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» 2013年6月13日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 統一球問題で学ぶソーシャルメディア時代のリスク管理4つのポイント

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プロ野球で使用されている統一球が今シーズンから公表されないまま変更されていた問題で、昨日から大騒ぎである。
事務局長が前日「加藤コミッショナーに相談した」という発言を撤回するなど、ドタバタの喜劇のような会見が繰り広げられた。
なぜこのような事が起こるのか。 ソーシャルメディアという観点から見てみよう。

1.嘘はつき通せない

携帯端末の発達によって、今、画像・文章・動画などがどこからでも瞬時に送れる時代だ。
すべての国民がジャーナリストと言っても過言ではないだろう。
その中にあって、企業の末端まで、完璧に情報統制が出来るという事事態がそもそも認識不足である。
携帯電話世代ではない事務局・コミッショナーが「隠し通せる」とたかを括っていたという側面もあるのかもしれないが、まずは隠し事は出来ないという姿勢で臨む事が、リスク管理の第一歩である。

2.マイナス情報を公表する事はマイナスではない

批判を恐れてマイナス情報を公表しない判断をするということもありがちな行動である。
リスク管理において、組織は「やってはいけない順にやってしまう」と言われているが、まさにこれがそのやってはいけない事の最たるものだ。 マイナスの情報はきちんと公表し、それに対して対策をすること。

具体的な事例はchange.orgで行われたフカヒレスープの不買運動に関する無印良品の対応だろう。

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6万人を集めた、フカヒレスープ販売の中止について、以下のような反論を行なっている

製造過程から、原料となるサメの自然環境における状況まで詳細なデータを提示し、冷静な判断を訴えたこのリリースによって、「なんとなく悪そう」と感じていた多くの人が冷静に判断する材料を得たと思うし、逆にここまでの詳細のデータを提示した企業側の姿勢に対する好意的な反応も得られている。

『ふかひれスープ』販売中止運動に対する無印良品の毅然とした反論が素晴らしい




3.素早い対応

炎上は、次のように時系列にだんだんと大きくなる。

Twitter・facebookで言及
2chやまとめサイトの出現
ネットニュースへの掲載
大手新聞社・通信社のネット版に掲載
テレビ局が動く

明らかに自分に非があるような場合は、まずは最初が肝心であるという事は間違いない。今回事務局長が前日に「コミッショナーと相談した上で変更した」という事を伝えた事で、今回の否定会見がさらに不利な状況にもなっている。 

事実が明らかになった段階で、コミッショナーから「知らない所で仕様の変更があり、担当した職員には厳正な処分を下す」というリリースが出せればこのような騒ぎにはならなかったのかもしれない。 

事実が明らかにならなければ発表出来ないというわけではなく、初期段階では事実確認をしている旨のリリース、その後事実確認のリリース、対処のリリース、 今後の取り組みに関するリリースと、知りたい情報を知りたいタイミングで出す事が出来るかどうか。そこが一番のポイントといえるだろう。


4.リスニングの重要性

ツイッターやフェイスブックなどの膨大なデータの中から特定のトピックに対する、ネガティブ・ポジティブな反応がどれくらいあるかを継続的に調査していくことで、ある程度、世論の動きを事前に察する事が出来る。 リスニング、または傾聴と呼ばれるこのソーシャルメディアの声を聞く事は、企業のリスク管理においてとても大きな効果を発揮するのは間違いない。

今は、色々な傾聴ツールもあるので、特に消費者に近い企業は早急に導入を検討した方が良いだろう。

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米DELLでは顧客の意向を無視した施策によりそっぽを向かれた反省から、ソーシャルリスニングセンターを設置し、顧客の声に常に耳を傾けている。 この結果、何を求めているのかを素早く判断し、経営に活かす事も可能になった。


まとめ

ソーシャルメディア時代のリスクマネジメントは、まず前提として、嘘は付けない・隠せないという所から始まる必要がある。そこで、どのように自分の言い分を伝えていき、それを広げて行けるか。 ネガティブな情報をマネジメントする力が付けば、同時にポジティブな情報をどのように広めるかも分かる。  今後も様々な企業で問題が頻発するのは間違い無いが、その対処方法で企業イメージが大きく変わる事だけは間違いない。








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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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