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» 2013年10月10日 更新

目指せ! セクスィー・データサイエンス・マーケター 世界最大のオフィス用品小売企業がパーソナライズしたもの

先日、日本マクドナルドが新しい価格設定モデルを導入したことが報道されました。
マクドナルドでは2007年から道府県別を基本に全国の店舗を6つの地域に分け別の価格帯で販売する「地域別価格制度」を導入していましたが、今回の価格改定では、駅前立地やロードサイド立地、商業施設内立地など商圏ごとに9つに細分化し、立地に応じた価格政策を強化するのがポイントとのこと。この価格戦略の成果がどうなるかも気になるところですが、新価格設定に至るまで、どんな情報分析が行われたかも気になります。
 
ということで今回は、データ分析に基づき、顧客ごとに価格やマーケティング・コストまでを最適化し、収益改善に活かしたオフィス用品会社についてご紹介します。

ご紹介するのは、世界一の規模を誇るオフィス用品の小売業Office Depot
ヨーロッパ市場で圧倒的なシェアを誇っており、年商135億ドル、通販チャネルだけでも250万人以上のアクティブ顧客を保持しています。さらにViking Direct、Guilbert、4Sure.com等の運営ブランドを展開するOffice Depotは、世界的なオンライン小売業でもあるのです。
mini_oshima.gif す、すごい!
 でも、 彼らはどうしてこんなに成功したんでしょう?
 文房具を買えるネット通販サイトって、
 最近ではたくさんありますし・・・。

Office Depot ヨーロッパ地域のメールオーダー担当バイス・プレジデントを務めるSabine Zwinscher氏はこう語ります。
  
   多くの企業がオフィス用品を売るのは簡単だと市場参入してきました。
  参入するのはたやすいことですが、成功するかどうかは別の話です。
  どんな商品を揃えるか、また独自のマーケティング戦略に則って、
  どう顧客にアプローチしていくかが業績を左右するのです。
 
  私達は分析環境を整備することで、複数販売チャネルを通じて
  顧客と一対一でコンタクトできる体制を整えることができたのです。
Office Depot社 バイス・プレジデント Sabine Zwinscher氏

 
実はOffice Depotは10年以上前から顧客データや販売データなどを活用し高度な分析を行ってきました。
最近ではWebベースの分析環境を整えてマーケティングキャンペーンが財務・流通面に与える影響を検証したり、キャンペーン管理の効率化やコスト削減を図るなど、分析力を武器とするために地道な努力を続けてきた企業でもあるのです。
mini_oshima.gif なるほど。分析力は一朝一夕では手に入れらない。
  そして新しい事に取り組むことで新たな強みを手に入れていく・・・。
  う~ん。セクスィー!

  で、彼らの新しい挑戦はなんだったんですか?



Office Depotではこれまでの成長率を維持するため、
顧客毎にカスタマイズした価格や限定プロモーションを、顧客シェアと顧客収益性の両方を最大化させることができる頻度で提案していく」というコンタクト戦略を立て、ヨーロッパ全土で展開することにしました。当然ながら、この戦略実行の要として重要な役割を果たしたのが今まで培ってきたアナリティクスだったのです。
mini_oshima.gif顧客ごとに価格やプロモーションをカスタマイズするって
  どういうことでしょう?
  それってとっても大変そう・・・・・。


Office Depotの主な経費のほとんどは広告費で、特に、費用の50%が郵送費に消えるカタログ関連の費用が大きな割合を占めていました。
ROIを高めるためには、顧客側の潜在的な購入可能性を刺激して適当な頻度で買い物を続けてもらう適切なカタログを作成し、それを適切なタイミングで、収益を生み出す適切な対象に送り届けることが重要な条件となるのです。

 
20131010_1.gif
 
彼らが注目したポイントは2つありました。
第1に、データ分析を行い顧客の全体像を捉え、顧客の購買行動を理解すること。
第2は、顧客理解に基づいて適切なコンテンツとプロモーションを提示することでした。
つまり、適切なコンタクト戦略を適切な頻度で実行し、顧客の反応を得ることを目指したのです。

顧客を理解する上で、「通販」という業態は顧客がどんな商品を購入したか、どんな価格だったかなど、さまざまな情報を知ることができる点で有利です。しかしこれだけでは実際の打ち手は見えてきません。
問題はこうした情報をいかに活用するか、ということだったのです。

彼らは、まず、優先的にアプローチすべき「優良顧客層」を特定してリストを作り、ライフサイクル分析を行うことから始めました。どんな購入習慣があり、どれくらいの頻度でどんな商品を買っている顧客が優良顧客なのかを分析していく中で徐々に顧客ベースの全体像が見えてきたのです。そして本当に収益をもたらしている顧客が誰なのかを知ることが出来たのです。
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顧客特性を理解できたら、次は顧客の将来の購買行動を予測し、その理解に沿って新たな投資や施策を決定するステップです。
彼らは顧客データを分析して、次の6ヵ月間でそれぞれの顧客が何を買おうとするか、注文の頻度、注文額の平均などを予測するための分析モデルを作成しました。
この結果とキャンペーンへの反応確率を突き合わせることで、顧客一人ひとりごとにかける広告費を調整し、特別価格を設定しオファーしていったのです。

こうしてOffice Depotは顧客理解に基づいたコスト削減や個人別に特化したオファーを実践できるようになっていったのです。その施策ではカタログにターゲット別のメッセージを入れることから始まり、その後、カタログの表紙に個々の顧客の好みに合った商品と特別オファーをデジタルプリントするというところまできたのです。
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顧客ごとに利用するブランドや店舗・Web・通販・電話注文など、コミュニケーションの方法や注文の仕方が異なることも重要です。彼らはマルチチャネル、マルチブランドでのプロセス全体を最適化していったのです。
現在は、こうした高度にパーソナライズされたアプローチを電話での販売活動にも応用しています。
顧客ひとりひとりを理解した効果は、個人事業主やSOHOといった特定の顧客層をターゲットとしたアプローチでも見えてきました。効果的かつコスト効率よく実行することで、通販事業に新たな顧客層を取り込むことに成功し、市場拡大の可能性も広がったのです。

Zwinscher氏は次のように振り返ります。
「私たちはすべてのマーケットにおいて急速にビジネスモデルの建て直しと強化を
 図ってきましたが、この過程はまさに顧客と向き合う、ということに終始しました。

 顧客をよく知り、一対一のマーケティング活動ができるようになってくると、
 顧客との関係もよい方向に向かいました。毎年1人のお客様を維持することは、
 何人もの新規顧客を得ることよりも格段に価値の高いことなのです」
20131010_5.gif 
mini_oshima.gif顧客維持の重要性と、そのための顧客理解の重要性を認識した私。
 セクスィー・ポイントを 5ポイントと、
 最新文具のカタログ3冊をGetしました
   20131010_6.gif


■ 参考記事
  
 
 顧客セグメントの理解に基づいた「離反・休眠防止」に注目し、顧客価値の把握に基づいた
 守るべき顧客の見極めや、離反・休眠化リスクの予測、さらに分析結果を原因把握や具体的な
 対応策検討に活用するアプローチについて、事例を交えながら解説します。
 後半では実施イメージを掴んで頂くためのデモンストレーションをご覧いただきます。

 日時 2013年10月31日(木) 13:30~15:45 (受付開始 13:00~)
 会場 SAS Institute Japan株式会社 本社(港区六本木)
 内容 1. 顧客セグメントの理解に基づいた「離反・休眠防止」
      ・SASを活用した実践的なCRMとは?
      ・顧客価値の把握と優良顧客の見極め
      ・離反/解約リスクの予測
      ・離反/解約の原因分析と施策の検討
      ・事例紹介
     2. 離反・休眠防止分析 デモンストレーション
 詳細 >こちら

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プロフィール

大島 玲子

大島 玲子

SAS Institute Japan株式会社 でBtoBマーケティングのキャンペーン企画/管理を担当。愛犬と一緒に、サッカー観戦をするのがお気に入りの時間。

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