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» 2013年7月 4日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング Youtube登録者50万人超。日本人制作の料理番組が見せるグローバル化の本質とは?

Cooking with Dog というYoutubeチャンネルが人気だ。 犬の声を担当しているプロデューサーさんが語るこの番組を作るようになった経緯は以下の動画をご覧いただきたい。 
海外の人に日本食を作る動画を作れば人気が出ると思い作るようになったとの事。

主演は通称シェフさん。普通の奥さんである。 プロデューサー氏はこの番組をユニークなショーにするために、犬がナビゲートするという形の料理番組を作った。

   

 さて、聞いてもらったらわかる通り、プロデューサーさんの英語の発音はいわゆるジャパニーズ・イングリッシュ。日本語の影響を受けた発音だ。しかし、この料理番組において、この事は問題だろうか。 

意味を取り違えるといった事になってはダメだが、文脈である程度理解出来るというのもあるので、彼の英語は十分理解出来るし、英語ネイティブじゃない人も多い世界でそのことはほとんど問題になっていないように見える。これでいいのだ。


 実際にYoutubeチャンネルの登録は50万人を超え、一つの動画も5万を超える視聴者を得ているのがその証左と言えるだろう。 コンテンツのコンセプトも秀逸だ。 まず出演者に日本人の一般的な家庭の主婦に出演をしてもらっている所。 本当に家庭で作っている当たり前の料理が新鮮味を持って歓迎されているという事である。 

 日本人が「グローバル化」という場合、多くの場合で「欧米化」を目指す事が多い。ハロウィンパーティー、クリスマス・パーティー、サンクス・ギビング・デー・・・英会話スクールなどで、よく開かれているイベントだ。  

 このようなイベントを開くというのは「英語=アメリカ文化・イギリス文化」という意識になっているのではないだろうか。 グローバル化とは、決して日本人がキリスト教文化やヨーロッパ土俗の文化を継承する事ではないはずだ。 むしろ、日本の文化を英語というツールを通じて発信していく事こそが英語を学ぶ目的の一つなのではないだろうか。 

日本語は極端に音の少ない言語だ。だから英語も含めてたいていの外国語は日本語には無い音があり、それが意味を分ける発音となっているため習得が難しい。LとRの問題などは有名な話だが、英語のAの発音も単語によって大きく違いそれを区別して話す事に慣れていない事で発音を正確に聞き取ってもらえないという事にもつながる。 

標準的な発音をマスターするというのは不必要なことではなく、出来ればマスターすべき事である。 ただ、それを待っていてはいつまでたっても交流など出来ないだろう。走りながら考えるという事が言語においては重要なのだ。 とにかくハードルを倒しながら走る練習をし、だんだんとタイムを縮めて行く事が出来れば良い。 

 グローバル化とは、英語を話す事でも、発音をマスターすることでも無い、ましてや英語圏の文化をマスターする事でも無い(もちろん知識としては知っておかなければならないが)。 自分のアイデンティティを見出し、それを英語というツール、時には他の外国語を通じて発信、そしてまた海外からの最新情報を吸収する。そのコミュニケーションがバランスよく出来るかどうかが肝だ。 

 日本の埋もれた文化資産をもっともっと発信する人が出てくれば、海外での日本の影響力ももっと強くなるし、それこそがまさにクール・ジャパンなのではないだろうか。この動画のプロデューサーのような、コンテンツの発信者がもっともっと出てくる事で、日本のグローバル化はもっと進化する事を期待する。

 料理番組系ではOchikeronさんもYoutubuで頑張っている。


 日本で頑張る人、日本で頑張る人を英語で発信する人、そんな役割分担がうまく機能すればバランスの良い成長が出来るのではないかとも思う。 私も英語や韓国語で日本を発信出来る人の一人になれればと思う。

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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