ニュース
» 2013年6月28日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング ニュースサイト業界の産業(三行)革命~マイクロコンテンツ~


ざっくり言うと。
1.スマートフォンの普及に合わせて要約文を掲載する事例が増えている
2.要約文はリード文とはちがい記事全体を見渡すためのもの。要約文のようなマイクロコンテンツにより情報処理能力が向上
3.恣意的な解釈が入る余地の無い要約が出来るかどうか。疑問も残る


スマートフォンの普及に合わせて、ニュース記事を要約した文を先に見せるという事例が多くなってきた。
Livedoorニュースがスマホ向けに提供している「ざっくり言うと」という機能が有名だが、ヤフーニュースでも試行されたり、英フィナンシャル・タイムズがFastFTという短文ニュースのサイトを始めるなど、ニュースサイトで要約文を提供する動きが慌ただしい。さらに自動要約ツールも研究されており目が離せない。

ブログなども含め、インターネット上の文章にはタイトルが重要だと言われて久しいが、飛ばし記事などの事例もあったり、センセーションを追いすぎて、タイトルだけでその人にとってのニュース価値を判断するには不十分になってきているのかもしれない。だ、スマートフォンでニュース全文を読むにはちょっと長すぎる。 だからこそ、タイトルと本文の間の要約文の提供が増えてきているのではないだろうか。

ただ、ニュース記事にはもともとリード文があり、その記事の要約を冒頭に載せるのが慣例であるが、これと要約文というのはどのように違うのだろうか。



例えばカープがジャイアンツに勝利したこのニュースであればリード文は次の部分だ

" 巨人のお株を奪う一発攻勢で、3位再浮上じゃ。広島がブラッド・エルドレッド内野手(32)の同点弾、会沢翼捕手(25)の勝ち越し弾で鮮やかな逆転勝利。巨人戦の連敗を5で止めた。先発のバリントンも7回2失点と踏ん張り、4月10日以来の3勝目。負ければ自力優勝が消滅する一戦で、野村鯉が投打に意地をみせた。"

ただ、ここには、エルドレッド内野手と会沢捕手の2人がホームランを打ち、バリントン投手が勝利を上げたという事実のみが記載されている。
これを記事の要約文と比べてみよう

1.バリントン投手に久々の勝利。負ければ自力優勝が消滅する一線でカープが意地を見せた
2.外国人枠の競争が激化しているエルドレッドの一発、開幕一軍を逃した悔しさをバネにした会沢捕手の一発が勝負を決める
3.2人の活躍に喜ぶ野村監督。宿敵に一矢報い甲子園での虎退治に臨む


このようにリード文は、ニュースの核心部分を伝えるのを目的とする文章。一方の要約文は、記事の全体像がわかるようにするのが目的である。だからこそ、要約文にはリード文にはない文章全体の流れが見えるような作りになっている。図解すると次の通り。

zakkuri.gif



短い文で表現するというのはツイッターが有名だが、LINEなどのメッセージングツールも含めてスマートフォンに置いて長い文章に触れるという事は少ない。これらマイクロコンテンツを隙間時間に消費するスタイルが今の時代の姿だ。

短文であるからこそ、数秒で読み終わり、それに対し反応すべきかどうかも判断しやすい。そこでコミュニケーションが活発化するという面は見逃せないだろう。さらに短い文章だからこそ多くの人に伝わりやすいというのも見逃せないポイント。このように、マイクロコンテンツにいよって、人々の情報処理能力は格段に向上する事は間違いなさそうだ。

では、要約文は万能かというとそうではない。
やはり人間が文章を読んで、その主旨を理解し、要約の作業をすると言うことは、その人の要約する能力によって、文章は変わってくるし、それによって重要な問題を見逃してしまうかもしれない。そのような危険性を理解した上で、要約文というものを消費すべきではないだろうか。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

「マーケター通信」購読一覧