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» 2013年7月 8日 更新

グーグル検索で読み解くユーザー心理 シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール、Yコンビネーターのアドバイスがおもしろい。

シリコンバレーは、Google・Facebook・ドロップボックスなど、
世界規模で展開しているIT企業が生まれていることで有名です。

そのシリコンバレーで活躍するベンチャーキャピタル、Yコンビネーター内部で、
密着取材した内容をまとめた書籍、

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読んでみた感想としては、

実際に起きていることをありのままに書いてるので、
一見華やかな成功をとげているように見える、
スタートアップが生まれるまでの過程や裏側を見ることができます。

Yコンビネーターに投資を受けられる人間というのは、
有名大学を出ているのは当然で、起業に対し貪欲、
なおかつYコンビネーター内での数%しか残れない競争も勝ち抜き、
トップレベルに優秀な人たちの集まりです。

しかし、そんな彼らも、
立派なプレゼン披露の裏に、
多くのダメだしを受けた上での特訓を経験していたり、

成功ビジネスの陰には、失敗アイディアがいくつもあったりと、
(マイクロソフトでさえ、最初のビジネスは全く収益がでなかったとか)

もちろん天才たちではあるのでしょうが、完ぺきではないし努力もする、
ある意味、みんな普通の人間なんだなと思わされました。


○スタートアップへのポールグレアムのアドバイス9選


Yコンビネーターの創業者ポールグレアムは、
自身もスタートアップ成功者で、ヤフーに事業売却した経験を持っています。

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(wikipediaより)

彼は、ただスタートアップに、資金投資するだけではなく、
投資先のスタートアップメンバーと何度も面談・議論をして、
アドバイザーとして根本から関わっています。

たくさんのスタートアップを見てきた、
ポールグレアムのアドバイスの中で、
興味深いと感じた言葉を紹介したいと思います。

1、スタートアップで最適な年齢は25歳。

スタートアップの創業者になるのに、最適な時期は20代半ば
学生は起業失敗しても学生に戻るだけなので真剣味が足りない。
30代になると子どもがいて、家のローンもあることが多く、生活コストが高くなっている。
25歳は、スタミナ、貧乏、根無し根性、同僚、無知といった起業に必要な利点を持っている」

■2、一人でスタートアップを始めてはいけない。

スタートアップ2~3人で起業すること。
一緒にブレーンストーミングをして、愚かな決断を辞めさせて、うまくいかないときには、
元気づけてくれる仲間が必要だ」

■3、アイディアは変えが効く

「シード資金の段階では、アイデアよりも創業者の人物が重要だ」

ポールグレアムは、投資前の段階ではビジネスアイディア自体よりも、
メンバーの情熱や、どれだけ考え抜いてきているかというのを見ているような、
場面が書籍内に何度もあります。

実際に当初のアイディアとかけ離れたビジネスで、
成功するということも少なくないようです。

■4、ビジネスアイディアは目の前に転がっている

「目の前に転がっていながら、誰も気づかなかった問題を取り上げたのは素晴らしい。
解決不能に見える問題も、実際には見かけほど難しいわけではない」

誰もが問題と感じているけれども、
複雑で誰もやらなかった"デベロッパー向けのクレカ決済システム"を、
ビジネスとして立ち上げようとしたスタートアップに向けた言葉。

■5、新しいアイディアを生み出す3カ条

1、創業者自身が使いたいサービス
2、創業者以外がつくりあげるのが難しいサービス
3、巨大に成長する可能性を秘めていることに人が気づいていないこと。

■6、急いでローンチしろ。

「何かアイディアを思いついたら最小限動くモデルをできるだけ早く作れ。
作りかけのプロトタイプでもかまわない、
とにかく現実のユーザーの手元に届けて反応をみる。
そうしてはじめてそのプロダクトがユーザーが求めていたものなのかどうかがわかる」

■7、投資家へのプレゼンでは美女を使ってはいけない。

美しい女性の写真を使うな。美しい女性の写真をプレゼン資料に使うと、
誰もスタートアップの話に耳を傾けなくなる」

"スタイリッシュなWEBページを簡単につくれるサービス"の投資家へのプレゼンで、
見本として、"美しい女性のページ"をプレゼン資料で用いたときにグレアムが言った言葉。

■8、目標設定は集中を切らさないために必要。

毎週10%の成長率は黄金の数字。
1年続けると142倍になる」

「目標設定が有効なのは、集中力が養われるから。
毎週成長目標を決めたら、その目標を達成するのにどうしても必要な仕事はどれとどれなのか、
適切な時間の使い方を必死で考え抜く必要がある」

■9、スタートアップとスモールビジネスは違う

「スタートアップの本質は、単に新しい会社だという点にはない。
非常に急速に成長する新しいビジネスでなければならない。スケールできるビジネスでないといけない。

例:
プログラマーがHPデザインについて助言するコンサル会社をつくっても、
スモールビジネスであって、スタートアップではない。

○まとめ

新しいサービス・新規事業を作りたいと思っている人は、
恐らく、とても参考になることでしょう。

内容も400ページあり、とても読み応えがあり、
また翻訳書ですが、とても読みやすい日本語で書かれています。

値段は1800円と若干高いですが、
読み終えて、買ってよかったと思えた本です。

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プロフィール

鶴谷智洋

鶴谷智洋

ラビットSEOというコンテンツSEO事務所をやっています。前職は、e-まちタウン株式会社で自社ポータルのwebマーケティング、法人向けSEO事業等やっていました。Web上で紹介、リンクしたくなる良いコンテンツとは、というのを研究中です。アプリマーケティング研究所というアプリのマーケティングブログも運営中。

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