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» 2012年10月15日 更新

脱サラ女子大教員の憂鬱。。。 マーケターのセルフ・マーケティング

 日々、製品/サービスをプロモートしているマーケターたるもの自分自身のマーケティングも行わなくてはいけない。自分を最高の条件で買ってくれる企業や上司のもとで働くことができなければ、マーケター失格と言える。

 日本人マーケターは、昔に比べればグローバル化して自己主張できるようになってきたが、まだまだセルフ・マーケティングが下手だ。セミナーなどで自分の担当する製品・サービスを紹介していてもそのマーケター自身に迫力がないので、その製品・サービスが良いものに思えないということが多い。

 セルフ・マーケティングで重要なことはプレゼンテーション能力になる。日本の学校教育ではディベートやプレゼンテーションにかんする教育がほとんど行われていない。しかし、アメリカでは小学校からディベートやプレゼンテーションを学ぶ。この差は歴然としており、外資系企業の製品・サービス・セミナーは個性あるマーケターが面白おかしく製品・サービスを売り込み、市場シェアをあげていくが、国産ベンダーの製品・サービス・セミナーは、製品・サービスの情報伝達のみが行われ、少しも面白くない。日本のソフトウェア市場でアメリカ製品が席巻しているのは、明らかにマーケターのプレゼンテーション能力の差になる。セルフ・マーケティングが下手だと顧客やパートナーの理解が得られないし、自社内でも予算獲得が難しい。

 では、どうしたらセルフ・マーケティングの達人になれるのか。それは、コミュニケーションの基本にある。みなさんは、自分の意見を相手に理解させることができるだろうか。誰かがあなたに言ったことを相手の意図通りに理解できているだろうか。ほとんどの人が「できている」と答えるかもしれない。しかし、果たして、本当にそうだろうか。もし、できているなら、あなたの話しを聞いた人はあなたの意図通りに動いているはずだ。コミュニケーションは意思疎通だけで終わらせてはいけない。相手を自由自在に動かすレベルに到達できなければ、社会人のコミュニケーションとは言えない。

 相手の言っていることをきちんと理解し、自分の意見を相手に理解させ、行動させるのがコミュニケーションの基本になる。もし、あなたがマーケティング能力を向上させようとして経営理論の本やビジネス書を読みあさっているならまだまだヒヨッコだと言わざるを得ない。これらの本は過去の統計分析から導かれた結論やたまたま成功した人の経験談でしかない。まったく無視しろとは言わないがこれらの情報に溺れてはいけない。マーケターと自認するなら、いろいろな人と会話をしよう。できれば、フェイス・ツー・フェイスの会話が望ましい。相手の話し方や表情からの情報が重要で、メールや電話などではそれが読み取れないからだ。現地に行って、相手と直接話しをすることで見えてくるものがある。顧客や関係者も生の情報に触れたあなたを信頼するようになる。

 「予算がないから行かれない」「そんな時間がない」などと言い訳してはいけない。予算をとってくるのも、時間を作るのもマーケターたるあなたの責任。優秀なマーケター、例えば、私の元同僚で現マイクロソフトのエバンジェリストの西脇資哲氏、は予算も時間も手に入れている。

 西脇氏は、『エバンジェリスト養成講座究極のプレゼンハック100』などの本を出している業界の有名人なので、知っている人も多いと思うが、彼は一流のマーケターだ。彼とは日本オラクルで一緒に働いたが、彼は製品マーケティングだけでなく、セルフ・マーケティングも上手かった。

 いきなりあなたに西脇氏のようになれ、といっても無理なので、コミュニケーションの基本から始めよう。

 相手の言っていることを最後まで聞いてきちんと理解しましょう。きちんと理解できているかどうかは、会話の後にメモ(議事録)を作って相手に送り、確認してもらいましょう。

 自分の言ったことを相手が理解し、自分の意図通りに行動するか、確認しましょう。なかなか動いてくれないかもしれませんが、諦めずにどうやったら相手が動くか、いろいろ試してみましょう。

 なにげなく会話をせずにこの2点を意識してコミュニケーションしましょう。さぁ、今日から始めましょう。

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プロフィール

齊藤豊

齊藤豊

約20年間の外資系ソフトウェア企業勤務を経た脱サラ女子大教授

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