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» 2014年12月 5日 更新

ウィルゲート吉岡の「コンテンツマーケティング情報局」 【事例公開】サイトリニューアルに使えるユーザーテストをやってみた結果

長くお客さんとお付き合いをさせていただいていると、新しいサイトの制作やリニューアルのニーズが出てきます。

 

もちろん弊社でもサイトリニューアルのお手伝いをさせていただくこともあるのですが、
「どうリニューアルするのか」の部分で、マーケティング視点だったり、ユーザー視点だったりを持つことがものすごく重要です。

 

例えば
ターゲットは明確化されているのか?
そのターゲットに効果的に訴求するためにどんなコンテンツがなくてはならないのか?
ターゲットをサイトに集客するための経路は想定できているか?その経路に適したサイト構成になっているか?
etc.

 

考えるべきことはたくさんあるのですが、ついデザインや管理・更新システムの使いやすさにばかり目がいってしまうのが多いパターンです。
そしてそのままサイトをリニューアルしてしまうと、
その後のサイトの成果の部分で苦戦することが多いです。

 

注意して欲しいのが、ほとんどの制作会社はデザインやシステム構築の専門家であって、マーケティングの専門家ではないということです。リニューアルした後の集客や売上の確保は自分たちで考えるか、別の専門家の視点を入れる必要があります。

 

ただ、いくら専門家が分析をして、Webプロモーション戦略を立ててリニューアルに生かしても、
本当にユーザーの視点になってサイトの問題や変えるべき部分を抽出するのは困難です。

 

そこでおすすめしたいのが実際にサイトをユーザーに使ってもらうユーザーテストです。

 

ユーザーテストとは?

 

製品やWebサイトの使いやすさ(ユーザビリティ)を、実際にユーザに使ってもらうことで確認するテスト。ユーザが製品・サイトを使う時に実際に行った行動や感想から、ユーザビリティの改善を行う目的で実施される。 出典:IT用語辞典

 

実は、サイトの改善すべき点を最もよく知っているのは、運営者でも専門家でもなくユーザーです。
しかもこのユーザーテストはリニューアル前に行うことで、ユーザー視点に立ったサイトを作る大きな手助けをしてくれます。
サービスやサイトが完成してから行うイメージがあるかもしれませんが、使い方はそれだけではないのです。

 

というわけで今回は、ユーザーテストをサイトリニューアル前に行った弊社サイトのテスト結果とテスト結果をどのようにリニューアルに生かしたかをご紹介します。

 

この記事は、「【事例公開】ユーザビリティテストを自社サイトに実施した結果とそこから学んだこと」を加筆修正したものです。

 

調査の概要

 

《調査対象サイト》

こえきく-koekiku-│サイトのユーザビリティを高めるアンケートサービス
https://koekiku.com/
24こえきく-koekikuサイトキャプチャ.JPG

※サイトリニューアルを行ったため、飛び先のサイトデザインは変わっています。

 

《目的》

サイトリニューアル前に、ユーザー目線でサイトの良い点、悪い点を調査し、
新しいサイトに活かすこと

 

《サンプル数》

1名
※今回はテスト的に実施したため、1名で行いました。

 

《調査時の状況》

 

縦に長く、1ページしかないサイトであったため、アクセス解析が難しかった。
コンバージョン率が低く、最後まで見ているユーザーはかなり少ない状況だった。

 

《調査内容》

 

23テスト内容.JPG

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ユーザーテストの結果

 

サイト全体について

 

17サイト全体へのユーザーからのフィードバック.JPG

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ユーザビリティを謳っている割にお金をかけていないように見受けられるサイトはネガティヴ印象

 

確かにサービスを作ってからサイトリリースまでの期間が短く、社内で制作したためお金も時間もかかっているとは言いにくいサイトです。サイトに動きをつけたりという「お金がかかっている感」のある凝ったデザインもしていませんでした。

 

ここはサービスとして注力すべき部分だと判断し、サイトリニューアルの際には全面的にデザインを再検討しました。

 

情報が煩雑だったり突然コンテンツが切り替わるように感じられるので、上部にナビゲーターを置くか、内容ごとにページを区切って欲しい

 

内容の流れを重視するあまり、それぞれのコンテンツに対して適切な区切りや見出しを付けられていなかったことが、このような印象を与えてしまっている原因です。
リニューアルの際には1つのコンテンツの区切りがわかりやすいデザインへ変更します。

 

●サイト全体への修正点

・ユーザビリティ改善サービスに見合った、ユーザビリティの高いサイトへ修正

・ナビゲーションの挿入

・コンテンツを適切に区切り、タイトルを付ける

 

 

サービス内容について

 

18サービス内容についてのユーザビリティテスト結果.JPG画像を拡大する

 

ユーザーに話を聞く「定性分析」が理にかなっていてポジティヴ印象

 

サービス内容として納得感があるという言葉をいただけたのは純粋に嬉しいことです。

サービスとして価値はありますがまだ一般的にあまり認知されていないので、効果的な伝え方を模索していく必要があると思います。

 

サイトレイアウトについて


19サイトレイアウトとデザイン_ユーザビリティ調査結果.JPG

画像を拡大する

 

上から下に流れるコンテンツの中で、横方向に視線を動かさないといけない部分があると内容が頭に入りにくく感じる

 

一般的なユーザーの目線の動きを考えると、必ずしも横にコンテンツを並べることで見にくくなるとは言えません。
しかしながら、コンテンツの区切りも分かりにくい中で視線の動きが分散してしまうのはユーザビリティの観点からあまりよくなさそうです。

 

●サイトレイアウトの修正点
・横並びのコンテンツを多用せず、使う場合には視線を誘導しやすいレイアウトにする

   

価格表の見せ方について

 

20価格表の表現についてのユーザビリティ調査結果.JPG画像を拡大する

 

ブランドオプションが並列されているために違いが分かりにくい

 

これは自分たちでは気付けませんでしたが、言われてみると確かに分かりにくいと感じる部分でした。
商品を比較検討しているユーザーにとって価格は重要な情報です。

 

サービスも一般的なものではなく少し複雑で分かりにくいので、プランとオプションの違いもわかるように価格表も工夫する必要があると感じました。

 

●価格表の見せ方の改善点

・プランの内容と価格を合わせて記載する

・オプションはプラス料金になることを明示する

 

 

サイト下部の会社概要について

 

21サイト下部会社概要についてのユーザビリティ調査結果.JPG

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会社紹介部分が画像情報になっている点がユーザビリティを無視している印象でネガティヴ印象

 

今回のテストユーザーさんは運営会社の情報を調べる際に、「会社名をコピーし、検索エンジンの窓にペーストして検索」という行動をとろうとしました。その時に会社名が画像になっており、悪い印象を受けていました。

 

会社情報が画像になっているのは、私たちが持っているサイトの別ドメインなどでも同じ会社情報を使っており、重複コンテンツになってしまうためでした。確かにその理由はユーザーを第一に考えたものではありません。

 

画像情報はユーザビリティを損なう可能性があるため、会社概要へのリンクをサイト内に設置するように変更しました。

 

実績に関する情報が掲載されていないと信頼性が低く、ネガティヴ印象

 

会社概要に取引社数が記載されているにも関わらず事例情報がどこにあるのかわからないという点でネガティヴな印象を与えていました。

 

本サービス自体は新しいサービスで事例がほとんどないのですが、サイト分析&ユーザビリティ改善による成果向上事例などはあるため、リニューアル後のサイトにはそういったコンテンツを順次公開していくことになりました。

 

●サイト下部の会社概要について

・会社概要は別リンクを用意し、そこからコーポレートサイトに行ける仕様に変更する

・事例コンテンツを作成しサイトに掲載する

 

エントリーフォームについて

 

22エントリーについてのユーザビリティ調査結果.JPG画像を拡大する

 

登録した個人情報がどのように使用されるのか気になる

 

個人情報の取り扱いについてはフォーム内に記載しているものの、パッと見て分かりにくいため上記のような印象を与えているようです。

 

個人情報の取り扱い文言をさらに強調するのは現実的ではないため、確認ボタンの近くにPマークとSSL(通信を暗号化する技術)が適用されていることを示すマークを配置し、安全であることをわかりやすく示すよう変更しました。

 

●エントリーフォームの改善点

・ぱっと見で安心感を与えるために、ボタン近くにPマーク・SSLマークを設置する

 

まとめ:ユーザビリティテストから学んだこと

 

  • 自分たちが見落としていた「明らかにわかりにくい点」が見つかる
  • サイトの問題とユーザーにとっての重要度がわかる
  • リニューアルやサイト改修の根拠となる情報として使える

 

今回は自社サービスである「こえきく-koekiku-」で提供しているユーザビリティテストを自社サイトにテスト導入してみました。実際には上記のようなレポートのほか、実際に画面を作業している画面と音声が見れる動画もあります。

 

ユーザビリティテストではユーザー行動が見えるため、「どのように」分かりにくいかが明確で改善案も考えやすいです。
また映像があることによって、サイト内のある部分が分かりにくいことがユーザーにとってどの程度重要なのかを感じ取ることができました

 

今回はテストとして1名のみで実施したため、ユーザーの好みによる部分などもあり全てを鵜呑みにできるわけではありませんでしたが、全体的に納得感があるテスト結果でした。

 

実際のユーザーの声を聞くことで、サイトに不足しているコンテンツも見えてきますし、どの部分が分かりにくい、伝わりにくいのかも理解できます。
その中には自分たちで気付けないことも多いのです。

 

ユーザビリティテストのイメージはつきましたでしょうか?
サイト内部の改善を考えている方も、リニューアルを考えている方も、サイトのどこが「どのように」良くないのかを知るために、ぜひユーザビリティテストを試してみてください。

 

この記事は、「【事例公開】ユーザビリティテストを自社サイトに実施した結果とそこから学んだこと」を加筆修正したものです。

 

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プロフィール

吉岡諒

吉岡諒

慶應義塾大学在学中の2006年6月に株式会社ウィルゲートを設立。現在9期目を迎え、専務取締役として約110名の規模に拡大させる一方で、1400社のコンサルティング実績をもつWebソリューション事業部の最高責任者も務めています。

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