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» 2013年3月14日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター ノン・ストップ! セクスィーATMは止まらない

年度末や新学期を前に、何かと物入りのこの季節。
慌ててATMに走って現金を下ろす、なーんてことも多いかと思いますが、最近、
銀行や郵便局のATMは台数もサービス時間もぐーんと増え、便利になりましたよね。

・・・・・って、ちょっと待ってください。
銀行のATMやコンビニATMに、いつも充分なお金が用意されているっていう状況、
改めて考えてみるとスゴイことですよね。
いろんな人がそれぞれ必要な金額を必要なタイミングで引き出しても、ATM機のあの
限られたスペースに、現金が常に準備されているってことですものね。
 mini_oshima.gif た、確かに!
  自動販売機で「売切」って表示はたまに見かけますが、
  紙幣が足りなくなったり溢れちゃったりしているATMってあまり見かけませんね。
  うーん。なんだか急にATMが輝いて見えてきましたよ。
  セクスィーかつデータサイエンスな匂いがプンプンします。

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そう。ATMの紙幣補充にも、アナリティクスが活躍しているのです。
今日は、ATMに必要な紙幣数の予測にアナリティクスを活用し、年間35万人に影響
を与えていた紙幣切れを防ぎつつ、ATMに補充する紙幣量の20%カットを実現した、
シンガポール大手銀行 DBS銀行での取り組みをご紹介します。


DBS銀行は、100以上の島々に点在している680カ所 1,350台のATMで月2,500万件
の処理を行うシンガポール最大級の銀行です。
顧客ニーズにこたえるためATM設置数を増やした一方で、ピークの時間帯にはATMの
紙幣切れが度々起こり、補充作業の20分間はATM前に大行列!なんてこともありました。
このままでは顧客満足度も下がり、顧客からの信頼を失いかねない大問題です。
とはいえ厳しいビジネス環境が続き効率的な資金運用が重要視されているなか、余分な
現金を無駄にATM内に眠らせておくわけにはいきません。その分の現金を運用に回せば、
さらなる利益を生み出す可能性があるからです。
彼らは、「紙幣切れを防ぎつつ、必要最小限の補充枚数に止める」、という相反する課題を
バランスをとりながら解決することが求められていたのです。
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 mini_oshima.gif なるほど!たっぷりATMに紙幣を入れておけば良いって話じゃないだ!
  たしかにATMに現金を置いておいても利益はちっとも生み出しませんもんね。
  かといって、ギリギリの紙幣だと、たまたま多めに引き落としをした人がいた場合、
  あっという間に足りなくなっちゃいますよね。
  むむ。これは難しい問題ですよー!



さらに、紙幣補充のための各ATMの巡回作業も、ルートやスケジュールなど、効率化を進
める余地がありました。大金を輸送するとなると、補充・回収作業を行う担当者の他にも、
ガードマンを配置したりとコストがかかります。しかも顧客の使用頻度が低い時間帯を狙う
となると、作業ができる時間は限られてきます。
「補充に行ったらまだまだ紙幣がたっぷりありました」「千円札だけが足りなくなりました」
なんてことが無いように、最適な補充サイクルと紙幣別の必要補充枚数を予測し、巡回コ
ストを最小限におさえられる計画に落とし込む必要があったのです。
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 mini_oshima.gif あちこちにあるATMと銀行の現金センターを効率よく巡回できるルートや
  スケジュール計画を立てるだなんて、煩雑で手間のかかる作業です。
  うぅ。なんだか、考えるだけでクラクラしてきましたよ。



DBS銀行上級副社長のNimish Panchmatia 氏はこうした二つの難問を解決するために、
まずは、ATM一台一台の過去の取引履歴データを分析し、現金の引出し、預入のパターン
を明らかにすることで、一台ごとの「癖」を把握することからスタートすることにしたのです。

取引履歴データの分析の結果、ATMが設置されている場所や客層などによって、引出し
が多いATMと預入が多いATM、高額紙幣の引出しが多いATMと少額紙幣の引出しが
多いATMなど、いくつかのパターンを発見しました。さらに、給料日や支払日など時系列
での変動パターンも見つけることができました。
例えば、住宅街の駅前にあるATMでは給料日後に引き落としが増えたり、オフィス街に
設置されたATMでは支払日前に振込処理が増える、なんてパターンが想像できますよね。
一台一台のパターンを把握することで、一台ごとの必要金額を紙幣種別ごとに正確に予測
できるようになったのです。
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 mini_oshima.gif なるほど!
  一台ごとの預入と引出しのパターンを把握できれば、
  ATM内に補充しておくべき紙幣数は正確に予測できます。
  ATMごとのパターンを把握したことで高精度な紙幣の需要予測が実現したんですね。
  う~ん。セクスィー!



さらに、このATMごとの予測値をもとに、補充巡回のスケジュールや金額、ルートの最適化
計算も行われました。
以前は全てのATMを網羅的に巡回していたため、実際に回っても補充の必要がないATMが
いくつかあり、補充用の紙幣をそのまま銀行に持ち帰るといった無駄な作業が行われていま
した。しかし分析を実施してからは、本当に補充が必要なATMと補充が必要な紙幣数をきち
んと予測することが可能になったため、最低限の巡回数とルートで作業を終えることができる
ようになり、巡回時の補充用紙幣を33%も削減することができました。

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DBS銀行はこうした革新的な分析を、製造業で欠品を防ぐために需要を高精度で予測する
ために高度化された予測手法や、オペレーションズ・リサーチ(Operations research)と呼ば
れる計画を最適化する手法を積極的に取り入れることで実現しました。
ATM内の紙幣を「製品」と考え、欠品を起こさないように需要を正しく予測し、各拠点に効率
よく配送するためにアナリティクスを駆使し、補充計画に落とし込んだのです。

 mini_oshima.gif アナリティクスのヒントは、全く違う分野や業種にも転がっているんですね。
  ATMの紙幣を「製品」と考え、需要を予測し最適な配送計画に反映する考え方。
  金融という枠にとらわれない発想が大きな革新を生んだんですね。
  うーん。セクスィー!  
  
  そういえば将来予測と最適化って、前回ご紹介したパイロットの人員配置計画でも
  活用されていました。ビジネスに活かすためには、過去や現在の情報を分析する
  だけでは不十分で、将来を予測するってことがキモなんですね。

  ATMの紙幣の需要予測から必要なスタンバイ・パイロット数の予測まで、
  データから将来の変化を予測する「予測分析」は、セクスィーの宝石箱やぁ。


DBS銀行のアナリティクスの進化は止まるところを知りません。
今やDBS銀行はATMの履歴データや顧客行動データを活用し、月次・週次・日次の
現金補充計画に素早く反映させる仕組みを作り上げているのです。
 
   業種を超えた眼からウロコのアナリティクスの活用に感動した私。
   セクスィー・ポイントを 5ポイントと、My ATMを3台Get しました★

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プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

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