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» 2014年1月10日 更新

WebアナリストのUX戦略思考 ウェブ解析による顧客志向の実践:コンバージョン率最適化(CRO)を組織に定着させるための7つの要素と成長モデル

この記事は、顧客行動を理解するための様々な情報提供を行なっているOnline Behavior に協力して、「Conversion Rate Optimization Maturity Model」の内容を翻訳したものです。きっかけとしては、ウェブアナリストの小川卓氏によるブログ記事があり、日本でも多くの人たちに知ってもらいたいという思いで取り組みました。

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私は長年にわたって、テスト(検証)活動から堅調な結果を得て、コンバージョンを改善している企業の良い事例を見てきた。しかし多くの企業が、良好な結果を得るために苦労している姿も見ている。この差は、それら2種類の企業間に生じる違いをもとに、成功要因が何なのかについて考えるきっかけとなった。コンバージョン率最適化(Conversion Rate Optimization:CRO)の成長モデルは、それを成功させる企業の中核資産を明らかにする可能性を持っている

私は、ステファン・ハメルのウェブ解析成長モデルに影響を受けた。彼は企業に役立つように、ビッグデータの実際におけるより良い理解とそれを活用する方法について、複合的なウェブ解析の実践を成長モデルに変換するという素晴らしい仕事をした。企業はそのモデルを使うことによって、どこに立っているのか、どうありたいのか、どうやってそこに行くべきなのかを確認することができる

これと同様の目的によって、CRO成長モデルをまとめることに取り掛かった。私は過去数年で、このモデルの鍵となる7つ要素を特定した。本稿ではそれらについて簡単に紹介し、今後、各要素別に記事を分けて集中的に解説する予定である。

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Conversion Rate Optimization Maturity Model

1. 人

あなたのチームにおいて、質と量を考慮することは重要である。アビナッシュ・コーシックによる90/10ルールは、CRO成長モデルにも適用することができる。ツールに10ドル使われるごとに、あなたはスタッフに90ドルを支払わなければならない。良いチームがなければ、高価で多機能なツールはまったく役に立たない。その範囲は、オンラインマーケティング担当者からアナリスト、テストマネージャー、インタラクション・ビジュアルデザイナー、フロントエンド開発者などを含むコンバージョン最適化チームに及ぶことになる。

2. 知識

知識は人とともにある。事実、それは人々の一部だろう。しかし私は、コンバージョン最適化が企業、チームで成長するための知識を具体的に記述したかった。それは、オンラインマーケティングの基礎から始まり、eコマースが何であるか、集客施策をどうするのか、ウェブ解析が何であるか、レポート分析と改善アクションの方法についての概要を含む。そしてあなたは、オンラインテスト、ユーザエクスペリエンス原則、ウェブ解析、そしてコピーライティングの知識を加えていく。ひとりで、それらすべての領域の専門家になることは不可能である。だからこそ、企業はいくつかのポイントを押さえて、機能的なチームを作り上げる必要があるのだ。

3. 活動

あなたは、コンバージョン率を向上させるために何をしているだろうか。定量的(購入経路・トラフィック概要など)、定性的(ユーザビリティテスト・顧客調査・ペルソナなど)分析のように、顧客をより一層理解し、オンラインビジネスを改善する方法を考える活動は様々である。品質と頻度は、それらの活動に関する2つの重要な要因だ。専門家になる必要はなく、より高い品質と頻度がより良い体験につながるということを理解して実践すべきだろう。

4. テスト戦略と頻度

主要なCRO活動の一つは、確実にA/Bテストと多変量解析である。あなたのテスト戦略、品質・頻度は、コンバージョン成熟度で決まってくる。テストプロセスはとても重要で、特定の目的で実施されることもあれば、より成熟している場合、ロードマップによってその計画と実施をするだろう。さらに良い例は、あなたのテストを反復型で駆動させることである。

5. プロセス

企業における全体的なCROプロセスは、もう一つの大切な資産である。あなたにとって要になる部門は、円滑に協力するだろうか。企業内のコミュニケーションや交渉についてはどうだろうか。あなたは、テストのロードマップとその説明、検証学習の必要性を責任を持って伝えようとしているだろうか。これらすべては、コンバージョン最適化の結果に影響する変数として存在する。

6. スポンサー

スポンサーは通常、あなたと最適化に対して信用があり、予算獲得に動く管理職の社員である。彼は、あなたの代わりにコンバージョン最適化の努力を支持して、その計画と結果を共有することもあるだろう。それは現実的に、伝統的な階級組織の企業において特に重要な人物である。

7. ツール

そして結局のところ、私たちはツールを見落とすことはできないだろう。見識のある人たちは適切なツールよりも重要だが、状況に応じた分析とテストを行えるツールを整備する必要がある。今日では、それぞれの用途に合わせて多くのツールを選択することができる。様々なウェブ解析ベンダー、ヒートマップ、オンライン調査、フィードバック、ターゲティング・テスティングツールなどが存在する。一般的に、あなたがより成熟していれば、より高度なツールを使うようになる。

おわりに

この記事のはじめに、今後、各要素におけるすべてのレベルと重要な側面を解説することについて言及した。そこに行くために何が必要で、利益と可能性への問題が何なのかということである。

そして、次はあなたの出番だ。最適化の活動を改善し、最終的に結果を改善することを支援できるCRO成長モデルを、あなたは信じるだろうか。私が概説した7つの要素に同意できるだろうか。この成長モデルは、あなたの観点からどのように捉えるべきだろうか?

ミハル・パリツェク(Michal Parizek

ミハル・パリツェクは、ウィルス対策会社のアバストでオプティマイザーとして働いている。彼は以前から最適化やユーザビリティ、そしてアナリティクスに注力していた。Twitter またはLinkedIn を参照することで、より詳細を知ることができるだろう。

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7つの要素については、各要素を具体的に解説した記事の掲載が進んでおり、より詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
 ・Conversion Rate Optimization Maturity: People
 ・Conversion Rate Optimization Maturity: Knowledge
 ・Conversion Rate Optimization Maturity: Activities

Thank you, Michal Parizek and Daniel Waisberg.

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プロフィール

若狹 修

若狹 修

ウェブ解析を軸としたKPI設計、マーケティング施策、コンテンツ改善のコンサルティングに従事。現在、原点である人間工学を基に、ユーザ調査など様々な分野のアプローチを相互補完的に活かした研究と提案を行っている。

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