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» 2013年7月16日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 企業はなぜ炎上を繰り返すのか。 ソーシャルリスクをプラスに変える4つの対策

ソーシャルメディアでの炎上には3種類がある。その3つは

1.ソーシャルメディア担当者が起こす炎上
2.社員が起こす炎上
3.第三者が起こす炎上

今回のローソン店舗での炎上事件はその2番目、社員が起こす炎上の典型事例として、長く語り継がれる事になるだろう。
日経新聞にも次のように報道されている。


ローソン店員、アイス冷凍庫に横たわる 写真公開で店は休業に




アルバイトや非正規雇用の従業員がメインの飲食・小売業・サービス業の場合、特に従業員による炎上事故が後を絶たない。 有名なチェーン店であれば多かれ少なかれ炎上を経験しているとも言えるのかもしれない。今回は、企業側がどう対応すれば適切だったのかについて考えてみたいと思う。


炎上のプロセス

炎上には順序があり、どの段階で対応するかによって事態は大きく違ってくる。その流れは次のようなものだ。


1.従業員が不適切な言動をする
2.それをソーシャルメディア上に投稿する
3.それを見た第三者が、「これは問題ではないか」と問題的する
4.2chなどの掲示板、ブログやツイッター等で拡散され、話題が広がる
5.ネット系のニュースサイト(ロケットニュースやJ-castニュース等)が炎上について取り上げる
6.5と同じくしてまとめサイトが出現
7.大手新聞のネット版で取り上げられる
8.テレビのワイドショーやニュース番組でとりあげられる


今回、ローソンが公式見解を出したのは、ちょうど5のあたり、ネット系のニュースが騒ぎ出した頃である。掲示板で語られている時、ネットユーザーは企業の公式対応の巧拙について非常に注意深く見ている。この段階でどのような対応を出来るかで、その後企業が批判をあびるか称賛を得られるかが決まってくるとも言える。 もし、今回、3の間に適切な公表ができていれば、そこで炎上は収まった可能性もある。 


炎上を防ぐ4つの対策

それではどのような手順を踏めば、炎上事故が起こった時に素早く対処出来るのだろうか。その方法について見て行きたい。

1.従業員への教育

従業員へソーシャルメディアの利用制限などをしていないだろうか。臭いものには蓋という手法はもう通じないという事を認識しなければならない。従業員にソーシャルメディアの利用を禁じても、第三者の消費者がソーシャルメディア上で発信するかもしれない時代なのだ。まさに従業員も含めた一人ひとりが発信者となる時代。一部の利用制限ではコントロール出来無い事を肝に銘じなければならない。
だからこそ、従業員には積極的な発信を推奨するとともに、企業人として使う際のルールを予め定めておく必要がある。一人ひとりがブランドを作っているという事を常に伝えられているか、もう一度社内の体制を考えなおす時期に来ているかもしれない。

2.聞き耳を立てる

ソーシャルメディアで何が語られているのかをモニターしているだろうか。 常に企業名や商品名等でソーシャル・メディア上の発言をモニターし、いつもと違った反応が無いかどうか注視する必要がある。知らなければ対策は出来ない。まずは何を語られているのか知る所からはじめなければならない。

3.初動体制を確立する

ソーシャルメディアの異変に気付いたとしても、休日などで意思決定する人が近くにいないかもしれない。また部門横断的な判断を仰がなければならないというケースもある。 社内の取りまとめをしているうちに炎が燃え広がってしまっては本末転倒だ。 初期にどのような情報を発信しなければならないか。どのような権限をもって誰が発信するのかを事前に決めておく必要がある。そして関連の部署に素早く伝達出来る手段を前もって準備しておく事が重要である。

4.消費者心理を熟考する

謝罪文なのに言い訳ばかり、他社に責任を押し付けている、といった感じでせっかく公式な文を公開しても逆にそれが消費者の神経を逆なでしてしまうことがある。 消費者の心理を熟考し、どのような言葉でどのように表現すれば良いのかを日頃から確認しておく必要がある。もちろん隠蔽は最悪の対策だ。隠し事というのは早晩白日のもとにさらされるというのは、ソーシャルメディアではより確実な事となっている。隠し通す事は出来ないのであれば、最初から認めてその対策を打った方がより信頼の回復は早いという事だ。


まとめ

今回のローソンの事例では、結局大手新聞社やテレビ局もこの事件を放送するまでに事態が拡大してしまった。事件の発生が6月だった事を考えると、先手を打って情報を公開し、対策をした方がより被害は少なかったはずだ。ただ、人間の心理としては隠せるものなら隠しておきたいというのはどうしても出てきて抑えられないものでもある。それに打ち勝って、いち早く事実を公表し、そして適切な処分をし、今後の対策をしたという事を公表すれば、管理がちゃんとしている会社として逆にネットユーザーからの称賛を受けたかもしれないのだ。

今回の事件が怖いのは、事件が起きてから1ヶ月くらいたった後、突然その問題が噴出したという事である。
まだ誰も騒いでいないから、そっとしておこうと担当者が本社としての公式な立場を明確にしなかった事が今回の炎上の元となったのではないだろうか。


参考:消費者からの投稿に対する反応で一転、称賛を受けたチロルチョコの事例。

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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