技術系の多くの企業には「中央研究所」という組織がある。先端技術の研究を行い、その成果を社外に論文や講演といった形でPRする専門組織である。
企業の競争力の源泉とも言える研究成果を 社外に開示するという活動は、営利企業の経営という観点から考えると、やや不可思議に映るかもしれない。
しかし、そうした「研究」を開示する活動は、マーケティングという意味で非常に重要な意味合いを持っている。
企業における「中央研究所」の役割は、大きく分けて2つある。
1つ目は、先端技術の開発を行うことで、他社優位性のある製品に結びつけることである。
そして2つ目は、そうした「先端技術を保有している」ことをPRすることで、企業そのものの他社優位性を強調することである。
そして、技術そのものが飽和しつつある現代において、この、中央研究所の持つ2つ目の役割が重要になりつつある。
すなわち、開発される個々の技術自体ではなく、中央研究所が先端技術を保有しているということ、 また、そうした技術開発を行う人材を抱えているということそのものが、 企業イメージを大きく左右しうるということである。
次回エントリーでは、人材採用現場においての中央研究所のPRのもつ役割について外観する。