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» 2013年3月18日 更新

マーケティングコンサルタント青葉哲郎の「成功のカギはマーケティング・イノベーションにあり。」 米国アカデミー賞授賞式のコマーシャル枠は30秒で1億7000万円。
アップル、サムスン、J.C.ペニー、チョバーニ、シャネル・・・話題のTVCMが勢ぞろい。

去る2月24日、米国のハリウッドで第85回アカデミー賞の授賞式が行われ、今年も華やかなドレスに身を包んだセレブたちが大集合した。今年は話題作に恵まれたこともあり、授賞式中継の視聴者数は約4,030万人を記録し、前年比19%増(100万人増)となった。18~49歳の年齢層では、視聴率が13%(前年比11%増)、若年層に限った18~34歳では前年比で20%も上昇したそうだ(以上、ニールセンの調査による)。ちなみに、授賞式中に放映されるテレビコマーシャルの30秒枠の広告費は165万ドル(約1億6000万円/1ドル96円計算)~180万ドル(約1億7000万円)と、過去5年で最も高額だったという。

この高額な広告枠を買ったブランドの中には、ご存知のアップルや、米国で超人気のギリシャヨーグルトメーカー・チョバーニのように、この日に新コマーシャルをリリースしたブランドがある一方、経営難に苦しむ老舗デパートのJ.C.ペニーやサムスンのように複数の広告枠を買い、大きな賭けに出た企業もある。

昨年は久しぶりの高視聴率を記録したため、今年も視聴率を取れると見込んで広告枠の値段を上げたABC Network。その思惑通り、アメフトの大イベント・スーパーボウルほどではないものの、高額な広告枠が続々と売れた。その中で、今年一番話題になった作品とは何だろうか。

■グレイプーポンマスタード「The Lost Footage」

1777年にフランスで初めて作られたという正真正銘の老舗「グレイプーポン」マスタード。80年代に一斉を風靡したという、2台のロールス・ロイスが登場する懐かしいCMをリメイクした。ロールス・ロイスに乗った紳士Aが、もう1人の紳士Bにグレイプーポンマスタードを貸すのだが、紳士Bがマスタードを返し忘れたため、後を追いかけるという内容。米国では多くのメディアがこのコマーシャルを取り上げ、「アカデミー賞授賞式よりおもしろかった」という記事まで出ているそう。

80年代のオリジナル版と比べてみたいという方はこちらをどうぞ。

■J.C.ペニー「Yours Truly」

こちらも100年以上の歴史がある老舗デパートだが、冒頭に書いたとおり、今年は6つもの広告枠を購入して大きな賭けに出た。このコマーシャルは好評で、早い時点から今年の勝者と言われているそうだ。J.C.ペニーからカスタマーへ送られた様々なメッセージは、シンプルながら共感を呼ぶ内容に仕上がっている。

■サムスン「Meeting with Tim Burton」

「シザーハンズ」や「チャーリーとチョコレート工場」を手掛けた著名な映画監督のティム・バートンを起用した、サムスン「GALAXY Note」のコマーシャル。ユニコーンのゾンビが主役の映画についてアイデアを出し合っているが、どんどん奇妙な内容になっていく。「奇妙」で有名なティム・バートンに「もう奇妙すぎて僕にはついていけない」と言わせてしまうという内容だ。

■チョバーニ「Real is Original」

設立からたったの4年でダノンを抜いて、米国で空前のギリシャヨーグルトブームを起こした火付け役のチョバーニ。ヨーグルト企業のコマーシャルらしく、爽やかな作品だ。

■アップル「Hollywood」

「Hollywood」と題されたiPadの新コマーシャル。アカデミー賞授賞式の中継中に、世界で初めて放映された。

■シャネル「There you are」

かつてマリリン・モンローが「何を着て寝ているのですか。」と記者に質問され、「シャネルの5番よ。」と答えたのはあまりにも有名な話。女性にとっては永遠の憧れであるシャネルの香水、No.5。・・・それにしても、50歳目前でこの人気(780万回ビュー)のブラッド・ピットもすごくカッコイイ。

■まとめ

2月初旬に行われたスーパーボウルに続き、またしても高額なTVCM枠だったアカデミー賞授賞式。企業はこぞって広告枠を購入しソールドアウト、放送権を持っていたABC Networkに巨額の利益をもたらした。今年は昨年以上に視聴率が上がったため、更に来年は高額になることが予想される。

それにしても、最近、日本のテレビは元気がないように思う。影響力を持つメディアには、こうしたビッグイベントを自ら作り出し、視聴者と広告主をリードし続けてほしいものだ。

ITmediaオルタナティブブログ「青葉哲郎のスマイル航海日誌」

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プロフィール

マーケティングコンサルティング会社 サイコス 青葉哲郎

マーケティングコンサルティング会社 サイコス 青葉哲郎

1971年生まれ。イオン、マイクロソフト、インテリジェンス、リクルートエージェント、リクルートを経て、2009年11月マーケティングコンサルティングのサイコス株式会社を設立。マーケティングに関する総合コンサルティングを提供し、広告販売などは行わず、マーケティング部門や経営効率化支援に特化して広告主側に立った助言を行っている。

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