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» 2013年9月12日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター フラッシュ・マーケティングを加速するアナリティクス


まだまだ残暑が厳しい毎日ですが、洋服を買いに行けばお店は既に秋冬物で一色!
ついつい目移りしちゃいますが、今回はオンライン上でのデザイナーブランドの「フラッシュ・マーケティング」で、メディアの関心を集め、ロイヤルティの高いファンを獲得しているGilt Groupeにおけるデータ分析の取り組みをご紹介します。

フラッシュセールとはDeal of the dayとも呼ばれるe-コマースビジネスの一種で、期間限定で、割引価格などの特典がついた商品を提供する販売方式のこと。Grouponなどクーポンを販売する共同購入サービスのみを指すことも多いですが、米国では2008年頃からアパレルや家具どに特化したサイトが続々と増えており、SNSの普及とともにますます注目されています。
mini_oshima.gif うわぁ。オンライン版の期間限定アウトレットみたいな感じ!
 瞬時に情報を共有・拡散できるSNSの利点を活かせば、
 お得な情報をあっという間に広げられますものね。

今回ご紹介するGilt Groupeも2007年の設立以来、人気高級ブランドに特化し、デザイナーブランドの"見本販売"という手法をもたらしたことで「招待制ファミリーセールサイト」として人気を確立しました。
彼らは世界の人気デザイナーによる女性向けのファッション、アクセサリー、男性向けのアパレルおよびライフスタイル、ホーム用品、子供用品、旅行用品など、選りすぐりの商品を、ごく短期間(通常は36時間)のフラッシュ・セールとして販売しています。
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セールに参加できるのはWebサイトの登録会員のみに限定しており、さらにショッピング系サーチエンジンには一切ひっかからないという安心感もあり、多くの人気デザイナーたちがGilt Groupeで自分の商品をプロモーションしたり、在庫処分を委託するようになっていきました。人気デザイナー達から直接仕入れ、在庫を一手に処分することで大幅な値引きセールが可能になり、ハイセンスな商品をお得な価格で手に入れることができると多くの顧客を集めることに成功したのです。
mini_oshima.gif なるほど!
 ブランドイメージを傷つけることなく、
 在庫を処理できるのは魅力的ですよね。
 会員顧客にとってもアウトレット価格で人気商品が
 ゲットできちゃうんだから、大満足!

その一方で、ごく短期間でのクローズドなサイトで販売されるイチオシ商品は検索エンジンでは検索できないため、新規顧客の発掘や顧客維持という面では大きな障害となりました。
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Gilt にとって
品揃えの充実を図る一方で、既存顧客がどういう人物で何を望んでいるかを把握することが成功のカギだったのです。
顧客一人ひとりを知り、マーケティングの対象をより効果的に絞り込み、顧客ごとに最も買ってくれそうな内容のセールを案内できるようにするためには、より高度な方法で顧客データの収集や分析、レポーティングを行う必要があることを彼らは認識していたのです。        

それまでのGiltでは5つのデータベースに様々なデータが散在しており、SQLクエリに頼っていました。しかしこれにはマーケティング・アナリストたちの膨大な手作業が必要で、データの集計だけでも大仕事だったのです。レポート作成にはさらに長い時間を要するため、顧客のセグメンテーションすらできない状況だったのです。


Gilt Groupeのバイスプレジデントとして顧客マーケティングとCRMを担当するデイビッド・ズッカー(David Zucker)氏は、「知りたいことがたくさんある場合、通常は、それぞれの疑問について個別にクエリを作成しなければなりませんでした。」と語っています。
mini_oshima.gif あらら。マーケティングの高度化が成長の鍵なのに
 顧客セグメンテーションすらできないとなると、
 顧客全員に画一的なオファーしかできません・・・。
  

そこでズッカー氏は5つのデータベースと連携し自由にデータの取り込みや分析が行える環境整備を行いました。これにより、Giltの生命線である、
ターゲット・マーケティングのための顧客セグメンテーションや迅速なレポート作成が可能になったのです。

効果はすぐに現れました。

顧客一人ひとりの嗜好や購入パターン、併売パターンを詳細に分析し、反応する確率が高いセールの案内のみを送るセグメンテーション・マーケティングを徹底することにより、まだ買い物をしたことのない商品カテゴリーのセールページを閲覧する顧客数が10~20% もアップしました。
さらに新会員になった後、実際に商品を購入した顧客数をあらわす新会員のコンバージョン率も20%と大幅に向上したのです。20130912_3.gif          
mini_oshima.gif すごいっ!
 会員制であるGiltにとって、新会員のコンバージョン率や
 既存顧客へのクロスセルは非常に重要ですよね。
 データ分析に基づいて顧客一人ひとりを理解した提案を
 行うことで、確かな効果が出て来たんですね。
 う~ん、セクスィーです。

 
さらにマーケティング部門や経営陣にタイムリーな情報を提供することも可能になりました。
以前は30種類ほどの指標を数週間後に確認できるだけでしたが、6
0もの指標が自動的に毎週更新され、最新の予測値に基づき細かく計画の見直しができるようになりました。また使い慣れているExcelからサーバ上のデータにアクセスし、最新のレポートに更新できる手軽さも社内での活用を広げるうえで重要な役割を果たしました。
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これにより、マーケティングキャンペーンの効果検証を短期間で実施できるようになっただけでなく、効果が出ていないキャンペーンのいち早い改善などタイムリーな対応を行うことが可能となったのです。
情報のレベルの高さは、経営陣の予想をはるかに超えており、ズッカー氏は、「それはもう驚きの一語に尽きました。間違いなく、我が社のマーケティング・プロセスに好影響をもたらしています」と述べています。
mini_oshima.gif なるほど!
 レポーティングの早さと使いやすさは、そのまま、
 効果検証と改善のための次の一手までの時間短縮に
 つながっていたんですね!
 数週間後にキャンペーンの結果が分かっても、
 改善する前に終わってしまっているかもしれませんもの!

ズッカー氏はこれまでの成果に満足している一方で、さらに大きな計画を抱いています。
ダッシュボードの導入と自動化が軌道に乗ったことを受けて、今度は予測モデリングの構築により多くの時間をかけられるようにしたいと考えているのです。ダッシュボードなどで過去・現在の状況を正しく把握したうえで、データ分析に基づく将来の予測を行うことで、よりプロアクティブな次の一手が可能になるというわけです。

ズッカー氏はこう述べています。

データと分析は、顧客がどんな人間であるかについて、
また、何が機能していて何が機能していないかについて
確かな知見を与えてくれます。
何が上手くいっていないかを理解すればするほど、
上手くいく事が増えていくのです。


フラッシュ・マーケティングを支えていたのは、データに基づく正確でタイムリーな現状把握と顧客理解だったのです。

mini_oshima.gif話題のフラッシュ・マーケティングの影に
 アナリティクス在り!を知った私。
 セクスィー・ポイントを 5ポイントと、秋物の靴3足をGetしました!  

20130912_5.gif 


<参考資料>
 「市場トレンド-拡大する米国のフラッシュセール市場
 (出典: 日本貿易振興機構 ジェトロ)
 
 デザイナーブランド衣料品の戦略的な販売手法
 Gilt Groupeの成長を支えるSAS
 

 

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プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

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