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» 2014年8月29日 更新

以上、SEOの現場からお伝えしました。 『教科書通りやってるのに、流入が伸びない...』 ← そのSEO、"戦略"を間違えていませんか?

最近は色んな所で寄稿させていただく機会が増えているのですが、ここではマーケター向けの記事ということで、テクニック論よりもやや大きめのテーマでお話をしていこうと思います。

教科書どおりにSEOを実装しているのに流入が伸びない・・・なぜ?

弊社も色々なSEO案件のご相談をお受けするのですが、どんなサイトでも同じようなSEOの取り組みで効果を発揮できるわけではありません。「そもそもサービスがSEOに向いていない」であったり「サイトの性質上、SEOでは投資対効果が期待できない」といった理由からSEO以外の方法をお勧めする場合もありますし、より複雑なSEO戦略を取る必要があるためにサイト構成やリアルなスタッフのオペレーション方法にまで手を入れさせていただく場合もちょくちょくあります。

そもそもサービスが検索されにくいものであればSEO自体のインパクトは必然的に小さくなりますし、サイトの設計思想がありきたりで独自性のないものである場合差別化が難しく検索結果で勝つことができないということもよくあります。技術的な要件を満点にしたところで検索流入が伸びるかどうかというところに直結しないケースも実は大変多いのです。

クローラビリティをどうすべきだとか、HTMLタグをどうすべきだとか、最適化のテクニックの話は巷にあふれています。しかし、そもそもそのサイトが検索結果上でどのような立ち位置を目指して、どのような特徴を出しつつ、どのように発展させていくのか=SEOを絡めたサイト戦略をまず考えるのが実は非常に重要です。特に、人工リンクに頼ってリンクの量だけで差別化ができていた時代からは変わりつつあるため、今後中長期的にはこうした戦略を上手く組めているサイトが勝っていくことになるでしょう。

そのサイトにおけるSEOのインパクトはどの程度あるのか?

まず真っ先に考えるべきなのは、「そもそもそのサイトでSEOに取り組む価値があるのかどうか」です。ユーザーが検索しないような分野であったり、検索したとしてもそこからのコンバージョンがまるで期待できないといった場合はSEOにあまり大きな予算を投じるメリットは少ないでしょう。

逆にバリバリ検索が行われる分野で、サービス単価も高く検索からのコンバージョンも期待できるのであれば積極的に行うべきという判断になります。ただし、そういったマーケットは既に強力な競合がいるために後発組は厳しい戦いを強いられるというケースも多いです。

ユーザーはどういった傾向の検索をするか?

似たような業界であっても検索ニーズがまるで違うというケースもあります。例えば同じ人材業界でも、新卒採用と中途採用では事情が違います。後者の中途採用のサイトであれば

「職種名 × 転職 / 求人 / 募集」

「業界名 × 転職 / 求人 / 募集」

「スキル名 × 転職 / 求人 / 募集」

といった基本のキーワード、またこれに「東京」などのエリア名や「在宅」といった条件のキーワードを掛けあわせた複合キーワードなどが考えられます。これは転職者のニーズが多様かつ明確であるためある程度のコンバージョン期待値を持つ多様で具体的なキーワードが存在していると言えます。

一方、前者の新卒採用では就活生自身どこに就職したいなどのニーズが明確ではないことが多いです。このためコンバージョンに近いキーワードはせいぜい

「就活」

「業界×新卒採用」

といったもの。転職者の利用する中途採用のサイトに比べると直接的な刈り取りという意味でのSEOのプライオリティが下がります。ただし一方、新卒採用においては自分の就職活動に不安なユーザーが多いため、ハウツー系のキーワードでのニーズは転職に比べると大きくなる傾向があると思われます。

「就活 履歴書 書き方」

「商社 志望動機」

「集団面接 対策」

こうしたキーワードは直接的なコンバージョンはあまり期待できないですが、さまざまな就活生が共通して検索するキーワードであると考えられます。就活生がそういった情報をもとめて自社サイトに行き着くことで、結果的に認知が高まり利用者数が増える、というシナリオが考えられます。

ただしコンバージョンに対して遠回りな施策ではあるので、企業によってどのような優先度で行っていくかは議論が必要になるでしょう。

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攻めるキーワードの難易度(競合性)はどの程度か?


例えば、不動産物件の紹介サイトなどは競合性が非常に高く、後発がSEOで勝っていくのは非常に難しい分野になるでしょう。どちらもそれなりに検索の不動産物件に関しては成約した際の単価が非常に高く、かつ検索のニーズも幅広く期待できるため、大手がこぞって参入しています。

SEOにおいては構造の最適化レベルが同様であれば、独自コンテンツの量や獲得しているリンクの量、運用歴などによって差がついてくるわけですが、トッププレイヤーは相当広く・深く・長くサイトを育てているため、真正面からぶつかっていくのは大変難しいです。

こうした場合、難しいキーワードで勝負するのはそこそこの順位までにしておいて、他のニッチなキーワードに振り切ったりするのも一つの手です。

もちろんそこを競合も既にニッチなキーワードにまで手を出していたり、ニッチ過ぎて投資対効果が合わないというケースもあるため、ある程度キーワード数を広く捉えることができたり、他の集客手段とシナジーのあるやり方をするということも考える必要があります。


サイトのページ数やタイプは?

数十ページのサービスサイト・数千ページのメディアサイト・数十万ページの情報検索サイト、これらはページ数も違えばサイトのコンセプトも違うため、SEOにおいて重きを置くべき要素も異なってきます。

数十や数百のページであればほとんど労せずとも検索エンジンがきちんと全てのページを読み取ってくれるため、1ページ1ページのコンテンツの質・量や被リンク集めに気を配ることが重要ですが、数十万ページを超えるような大規模サイトになってくるとそう簡単には行きません。クローラビリティやリンク階層、URLの構成などを上手く作らなければ検索エンジンが意図通りにサイトを把握することができず、マイナス要素が増えてしまいます。

逆に競合が少ない分野であれば、構造を上手く整えたりキーワードを主要なタグに入れるだけでも検索流入が数倍になるようなケースもあります。

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闇雲に取り組むのではなく、戦略を考えなければ中長期的な差別化は難しい

このように一口に「SEOを行う」と言ってもサイトタイプ・ページ数・競合性などによって重きを置くべき箇所は異なりますし、企業の体制によってもどういった施策を行うことができるかということも変わります。

ただ闇雲に思いつくキーワードに対して対策を行うのではなく、ターゲットユーザーはどういった情報を求めてどんなキーワードを打ち込み、各キーワード今検索結果上でどのようなコンテンツが求められていて、競合サイトはどのような戦い方をしているのか、どういった手法であれば効率よく/中長期的に検索流入を獲得できるのかということを考える必要があります。

今後検索エンジンは自然言語処理の分野をより深く開発していくと公言しており、またサイト構造の理解も以前と比べても飛躍的に伸びています。細かい小手先のテクニックで順位に差がついていたものが、今後はますます効かなくなっていくでしょう。そんな中で、中長期的に自然検索流入を伸ばしていくには正しいSEO戦略をサイト運営に組み込んでいくのがますます重要になっていくことは確実です。

SEOに従事する人のスキルとしても、単にテクニックを知っているというよりも、プロモーション全般を広く知っていて、サイト方針の変更に関わることができる/またはそういう人を巻き込んでいくことができる力を持つ人が求められるようになるでしょう。

上に挙げたような施策の例はあくまで一つの側面からみた一般論でしかなく、各キーワード・各サイトの状況ごとに戦い方があります。SEOをやるよりも他のプロモーション手法のほうが優先であったりそもそもSEOに取り組むこと自体が無謀であるようなパターンもありますし、戦い方を変えるだけでグッと流入が伸びる場合もあります。

是非一度、自社のSEO戦略が正しいのか、どういう戦い方をするのが最適なのかを考えてみてください。

ヴォラーレ 實川

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ヴォラーレ株式会社 SEO HACKS

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コラム著者:
實川節朗(ジツカワモトホ)
伊佐敷一裕(イサシキカズヒロ)

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