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» 2013年7月25日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター 政府機関版「CRM」で見えてきた国民のニーズ

先週末は参議院選挙の投票日でしたね。
「与党圧勝」「ねじれ解消」で終わった選挙でしたが、今回からインターネットを活用した選挙運動が解禁となった事も大きな変化でした。共同通信社が実施した出口調査ではインターネット上の情報を参考にして投票先を決めた人は1割にとどまったとのことでしたが、マクロミルの調査では20代の半数が参考にしたと回答しているなど年代によっては一定の成果も見えてきました。また今回の選挙でのネット活用は候補者や政党からの情報発信がほとんどでしたが、国民が何を求めているのかを議論する「場」としても活用されるようになれば、今後の選挙におけるネット戦略はさらに重要性を増し、ビッグデータ分析で国民の声を知り選挙活動やその後の政策に活かすなーんて事も普通になってくるかもしれません。

ということで今回は、既にアナリティクスを活用して国民のニーズを知り、政府機関版の CRM とも言うべき「Citizen Relationship Management」 を実現しているオーストラリアの官公庁の取り組みをご紹介したいと思います。

ご紹介するのは、Australian Taxation Office(オーストラリア税務局)。彼らは複雑な税制をより親しみやすいものにし、納税者のニーズを理解してその期待に応えつつ税収を確保するために、アナリティクスの活用に踏み切ったのです。

mini_oshima.gif 税務署と聞くと、ワタクシ、

 確定申告の書類の面倒臭さばかりが
 思い出されちゃうんですが。。。
 税の控除も、申請待ち時間が長くてなんだか難しいイメージ。
   かと言って、何から聞けば良いのやらって感じだし。
 一体、何にアナリティクスを活用したんだろう?

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この「何から聞けば良いのやら」という私の悩み。これこそが、オーストラリア税務局の課題であり、チャレンジだったのです。
 
彼らは、納税者一人ひとりの権利や受給資格、さらには納税方法の理解を助けるようなより親しみやすい組織になるために、あらゆる人や組織に対しても助言できるコールセンターを設立していました。しかしオーストラリアの税制も日本の税制同様に非常に複雑なため、納税者からは納税義務や控除について様々な疑問が寄せられ、オペレータによる適切な対応が難しい状態でした。
 
そこでオーストラリア税務局は納税履歴などの納税情報や各種控除の申請履歴、その他のソースから収集された納税者の様々なデータを分析し、彼らにとっての「顧客」である納税者のニーズや行動を理解できる仕組み作りに着手し始めました。これによりコールセンターのオペレータは納税者の特性や状況を理解した上で個々の事情に適応した税制を説明できるようになったのです。
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mini_oshima.gif すごい!役所に電話をして、
 「あ!私のこと、分かってくれているなぁ」とか
 「連携が取れた対応をしてくれているなぁ」なんて
  感想を持ったことって、正直無いものなぁ。
  こんな対応をしてくれたら、気軽に相談できそう!


さらにテキストマイニングの技術を活用することで、膨大な問合せ内容を税法規の要項ごとに自動分類することが可能になりました。これにより、今まで時間と手間がかかっていた判例の有無の調査や特殊な要求への回答にも迅速に対応することができ、同時に、納税者が何を求めているのかをより深く理解できるようになったのです。
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mini_oshima.gif 納税者のニーズを理解できるようになっただけでなく、

 劇的な処理の効率化も実現したんだ。
 うーん。これは助かります。


オーストラリア税務局の分析部門責任者 Warwick Graco 氏は、官公庁におけるデータ分析業務の要件として次の2点をあげています。
 1・スケーラビリティ
  分析対象データは全人口データを扱うため大規模データを処理できる性能が不可欠でした。


 2.幅広い分析機能
  分析を進めていくと新たな分析ニーズが発生していきます。
  さまざまな業務に対して最適なツールを選んで実行できる豊富な分析機能が必要でした。
 
納税者を「顧客」と捉え、顧客満足度をあげるためのよりパーソナライズされた迅速な対応を実現したのです。
官公庁や政府系組織といえば、どうしても「ワンサイズで大多数にフィットする」対応を行うと思われがちですが、彼らはアナリティクスを最大活用することでテーラーメイドでの対応を可能にし、「納税者のニーズを理解してその期待に応えつつ税収を確保する」というかれらのミッションを見事達成したのです。
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mini_oshima.gif うわー。納税者を「顧客」と捉え、
  その利便性の追求にアナリティクスを活用するなんて、
  とーってもセクスィーじゃないですかっ!
 
官公庁や行政には多種多様なデータが大量に存在してますよね。個人情報保護の問題など解決する課題はもちろんありますが、アナリティクスを駆使してもっと国民の声やニーズが理解され施策などに反映されていったら素敵です! 
 
mini_oshima.gif 政府機関などでのアナリティクス活用に未来を感じた私。
 
セクスィー・ポイントを 5ポイントと、確定申告書3枚をGetしました。

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プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

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