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» 2012年10月30日 更新

小売業にとって大きな販促手段でもある、
ポイントカード(クレジットカード・電子マネーカード含む)は
ポイントを発行してリピーターを増やし優良顧客を増やす、という販促視点と共に、
顧客購買データ(主にID付きPOSデータ)取得するマーケティングツールとして重要な役割を担っています。


小売業がポイントカード導入する際、業種業態に関係無く検討が必要な事項は下記の通りです。

・ポイントカードを発行する目的の企業内コンセンサス取得
・ポイント歩率の収益に対する影響度・財務会計処理について検討
・自社顧客数に対するポイントカード売上比率・客数比率等のKPI策定
・ポイントプログラム、個人情報、データ活用に対する契約・規約の整備
・店舗内外での入会申込マニュアル化、教育、告知方法、新規会員獲得
・顧客購買データ(ID付きPOSデータ)活用に対する戦略・活用方法

私たちが導入支援する際も上記事項の順で進めて行きます。

しかしながら、大抵の小売業がポイントカードは発行したものの、
ポイント発行と顧客管理のみにとどまり、
最後の項目の顧客購買データ活用まで至っていないのが現状です。

最近は様々な企業のポイントカードご担当者とお話しすると共通の課題が挙がります。
・そもそもポイント発行が差別化よりも同質化競争になってしまっている
・割引セール・倍セール販促の経費過多
・優良顧客の重要性は理解しているが、優良顧客向けの施策企画が無い
・モバイル会員・EC会員・ギフト会員等、他の会員組織の管理・整理が出来ていない
・顧客購買データ(ID付きPOSデータ)他のマーケティングデータとクロス活用からのアクション

そんな中でこの数年大きな課題として、
「消費税増税」と「IFRS」がポイント戦略に大きく影響を及ぼし、
各企業とも対応を迫られています。

2014年から施行される「消費税増税」(2014年4月に8%、2015年10月に10%)、
また、2015~2016年には数年前から話題に上がっている
「IFRS」(国際財務報告基準)上場企業から順次適用されていく予定ですが、
「税率」(税率アップ)と「会計」(引当金から収益の繰延金へ)のダブルパンチで
特にこの20年近く古くからポイントカードを発行していて対応が遅れている
企業はポイントプログラム、規約の整備、会計の整備含め急務でしょう。

この数年のうちに主に下記対応をする企業が増えると思っています。

①歩率を変更する企業の出現
 今まで210円(税込)1ポイントを、1000円(税抜)
 3ポイントに変更といった税抜表記に変更と同時に
 ポイント経費をさらに圧縮するためにどさくさに紛れて!?変更してしまう企業が増える。
 企業負担が大きいポイント経費を圧縮する企業もこの機会に増えると思っています。

②ポイントカードをやめてしまう企業の出現
 ポイント付与分を価格に還元すると打ち出し来店頻度低く、稼働していない会員組織をもった
 中途半端なアパレル業界・雑貨業界で多発する可能性があります。

③大手ポイント連合に乗換える企業の出現
 ポイント経費の処理やシステムIT投資費用、会員組織の運営、カード発行費用等、ポイント経費以外の経費は
 企業にとって負担となっています。大手のポイント連合に乗り換えて負担を減らし、
 さらには相互送客を狙う企業も増える。
 今までは自前で運営していく事が多かった集客や利用、ポイント発行も多い大手スーパーが
 最近大手ポイントカード連合に乗り換えるニュースもありました。

④クレジットカード業界と小売業の関係変化
 クレジットカード業界は、金利の問題や会員獲得に所得証明が必要等
 なかなか新規会員が増えない状況が続いています。
 小売業がカード戦略を見直しする機会を得た事で、
 利益の取れていない提携カードについて契約解消、カードの廃止が相次ぐと思います。
 クレジットカード会社はよりプロパーカード、もしくは母数の多い、又は稼働率の高い提携カードに
 投資を配分し、中途半端な当時の「入会金・年会費無料」を掲げた小売業提携カードは
 多く消えていくと思っています。

ID付きPOSデータ分析をはじめ、顧客購買データ分析は「ビッグデータ」と名前を変えて
最近のトレンドワードですが、そもそもの取得ツールの根幹が揺らぐ事態になっており、
データ活用とともに小売業にとって悩みの種が増えるこの2~3年になりそうです。
既にポイント歩率の高い、家電業界・航空業界で対応進んでいるようですが
各社の動向はこれからも注目です。

最後まで読んで下さりましてありがとうございました。

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プロフィール

佐々木 卓也

佐々木 卓也

2000年にマーケティング会社であるフュージョン株式会社に入社。現在代表取締役社長。小売業・メーカーにおけるCRM支援やID付POSデータ分析システムの提供と活用支援等、幅広い知見で顧客との距離を縮めるサポートを行っている。米国DMA公認ダイレクトマーケティングプロフェッショナル。

カテゴリ

  • Webサイト構築
  • ソーシャルメディアマーケティング

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