ニュース
» 2013年1月13日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング ブランドは誰のもの?ソーシャルメディア時代のブランディングとは。

20101007_1850657


少し前の話になりますが、SPA業態(製造小売)のGAPが自社の新しいロゴマーク(写真右)を発表して1週間で取り下げたということがありました。
画像の左側は、日本でも「あ~、あのブランドね」と気づく人が多いのではないでしょうか。それほどまでに消費者に浸透していたブランドと言えます。
そんな大企業がなぜ新しいロゴマークを取り下げたのか。

真実の瞬間

ブランドは対話によって形作られると言います。確かに広告によるコミュニケーション、対面によるコミュニケーション、店舗、什器それら全てが消費者とのタッチポイントであり、ブランドに触れる瞬間であると言えます。
スカンジナビア航空の社長は、従業員一人一人がお客様に接するたった15秒、この瞬間がブランドを形作るとして「The Moment of Truth, 真実の瞬間」と呼び、自著のタイトルにもなりました。

この真実の瞬間は、以前であればサービスを受ける限られた場で行われるために、ある程度コントロールも可能であったと思います。しかしソーシャルメディアが発達した今、従業員が顧客(潜在的な顧客も含む)に触れる瞬間というのは大きく広がってきています。従業員がプライベートでフェイスブックを使ったとしてもそのプロフィールには会社名が書いてあり、その会社の従業員として認識されるでしょう。 その一言一言がまさにその会社のブランドを作っていると言えるのです。

ブランドは企業自身が意図的に作り上げるものではなく、この一つ一つの対話の積み重ねということを認識しなければなりません。

しかも、その対話は24時間、365日、インターネットの世界でも行われているのです。

なぜGAPは1週間で新ロゴを取り下げたのか

それはロゴの変更が唐突に行われたからにほかなりません。それまで、そのロゴを媒介として様々な真実の瞬間があったのです。従業員と買い物客との触れ合い、雑誌の広告を読む読者、そう言った一つ一つの接点が積み上がってロゴに「意味」が加えられたと言えます。その意味は当然一人一人にとって違いますし、それぞれが「自分の」イメージを持っているということです。

つまり、ロゴはもはや会社のものではなく、一人一人に独自に変化した消費者一人一人のものになったということなのです。

その「自分の」ロゴが急に変わった。

これは反対をするに足りる理由ではないでしょうか。


ブランドは消費者のもの

以上見てきたように、ブランドはソーシャルメディアでの従業員の個人的な活動も含めて、一つ一つの「真実の瞬間」の積み重ねということが理解できたのではないでしょうか。
さて、新しいブランドを作るには。 もうあなたは明日からブランディングをはじめらるはずです。
一人一人がブランド、そしてそのブランドは自社のものではなく、受け取る側のもの。

その認識が真のブランドを形成するのには不可欠なのです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

「マーケター通信」購読一覧