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» 2014年7月14日 更新

デジタルテクノロジーと僕。 最強のウェブ事業部を創るためのデータサイエンス「統計的に存在しないレベルの人達」

一般企業内でのデータサイエンティストの役割

さて、本ブログではデータサイテンティストというコトバから類推しながら、この役割を担った人が最強のウェブ事業部を構成するにはどういう着眼点が必要なのかという議論をしている。まず、前提となる条件であるが、企業の中で、データ分析をする人たちは、このデータサイエンティストである人とそうでない人が今の言葉の定義上はいると思います。データサイエンティスト.pngデータ分析をする人
とまぁ、こんな形に、それぞれが包含しながら、データ分析をする人たちと大きく括られているようにも思う。つまるところ、日本の一般企業の中で、googleやfacebookあたりの企業で言うところのデータサイエンティスト業に専属で働けている人はごく少数で、大きくデータ分析する人と社内で認識されているのだろうと想像しています。

ならば対にあたるデータ分析者とは?

そこが、タイトルにある『統計的に存在しないレベルの人達』の扱いの違いなのかと思ったわけです。郵送調査、アンケート調査、観察調査、インタビュー調査などを生業としている人たちを、データ分析者と置いているのですが、こちらは、統計的にサンプル数があまりに少なければ、有効なデータではないため、切り捨てて分析を進める、もしくは判断の対象にさえすることはありません。ただし、そのために、インタビュー調査などがあり、1対1の関係を作りより深い考察へと向かうわけです。

ただ、そこにも若干の語弊を生みかねない。例えば、ECサイトを運営している企業が会員アンケートを実施し、該当商品Aを購入したユーザーが全体の30%、該当商品Bを購入したユーザーが全体の0.0003%だったとしよう。Bを購入した人を見つけるのは、データベースで検索をすれば、いかようにも可能だが、押し並べて、グラフ化したときに、もはや、分析対象にあたるデータではないし、なにかができるわけでもないい。それを、ここでは統計的に存在しないレベルの人達と呼んでいる。

データサイエンティストに求められる視点

私も過去にデータ分析者側の企業にいたことがあるのでわかるのだが、統計的に少なすぎる意見や少数意見は、ある程度の規模(10億以上の売上がある)の場合は、大多数に絞りビジネスを展開する必要がある。マツモトキヨシでは、化粧品や洗顔、女性美容の商品を展開するべきであり、私のようにマッチョになりたい人向けのプロテイン売り場を拡充する必要はないのである。というか、それには空間、敷地面積の限りがあるので、仕方ないのである。

ただ、そこに、データサイエンティストの市場価値がある。彼らは、ウェブシステムの中での統計的プロフェッショナルであり、そこで、次なるビジネスのチャンスを生み出すことが至上命題である。すると、この少数派にあたる『集団』ではなく、『個々人』として接することができるのである。要は、お客様主義ではないが、それぞれのお客様に対して、1対1の関係性でもって、企業活動ができるのである。さて、その視点に立ったときに、データ分析者として、ウェブ技術の発展の以前から、統計的データに体当たりし、夜な夜な、遅くまで企業運営上の課題を発見してきた人たちは、事業に貢献しうるのだろうか。

答えとしては『貢献しうる』

個々人、1対1の関係になったときに、その人の事をいかに理解し、企業活動とどう結びつけるのか。ここにおける示唆に限っては、おそらくしばらく、この分析者にとってかわる人は少ないように思う。彼らは、まずこの統計的に存在しないレベルだった人たちを、別の視点でみたときに、どういった人たちなのかを分類することができる。どういうことかというと、たとえば、さきほどの商品Bを購入するような人だったとする、まぁもしくは、『法人ではなく、個人で海外ヨーロッパを中心に、日本国内ではまだ規制の対象となりうる医薬品を、自分利用で輸入している人』というのが、商品Bを買った人とする。(ちなみに医薬品だった場合は違法である)
仮に、この人は日本の製薬会社からすると、おおよそターゲットにする必要がない。風邪薬を買う、目薬を買う人たちを対象にしているならなおのこと、ターゲットにする必要がない。ただし、この人と1対1の関係を作ったときに、この人の消費者行動パターンはどこに分類できるのかという見る角度が、多様なのである。彼の消費パターンは、目的買いをしている、であったり、人生のおける価値観は悔いを残さない生き方をしているなど、いろいろなモノの尺度を持っているわけである。この点については、システムが吐き出す、CSVによるデータ分析のみの経験者だった場合は、到底、太刀打ちできないだろう。

見る角度が多様にあることで、一見少数派に見えていた対象者が、多数派に変わり、その視点での企業活動によって新たなニーズを生み出す可能性を秘めているのである。

さて、御社(あなたは)は統計的存在しないほどの少数に対して、1対1の関係を築いた上での企業活動をどこまで価値あるものにできるだろうか。その際、データサイエンティストとデータ分析者は、必ずと言っていいほど、対になる関係であるはずである。

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プロフィール

大川哲志

大川哲志

1983年生まれ。滋賀県出身。日本全国の企業のweb事業部を担うwebteamを創業。
サイトやアプリのコーディング、プログラミング、ディレクションなどを行いながら、新サービスの立ち上げやマーケティングリサーチを行う。

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