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» 2012年10月10日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 韓国発、政府機関「国務総理室」が見せる政府広報の未来

 韓国の行政の最高機関である国務総理室、その広報部門が仕掛けるFacebookマーケティングをご紹介したいと思います。

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国務総理室Facebookページカバー写真部分

 日本の首相官邸でもTwitterやブログを活用していますが、国務総理室では一歩進んで、FacebookやYoutubeも活用した積極的な広報活動が行われています。

 その中でも2012年8月6日現在229万193名の「いいね!」を獲得している国務総理室facebookページの運用の仕方をちょっと覗いてみましょう。

1.鉛筆で書くFacebook


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鉛筆で書くFacebook

 これは毎週総理大臣が専用の便箋にしたためた手書きの文書をFacebookに公開するコーナーです。

 Facebookはフロー型のメディアと呼ばれ、記事はどんどん過去へと流れていきます。その中で長い文章はなかなか読まれないという面があります。

 しかし、このように、実際に手描きで書いた文章を画像としてアップロードすると、総理大臣の「思い」がストレートに伝わり、読んでみようと思うきっかけにもなるのではないでしょうか。テキストに書きおこしたものも添付していますので、スマートフォンなどでも読みやすい形態になっています。

 これはカリスマ性のある社長さんがおられる企業の広報担当の方に提案したい方法です。社長の思いを手書きで書いてもらうことで、その企業が持つ価値観がダイレクトに伝わる良い方法だからです。

2.總聰ニュース

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動画ニュース部分

 行政の活動内容を動画で発信するということには大きなメリットがあります。それはマスコミが報道をするときには編集をされますが、自身のメディアで伝えればコントロールが可能になるという点です。伝えたいことをダイレクトに国民に伝えられるというのは非常に大きな利点です。実際にアメリカの事例では、「プレスリリース」がブログやソーシャルメディアでの発信に置き換えられているケースも多くみられるようになってきました。

 もう1つ、この動画ニュースは必ず金曜日の夕方に配信されます。仕事終りの週末の退社前の時間を狙った効果的な方法です。ソーシャルメディアでは、視聴時間帯も重要な意味を持ちます。自社の届けたい人がいつそのメディアを見ているのかを考えた配信スケジュールも重要です。

3.ニュースキャスターの個人ページ

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イ・スンア氏個人ページ

 ソーシャルメディアだからこそできる興味深い点が、この總聰ニュースのキャスターであるイ・スンアさんの個人facebookアカウントが国務総理室への送客の大きな部分を担っているということです。

 彼女のページでは国務総理室の広報活動に関する記事の他にも彼女のプライベートの記事も投稿されており、それがまた総理室への親近感にもつながっています。個人ページが1つのメディアとして力を持つ時代、従業員や社長の個人のソーシャルメディアでの活動も外からは「企業の活動」とみられるということも意味します。

 国務総理室では個人ページが功を奏していますが、ソーシャルメディアは実は企業としての活動か個人としての活動かは曖昧になりがちです。このあたりはリスクも伴いますので、社員教育などリスク対策も重要になってくるでしょう。

 以上、韓国の国務総理室のFacebookの活用の方法を見てきました。思いの伝え方、動画の効果的な使い方、スタッフの個としての発信力と非常に考えられた運用の仕方であると感じます。

 行政や政治家はもちろん、企業のFacebook運営にも大きな示唆を与える活用の方法ではないでしょうか。

 本コラムでは、海外の事例などもご紹介しながら、ソーシャルメディアを活用したマーケティングについてお伝えしていきます。次回もご期待ください!

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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