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» 2015年4月 7日 更新

以上、SEOの現場からお伝えしました。 SEOとユーザビリティは両立するか

「SEOにおいては、ユーザー視点が大事です」という話を聞いたことがある方は多いと思います。勿論それは間違い無い事実です。

しかし、「ユーザー視点さえ考えてれば、細かいことは気にしなくてもSEOは出来るんだ!」と曲解してしまっていないでしょうか。

実は、ユーザー視点に基づきユーザビリティ(使いやすさ)に優れたサイトを作ることと、SEOに優れたサイトを作ることは、共通の部分も多くある一方で、それぞれ切り分けて考えるべきことも多くあるのです。


最近話題の「モバイルユーザビリティ」

最近、「モバイルユーザビリティ」がSEOの文脈で話題になっています。

その背景として、2015年4月より、「モバイル対応の有無」および「モバイルユーザビリティ」が、スマートフォン検索結果における評価指標の1つとして導入されることが公式に発表されていることがあります。スマートフォンユーザーにとって、より良いユーザー体験をもたらすサイト(=スマホ対応されている、最低限のユーザビリティを保証している)がスマホ検索結果において評価されるようになるようになるという変更です。

実はこれまで、サイト内のユーザビリティが、検索エンジンからの直接の評価指標として用いられることは、サイト表示速度等の一部を除きほとんどありませんでした。その意味においては、今回の発表はある意味革新的、というか例外的な内容と言えます。

※このアルゴリズム変更の具体的な影響や対処等については下記の参考記事をご参照ください。(多分またこの話題で、こちらでも記事を書かせていただく予定です。)

【参考】
Google、スマホ対応サイトをモバイル検索結果で優遇するアルゴリズム変更を発表、4月21日から適用 ++ SEO HACKS公式ブログ
【最新版】 2015年「モバイル×SEO」の基礎知識 Webディレクター向け | SEKAI LAB TIMES(セカイラボタイムス)
モバイルフレンドリーについての疑問にGoogleが直接答えてくれた! ~The 13th In-house SEO Meetupレポート - Tokyo Search Professionals


なぜユーザビリティは考慮されてなかったのか

ではなぜ、これまでユーザビリティは検索エンジンからの評価指標となっていなかったのでしょうか。下記の2点の理由が挙げられるかと思います。

①検索エンジンからの評価においては、サイト内のユーザビリティよりも、検索結果に表示されるページ 内の情報の信頼性や品質の方が相対的に重要である為、重視されてこなかった。
②サイト内のユーザビリティを判断する汎用的なアルゴリズムの構築は非常に複雑で、実現が難しい。

そもそも検索エンジンは、検索ユーザーと、そのユーザーが探している情報をマッチングさせる役割を担うものですから、その情報の入れ物のつかいやすさ(ユーザビリティ)よりはその情報そのものの質の方がよっぽど重要です。その情報の質を評価する為に、様々なアルゴリズムが開発されてきたと言えます。

また、そもそもユーザビリティは、ユーザーの(検索クエリに現れない)ニーズや文脈等に大きく依存するものですから、汎用的な指標を以って機械的に判断することは難しい、ということも言えるでしょう。

実際に、今回のモバイルユーザビリティに関するアルゴリズムにおいて評価指標とされるのは、ボタン要素間の距離や表示領域(ビューポート)の設定等、「最低限これだけは抑えておいてね」という汎用的な内容のみです。ユーザビリティの評価の点では、検索エンジンはまだまだ完璧ではないのです。

 

SEOの施策とユーザビリティ改善の施策は切り分けて考えよう

さて、普段SEOに関わる人でしたら、「ユーザー視点でサイトを構築・運営しましょう」という話を聞くことが多くあると思います。

もちろんこれはその通りで、「検索ユーザーがどのようなニーズを持っており、どのような情報を求めてどのような検索を行うか」といったことをユーザー視点で考えてサイト運用を行うことはSEOの取り組みとして非常に重要です。

しかし「じゃあユーザー視点だけ考えて施策を打てば、それが全てSEOにもプラスに働くはず!」というふうに早合点してしまっては良くありません。SEOを行う上では、検索エンジン目線で考えることも欠かせないのです。

なんとなくの理解で「ユーザー視点」という言葉を捉えていると、「『ユーザー視点でサイトを作れ』かあ・・・じゃあ使いやすい(ユーザビリティの良い)サイトを作れば、それがSEO上プラスになるのかな?」という風に解釈してしまう人もいるのではないかと思います。

上述したように、現状の検索エンジンの評価において、ユーザビリティはまだ重要な要素とはなっていません。したがって、 SEOの施策とユーザビリティ改善の施策は一緒くたにせず、ある程度切り分けて考えることが望まれます。もちろん、SEOとユーザビリティ両方にとってプラスになる施策も多く存在しますし、逆に相反するものもあります。下記にそれぞれの具体例を幾つか紹介します。


SEO施策とユーザビリティ改善施策が両立する例

ユーザーにとって有益な情報の適度な拡充

ユーザーが検索する、または参照したくなるような情報を含み、正しい論理構造でわかりやすく書かれており、かつサイト内での目的達成を助けるようなコンテンツの存在は、SEO・ユーザビリティ両者の改善に繋がります。

SEO_usabilty1.png

カテゴリー構造やナビゲーションの整理

適切に整理されたカテゴリー構造やナビゲーションは、ユーザーがサイト内を遷移する際に有益なだけでなく、検索エンジンにサイト構造やそれぞれが保有する情報を正しく伝え、適切な評価を受ける為の役割も果たします。


ファーストビューに重要な情報を配置する

ファーストビューに重要な情報が配置されていることで、ユーザーは迷わず重要な情報を手にすることができ、検索エンジンはどの情報が重要かを判断することができます。

また、ファーストビューに広告が多すぎると、ユーザビリティを損ねることに加え、検索エンジンからの評価を下げる原因となります。


関連する情報をもつページへの適切な導線設置

関連する情報が適切にリンクで結ばれていることにより、ユーザーの回遊性を高めると共に、検索エンジンに適切に情報を評価してもらいやすくなります。


ページの表示速度改善

ページの表示速度も、Googleは指標の1つとして評価しています。


適切なリダイレクト設計

URLの変更が合った際や、PC用ページとモバイルページでURLが異なる場合等に、対応するページ間で適切なリダイレクト設定されていないと、ユーザーを混乱させるばかりで無く、検索エンジンの評価を失うことにも繋がります。ここが大きく間違っていると、大幅に検索流入を失うこともあります。


ユーザビリティ改善とSEOが相反する可能性がある施策例

ページ内の情報の増減

「情報を削り、絞る」ことがユーザビリティ改善に繋がる場合は多いですが、検索エンジンからの評価材料が減ってしまったり、検索エンジンに、『情報が充実していない』と判断されてしまう等の恐れもはらむことになります。


不必要な内部リンク導線の削除・設置

ユーザーにとって一見重要でない内部リンク導線でも、検索エンジンがページ関連性を把握したり、サイト内を適切にクロールしたり、内部リンク評価を受け渡したりする上で役立っている場合も多いです。内部リンク構造を大きく変える際は注意が必要でしょう。

逆に、やたらとリンク導線を増やしてしまうことで、ユーザーの混乱・離脱を招く場合もあります。


ページを画像中心で構成する

検索エンジンは画像の内容を理解することができないため、画像中心で構成されたページは適切に評価されない場合があります。代替テキストを必ず利用する、ある程度のテキストを担保する、画像テキストは、Webフォント等を利用したテキストに変更する等の対処が必要となる場合があります。

SEO_usabilty2.png

また、画像が多いことは通信回数や表示速度にも影響を与え、それがSEO上の不利益を生じる可能性もあります。


Javascript、Ajax等の利用

JavascriptやAjax等の適切な利用はユーザビリティ改善には役立つものの、それを実行しないと見ることが出来ないコンテンツについては、検索エンジンからの評価が受けにくくなっているのが現状です。近年は検索エンジンの進化により、改善されそういったコンテンツが評価されやすくなりつつあるものの、その処理の仕組み自体が変わったりしていて不安定なので、どのような仕様で検索エンジンに認識させるかという点で注意が必要となるでしょう。

【参考】
AjaxクロールのガイドラインのサポートをGoogleがまもなく終了予定


一部の情報をタブ切り替えや展開ボタン等で隠す

タブ切り替えや展開ボタンは上手く利用することで情報整理・ユーザビリティ改善に役立ちます。

しかし、検索エンジンはタブや展開ボタンで隠されたコンテンツを高く評価しないことを公式に発表しています。検索エンジンに評価させたいコンテンツは、なるべく最初から表示させることが望まれます。

※Googleはこの件について、「ユーザーを混乱させない為、重要な情報は表に出しておくべき」というユーザー体験を重視するが故の対応と述べています。これはその通りで、やたらと展開やタブで情報を隠すことが、ユーザビリティを損ねてしまう可能性にも留意すべきでしょう。

【参考】
展開ボタンやタブに隠れたコンテンツは無視され検索結果の対象にならないかもしれない | 海外SEO情報ブログ


どれだけSEOを重視する?

ここまで述べてきたように、2015年現在のSEOが検索エンジン視点を考慮することが必須である以上、ある程度相反する部分が生じてしまうことも仕方が無い部分はあります。それを前提に、ユーザビリティとSEOそれぞれの優先度を抑えたで、サイト改善施策に取り組むべきでしょう。

サイトによっては、サイト内のCVR向上やユーザーストレス軽減のための施策を検索流入より優先して打つべき場合もあると考えられます。

ただし一方で、検索される情報を保持しているのならば、それを検索上位に表示させる取り組みを全くしないのも勿体無いかな、という様にも思います。

ある程度バランスを考えながらも、検索される情報、検索結果に掲載されるべき情報を少しでも持つと思うのであれば、他を圧迫しない範囲でSEOの取り組みを行うべきでしょう。

検索エンジンが望むこと、ユーザーが望むこと両者を考え、そこにビジネス上の観点も取り入れながら、総合的にSEOやユーザビリティ改善を考えていくことが大切です。


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コラム著者:
實川節朗(ジツカワモトホ)
伊佐敷一裕(イサシキカズヒロ)

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