年1月31日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター 闇に巣食う不正を暴く!データ視覚化でヤツらを追詰めろ



セクスィーなデータ・サイエンティストは、企業だけで活躍しているわけではありません。

今日は、分析を武器に不正受給と闘い、数百万ドル、つまり数億円規模でのコスト削減
市民からの信頼回復を実現したある官公庁の取り組みをご紹介します。

舞台は米国カルフォルニア州ロサンゼルス郡の社会福祉課
Department of Public Social Services、通称 「DPSS」です。
20130131_1.jpg

DPSS は貧困層の市民を支援し、健康の増進や個人の自立、経済的自立を促すために、
一時的な貸付や、就労支援、無償/低負担の医療保険、食料品の購入補助、高齢者や
障害者向けの在宅サービスなど幅広い施策を実施しています。

彼らはまず、保育所や育児サービスを必要としている低所得者向けの育児支援プログラム
での不正行為を特定し、不適切な支払を防止するために分析に取り組み始めました。
 mini_oshima.gif不正と闘うのに分析を武器にする。カッコイイじゃないですか!


データを分析して不正行為のパターンを発見


この育児支援プログラムでは給付金支給の条件として就労活動が前提となっています。
つまり働くお父さん、お母さん達のための子育て支援なのです。
ところが勤務時間を実際よりも少なく申告して補助金を多く申請したり、不正な雇用証明
を作成し虚偽申請を行うなんてことが起こっていました。
20130131_2.jpg
 mini_oshima.gifうぅ。
  これじゃ、今は弱い立場でも頑張って働きながら子育てしている人を支えるための
  税金がみすみす悪いヤツらに取られちゃう!



不正と闘うためにDPSSがまず必要としたのは郡当局内外の膨大なデータソースをまとめ、
分析を行うための環境づくりでした。
分析を駆使することで、働きながら子供を抱えていたら利用するであろう育児サービスの
組み合わせを明らかにし、それらのサービスが不自然に利用されていないなど不正の
可能性が高いケースを把握できるようになりました。

さらにDPSSは、不正を行う組織的な犯罪者たちの「つながり」に注目しました。


「つながり」で浮き上がる不正受給

DPSS は登録されている電話番号や住所、利用している育児サービス企業名などのデータを
活用し、どの補助金受給者がどの育児サービス提供会社を利用しているのかという、サービス
の提供/利用の「つながり」を分析し視覚化するシステムを構築しました。
つまり補助金受給者と事業者が構成しているネットワークをビジュアルに、即座に把握できる
ようにしたのです。

その結果、クモの巣状の複雑な「つながり」のなかから、不自然に多くの補助金受給者に
サービスを提供している保育園経営者の存在が明らかになりました。
調査を進めていくと、この保育園経営者は偽装の育児サービス提供会社を設立し、共謀者達に
実在しない保育所に子供を通わせているかのような虚偽の申告を行わせ給付金をだまし取る
といった、組織だった不正を行っていたことが分かったのです。
20130131_3.jpg

一人ひとりの受給者、一社一社の事業者をチェックしている時はとても気付けなかったこと
がクリアに見えてきたのです。

DPSS のある調査担当者はこう語っています。

 新システムで特定できる関係のすべてを従来の方法で明らかにしようと思ったら
 何ヶ月、いえ何年もかかることでしょう。
 私が担当したあるケースでは、マウスを1回クリックしただけで、追加の証拠に
 つながる糸口がすぐに目に飛びこんできました。


別の調査担当者は、10名が関与する一大共謀事犯の調査が大詰めを迎えた段階で、
主犯格の姓名で「つながり」を分析してみたところ、それ以外の方法ではまったく発見
できなかった7名の潜在的な共謀者を新たに特定することができたそうです。
 mini_oshima.gifいやー。なんだか推理小説か刑事ドラマみたい!
   つながりを視覚化することで、全体像をすぐに掴めるだけでなく、
   関係性や傾向を理解することができ、悪いヤツらを追い詰め、
   一網打尽にすることができたんですね。


「つながり」の分析と高度なアナリティクスを組み合わせて活用することで、不正行為を犯して
巨額の資金損失を招く可能性が高い受給者や育児サービス事業者のタイプを予測すること
が可能となったのです。

DPSS 不正防止・調査チームは、運用開始後の10ヶ月間で、育児サービス詐欺調査に
関して197件の要照会事案をあぶり出すことに成功し、85パーセントの精度を達成しました。
これをもとに本格導入で節減できるコストを推定すると、不正行為照会費用で約220万ドル、
詐欺の早期検出で160万ドル、その他の効率向上で約300万ドルに相当するといいます。
しめて680万ドル、6億円以上の経費節減です。
20130131_4.jpg
 mini_oshima.gifすごい!
  闇に巣食う不正を暴き、数億円規模で不要な支出を削減できたってことですよね。
  これで、本当に支援を必要としている人に、ちゃんと公的支援が届きますね。

  


マーケティングにおける「つながり」の分析


こうした「つながり」を分析し視覚化を行うことが有効なのは、不正検知だけに止まり
ません。実はこの分析、マーケティング業務でも注目されています。

例えばソーシャル・メディア上での顧客間のつながりを視覚化し分析することで、
仲間のコミュニティを構成しているメンバーを特定できるだけでなく、コミュニティ内で
影響力を持つ顧客はだれなのかを特定することが可能になります。
これにより影響力を持つインフルエンサーに集中的なプロモーションを実施することで
口コミによるバイラル・マーケティングを実現するなど、マーケティング・プロモーションの
波及効果の最大化に活用することができます。
 20121122_4.jpg
 mini_oshima.gif 単なる文字や数値データの羅列では見えてこなかった顧客間の関係性が
  視覚化の技法を使うことによって一目で分かりやすくなるなんて、セクスィー!

  人間関係と顧客相互の影響力について理解することは、不正を検知する上でも、
  そしてマーケティングキャンペーンを設計する上でも、すごく大切なんですね。
  
  それにしてもデータサイエンスのヒントって、業種・業務にかかわらず、
  いろんなところに潜んでいるんですね。

  20130131_5.jpg
  
 mini_oshima.gif「つながり」の分析と視覚化の重要性に気付いた私。
   セクスィー・ポイントを 5ポイントと、刑事のトレンチコートをGet しました★
 
20130131_6.jpg
 
 

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

「マーケター通信」購読一覧