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» 2013年1月 5日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 対話で情報を拡散する「インフルエンサーマーケティング」という仕組み

ソーシャルメディアが企業でも認知度を増すにつれて、それをどのように活用すべきかで悩んでいるところも多いように感じます。

受験シーズンということで、私の母校広島大学のリアルタイム検索を見てみると。

このように、広島大学というキーワードでいかに多くの事が語られているかわかると思います。
さて、あなたが広島大学のソーシャルメディア運用者だとしたら、だれとコミュニケーションしますか?

それが今回お話する「インフルエンサーマーケティング」なのです。

企業と消費者はどうしても1対多となりますから、一人一人に完全にコミットした形のコミュニケーションは難しく、だから1か0、つまりやるかやらないかのどちらかに流れてしまいがちです。
しかし、1対多であっても、そう思わせず、かつ、より情報を拡散出来る方法があります。

それがツイッターやフェイスブックでフォロワーやいいね!の数が多い人、言い換えれば影響力のある人を見つけ出し、コンタクトし、オープンにコミュニケーションをとるという方法です。クラウト指数といった影響力を数値化する指標を通じて、影響力のある人を特定し、その人の発言に対しリプライする、サプライズなサービスを提供するといった方法があります。

有名な話では、アメリカのステーキチェーンが、ある人のつぶやき「ステーキが食べたいな~」というのを見つけ、飛行機から降りた彼に自社の商品を持っていったというものがあります。これはアメリカで大きな話題になりましたが、話題になったのは実は彼が数万人のフォロワーを持つ影響力の大きな人だった事がきっかけだったのは明らかです。

さらに、昨年アメリカにセンセーションを巻き起こしたPSYのカンナムスタイルですが、これもツイッターやフェイスブックで影響力の大きな人に見出されシェアされた事がヒットのきっかけにもなりました。マスコミはあくまでそのヒットを追いかけただけなのです。

このようなインフルエンサーに話題にしてもらうということを「インフルエンサーマーケティング」と呼ぶとします。そのインフルエンサーマーケティングのポイントは次の3つになります。

1.リスニングする

ソーシャルメディアで行われている会話を徹底的にリスニングします(傾聴する)とも呼びます。 そして、自社の関連のキーワードに言及している人を見つけたら、その人の影響力(具体的にはフォロワーの数やその分野での発言の有無など)を計測し、また話題の重要度などを勘案した上で、会話を行うかどうかを判断します。これはリスニング・モニタリングの専門サービスを利用するという方法もあります。


2.対話する

共通の話題が無いのにこちらが一方的にコンタクトをとってもインフルエンサーは反応してくれることは無いでしょう。あくまで、彼らが話している会話に自然に入り込むことができるか否か、そこがコンタクトを取る、取らないの判断基準となります。
さらに言うと、お金をちらつかせて言及してもらうという事はステルスマーケティング(ステマ)と見られて結局はあとでバレて大ごとになるのがオチですから、決してやってはいけません。ただ正式にスポンサーとして「これは広告です」と言って情報を提供することはビジネスとしては十分価値のある方法だと思います。コンタクトを取ったら会話を開始します。 やはり相手は1対1で対等に会話出来るという事が嬉しいものです。積極的に会話に入り込み、1対1の会話を展開していきます。しかもそれはオープンの場で行わなければなりません。ープンの場で行うことで、その影響力を持つ人が影響する範囲にもコミュニケーションを同時にとっていることになります。 これが1対多と感じさせないという意味です。

3.コントロールはできないと心得る

ソーシャルメディアは生き物のように自由意思で動いていきます。どんな反応が帰ってくるか、それはコントロールしようがありません。 会話をはじめたインフルエンサーからネガティブな返事が帰ってくるかもしれません。しかもオープンな場で。その時どのように対応するか。 それを乗り越えることができれば、真のファンがあなたのもとへくる事でしょう。 ソーシャルメディアはコントロールできない(つまりは無理やり消したり、無視したりはできないということ)という点は特に注意すべき点です。


以上のように、影響力のある人を探し、コンタクトして対話をし、そのネットワークに自社の情報を拡散するという事はこれからとても重要になってきます。ただ、すべての対話がこの影響力を基準にするというのではいけません。 影響力の少ない人でも話す価値のある人がいれば積極的に対話をしていく姿勢が必要ですし、影響力のある人だけに対話をするという事が明確に判断出来るような方法であれば、「この企業はフォロワー数で判断する」というネガティブなイメージが広がるかもしれません。 そのあたりのバランス感覚は必要です。

この影響力を持つ人と対話するというのは、あくまでその人が自社に興味のある場合に限られます。 そのことは忘れないで運用して行けば、自社のブランディングにとって大きな助けとなるはずです。

さて、最初に出てきた広島大学のリアルタイム検索ですが、
以上の事から考えると、まずは影響力の大きな人を探し、その人が「広島大学に入学したい」という発言をしていたとします。
そこへ、「広島大学です!入学する方法はこちらに詳しく掲載していますのでぜひご覧ください URLは http://aaaa.com」という感じで対話を開始します。
そうすると、その彼は「広島大学から直接連絡がキター」といって喜ぶかもしれません。
それが、彼のフォロワーにも伝わり、広島大学の面倒見の良さといった点がポジティブなイメージとして浸透することに貢献出来るかもしれません。

これは、実はソーシャルメディアで影響力を持つ事で、様々な仕事がやってくるという側面もあります。
次回は影響力を持つことで、世界がどう変わるか。逆の視点からも書いてみようと思います。

では、また!

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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