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» 2012年12月25日 更新

リード研究所 blog OracleのEloqua買収は、クラウドアプリケーションに垂直統合をもたらすのか?

2012年12月20日、米 Oracle がマーケティングオートメーション(MA)ツールの代表的ベンダ Eloqua を$871 millionで買収すると発表しました。MA業界を揺るがすニュースが、年末ギリギリに滑りこんで来ましたね。

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Oracle のニュースリリースによると、今回の買収目的は「企業がマーケティング、セールス、サポート&サービスを顧客に提供するための、包括的な Customer Experience Cloud を形成するもの」と位置づけられています。

Oracle のExecutive VP、Thomas Kurian氏は" Eloqua のマーケティングオートメーションはOracle Marketing Cloudの中心部に位置づけられ、Oracle Customer Experience(Oracle Sales Cloud、Oracle Commerce Cloud、Oracle Service Cloud、Oracle Content Cloud、Oracle Social Cloudを含む)への重要な機能追加となる"と語っています。

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この Oracle Customer Experience Cloud 概念図を見ると、Sales Cloud/Service Cloud などのクラウドアプリケーション群を展開する salesforce.com(SFDC)を思い出しますよね。SFDCも2012年9月に「Salesforce Marketing Cloud」を発表していますが、こちらは Buddy Media と Radian6 の機能を統合したソーシャルマーケティングプラットフォームであり、Eloqua と比較可能なサービスは提供していません。

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この買収は、市場にどのような影響を与えるでしょうか? 米Demand Gen Reportは、以下の見解(Our Take On Oracle's $871 Million Eloqua Acquisition)を示しています。

  1. 他のCRMベンダ(Microsoft、SAP、Salesforce.com)は、Oracle customer experience suite に対抗するため、成熟したMAソリューションの獲得を迫られるだろう。
  2. 特にSFDCは、自ら戦略的買収で対抗せざるを得ないだろう
  3. 他のMAツールベンダは、Oracle-Eloqua 連合に対してリポジショニングを図るだろう。自由度の高い"best-of-breed"ソリューションや使いやすさを強調したり、CRMベンダによる買収を狙うものも出るだろう
SFDCは自社のマーケットプレイス AppExchange を通じて、Eloqua・Marketo など複数ベンダのMA連携ツールを提供しています。現在のパートナーエコシステム路線を継続するのか、あるいはOracleの垂直統合型クラウドに対抗してMAベンダの買収に向かうのか。2013年、マーケティング・クラウドの雲行きが注目されます。

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p.s. ちなみに Eloqua のJoe Payne CEOは、自身によるブログエントリーで" Oracle はEloqua 製品への投資を加速する計画を立てているほか、ビッグデータやBIなどに関する Oracle の技術資産を Eloqua 製品に組み込むことで、顧客により良い価値を提供する予定"と述べています。最近の Oracle 製品ではハードウェアとソフトウェアを統合した「データベースマシン」(Exadata)が好調ですが、ひょっとしたらそのうち「マーケティングマシン」みたいなアプライアンス製品が登場するかもしれませんね。

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プロフィール

小柴豊

小柴豊

調査会社を振り出しに、出版社、ソフトウェアベンダを経て、2000年に@IT参加。現在はアイティメディアでリサーチやリードジェネレーションのサービス企画などを担当。

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