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» 2014年11月10日 更新

以上、SEOの現場からお伝えしました。 ユーザーと旅をしながら考える、検索キーワード

ヴォラーレ株式会社の伊佐敷一裕(いさしきかずひろ)と申します。
今回より、實川と共に寄稿することになりましたので宜しくお願い致します。

SEOのコンサルティングや、ユーザーテストを用いたUI改善のコンサルティングを行っています。 今後、ユーザー心理やユーザビリティ面をも考慮したSEOやサイト改善についてのお話をしにちょこちょこ登場する予定ですので、以後よろしくお願いいたします。

今回は、SEO施策する上で重要な「対策キーワード選定」について、もうちょっとユーザー目線よりで考えてみましょう、というお話をしようかと思います。


よくある、ちょっともったいない対策キーワード選定のやり方

SEOをそれなりに経験されている方なら、下記のようなやり方で対策キーワードの選定を行っている方は多いのではないでしょうか。

①すぐに思いつく狙いたいキーワードを決める

②(サイトがある場合は)現在の流入キーワードをアクセス解析ツールで抽出する

③上記2つを、キーワードツール等を使って関連語などを出して広げていく

上記のやり方が間違っているわけではありません。現状サイトへの流入キーワードを抽出したり、ツールを用いてキーワードを広げていく取り組みは重要です。このような取り組みをしていなかった方は、是非行っていただきたいと思います。

ただしこれだけだと、ちょっと勿体無いことになっているかもしれません。現状のサイトの状況や、すぐに思いつく代表的なキーワードに縛られた、限定的なキーワードしか考えられていない可能性があります。

例えば、「全国に施設が存在する介護施設のサイト」の対策キーワードを考えることになったとしましょう。上述したやり方でキーワードを考えるとすると、下記のようになると考えられます。

① すぐ思いつく狙いたいキーワードを決める
 →「もちろん『介護施設』は狙いたい。『老人ホーム』も狙いたいかな」

②現在の流入キーワードをアクセス解析ツールで抽出する
 →「おお、『老人ホーム 埼玉』とか地名掛けあわせのキーワードや、施設名のキーワードがいっぱいある。これは絶対に考えないといけないな。」

③ 上記2つを、キーワードツール等を使って関連語等を出して広げていく
 →「『介護施設 費用』『老人ホーム 食事』とかのキーワードが検索数が多いらしい。こういうのも狙っていかないとね。」


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一見、必要なキーワードは抑えられているように思えます。でも、本当にターゲットユーザーはこういったキーワードでしか検索をしないのでしょうか?


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検索キーワードは、ユーザーの心の声が反映されるものです。その心の声に対しての「答え」を用意することで、初めて検索上でユーザーと接点を持てるようになります。

あなたのサイトが「答え」を提供できうる、まだ聞こえていないユーザーの心の声を取りこぼしてしまっていないか、もう少し考えてみましょう。


カスタマージャーニーから、ユーザーの検索行動を読み解こう

あなたのサイトにやって来て、CVしてくれそうなユーザーを1人思い浮かべてみましょう。そして、そのユーザーがサイトでCVするまでの、一連のストーリーをさかのぼって想像してみるのです。

より効果的なキーワード選定をする為に、このように「カスタマージャーニー」を考えてみることをおすすめします。

マーケティングに従事している方なら、「カスタマージャーニー」という言葉を聞いたことがある方は多いかと思います。 直訳すると「顧客の旅」。言い換えると、「ユーザーがCVに至るまでの(オフライン/オンライン問わない)一連のプロセス」を指す言葉です。 顧客目線に基づいた総合的なマーケティングを行う上で大切になる考え方ですが、ここでは検索に焦点を当ててお話します。

ユーザーは、突発的にふと思いついて検索して流入してCVするのではなく、色々な心理変化を経て、色々な行動をして、その中で抱いた様々な「質問」や「要望」や「相談」を検索という形で投げかけてきます。
その一連の流れをカスタマージャーニーとして考えることで、今まで見えてこなかった検索キーワードが見えてくるようになります。言い換えると、ユーザーとの、検索を通じての接点をどこで持てるかが見えやすくなるのです。

では先ほどの、介護施設の例で考えてみましょう。 主なターゲットユーザーとしては、「介護が必要な親を持つ人」が考えられます。 このユーザーのカスタマージャーニーを考えてみましょう。


「介護が必要な親を持つ人」が、その必要性を感じ、申し込みに至るまでのカスタマージャーニー

①「最近、親の体調が優れないようだ・・・もしかして○○症なのだろうか。」
 →症状についての情報収集。病院での受診を行う。
 【検索キーワード】「○○症 症状」「○○症 病院」等や具体的な症状を表すキーワード

②「どうやら○○症らしい。治療やケアはどのようにすればいいのだろうか。」
 →治療法・ケア・薬等についての情報収集。  
 【検索キーワード】「○○症 薬」「○○症 ケア」

③「介護の必要があるようだ。どのように行なえばいいのだろうか。」
 →介護の手法についての情報収集。自力での介護を実施。  
 【検索キーワード】「○○症 介護 方法」

④「(自分だけで介護をするのは難しい...。)介護サービスや施設について調べてみよう。」
 →訪問介護サービスや、施設についての情報収集。適切な施設の選択
 【検索キーワード】「○○症 介護施設」「○○症 介護 きつい」

⑤「施設を利用するのが良さそうだ。でも、どのように施設を選べばよいのかな。」
 →施設の選び方・調べ方のポイントについての情報収集をした上で、施設の検討を行う。
 【検索キーワード】「○○症 介護施設 選び方」「介護施設 探し方」

⑥「このタイプの施設を利用するのが良さそうだ。近くの施設を探してみよう。」
  →近くの地域から、条件にあった介護施設を探す。
 【検索キーワード】「(地域名) +(施設の種類名)」

⑦「いくつか候補が上がったけれども、どこか良いのだろうか。」
 →価格・サービス内容等で比較検討。それぞれの施設についてお問い合わせ・見学等
 【検索キーワード】「(施設名) 価格」「(施設名) 評判」

⑧施設の決定・申し込み


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上記のようなカスタマージャーニーを考えることで、介護施設を探すユーザーが、多くの場合、事前に症状についての情報や、介護の手法・施設の選び方についての情報収集を行うことが見えてくるかと思います。

同時に、それぞれの段階で、ユーザーがどのようなキーワードで検索を行い得るかも想像しやすくるはずです。最初に考えていた、「すぐ思いつく狙いたいキーワード」以外の、様々なキーワードが浮かび上がって来ていることが分かるでしょう。

こういったキーワードについて考えた上で、それらに対してどのような「回答」を提供できるか、を考えることで、サイトにどのようなコンテンツを含めるか、どのようなSEO対策を行っていくか、等の選択肢が広がってくるはずです。

この例で言えば、介護が必要な症状に対しての情報を充実させたコンテンツや、介護の手法・介護施設の選び方についてのハウツーを記載したコンテンツをサイト内に含んだり、対応可能な症状についての情報をそれぞれの施設の個別ページに含んだりすることにより、①~⑤のユーザーと検索上での接点を持てる可能性は高くなります。カスタマージャーニーを考慮しなかった場合、接点を持てるのは⑥以降のユーザーだけとなってしまうでしょう。

①~⑤の段階にいるユーザーと接点を持ち、それらのユーザーをCVに導いていくことが可能になれば、サイトのパフォーマンスは大きく向上するはずです。

また、こうした考えで有用なコンテンツを作成していくことは、技術的な解釈でもSEOには有効な取り組みとなります。 このような"コンテンツSEO"については、下記の記事もご参照ください。

図解で分かる"コンテンツSEO" : コンテンツ配信→リンク蓄積→流入増のサイクルを作る


まとめ

このように、検索者のカスタマージャーニーを考えることで、より多くのユーザーとの接点を増やすことが出来るキーワード選定が可能となります。
(その上で、改めて各種キーワードツールを用いていくと、尚効果的です。)

もちろん、CVへのつながりやすさや検索ボリューム、競合性等を考慮した優先度付けは改めて行っていく必要はあります。 ただし、将来的にCVにつながる可能性のあるユーザーと如何に検索を通じて繋がりを持っていくか考えることは、サイトのパフォーマンスを最大化させていく上で非常に有効な取り組みと言えます。 そして、そういったユーザーとの接触機会を最大化できることが、SEOの醍醐味の1つでもあります。

また、今回は検索に焦点を当てて話をしましたが、カスタマージャーニーを考えることは、検索のみならず、顧客とどのように接点を持っていくかを考える上でとても有効です。

一度、あなたのサイトに訪れるユーザーがどのような「旅」を経てやってくるか、思いを馳せてみても良いのでは無いでしょうか。


おまけ

僕の所属するヴォラーレ株式会社にて 12/10(水)14時~20時 という、
6時間ぶっ通しで本来Web担当者が1年かけて学ぶSEOの内容について全力で凝縮して学んでいただくセミナーが開催されます。
6万円というラグジュアリーなお値段ですが、本気でSEOを勉強したい方はぜひどうぞ。

ゼロからのSEO担当者育成講座 ~これからSEOの話をしよう~ ヴォラーレ株式会社主催 SEOセミナー2014

http://ml.seohacks.net/_2014semii
※去年のセミナー動画が無料で見られます。


ヴォラーレ株式会社 伊佐敷一裕


[参考]

より具体的な検索キーワードの選定テクニック(ツールの使い方等)については、下記の記事を参考にしてみてください。
http://www.find-job.net/startup/seo_keyword_design

本当に精度の高いカスタマージャーニーを考える際は、アンケート調査等、種々の調査を行うことが望ましいです。(ただし、まずブレスト的に自由に考えてみる、ことをするだけでも効果的でしょう。) 
カスタマージャーニーについてより深めたい方は下記URLの内容等を参考にしてみてください。
http://www.xlisting.co.jp/marketing-x/digital-marketing/digital-marketing_various/how-to-make-customer-journey-map

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ヴォラーレ株式会社 SEO HACKS

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ヴォラーレ株式会社
コラム著者:
實川節朗(ジツカワモトホ)
伊佐敷一裕(イサシキカズヒロ)

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