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» 2013年7月19日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 韓国で急拡大した「日本は滅亡している」という情報に思う

ソーシャルメディア時代は、一つの情報に情報としてのインパクトがあればその真偽を確かめる前に大きく拡散してしまう事がある。ましてや海外の情報であれば情報源を確認する事も難しく、嘘の情報が真実のように広まり収集がつかないという事態にもなってしまう。今回、韓国で起こった騒ぎはまさにそのような事例である。

韓国で急拡大した日本の半分は汚染されているという情報

福島原発の問題で、日本でも正確な情報を把握する事は難しい状況だが、日本を離れた海外からは、根も葉もない噂話レベルでも大きく広がる可能性がある。下の地図はフランスのルモンド紙が掲載した写真として、韓国で急激に拡散している写真であるが、写真検索の結果では韓国内の記事しか見当たらないところを見るとその出所の真偽は定かではない。

「日本はすでに滅亡した、日本旅行?笑わせないでください」

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さらに上記のブログでは

「日本では、放射線に関する情報を公表してはいけないという法律が通過した」
「日本の領土の70%はセシウムに汚染されている」
「オーストラリアは日本のビザ発給を停止した」

といった出所の不明な情報が続く。

コメント欄には賛否が巻き起こっているが、盲目的に信じずに、出所を調べるなどすべきだ。このブログは日本を嫌う人が喜ぶための情報だといったような書き込みもみられる。

しかし、ここまで拡散してしまうと、これが事実であるかのように感じてしまう人も多くいる。
韓国でソーシャルメディアのリスク管理をしている人からも「この事実は本当か?」という照会の連絡が来たほどだ。


風評被害の拡大を防ぐ手立てはあるか?

日本に対する不安は、日本が何もしなくても否応なく広がってしまう。これを防ぐ手立ては無いのだろうか。

正直に言うと、現状では難しいと感じる。

日本国内でさえ、原子力発電所の事故に対する評価が分かれている現状を考えると、ネガティブな情報に枝葉がついて広まってしまう事は避ける事が出来ないのかもしれない。しかし、このままでは日本の旅行業界、輸出食品業界など、多くの人の糧を奪ってしまう事にもなりかねないのではないだろうか。

このような根も葉もない情報が拡散する事を未然に防ぐためにも、今以上に主要な言語での大規模な報提供が必要ではないだろうか。
ただ、この手の問題は「政府が発表している情報は情報統制されている」といった陰謀論につながり信用を得る事が難しいという問題もある。
しかし、第三者機関のお墨付きも得ながら慎重に正確な情報を提供していく事はどうしてもやらなければならない事かもしれない。

地理的に近い韓国・中国は、もともと反日感情が強い土地柄でもあり、日本に対するネガティブな情報が拡散する傾向が強い。だからこそ、それに歯止めをかけるためにも、韓国語・中国語での情報提供は強化した方が良いかもしれない。 

レピュテーション・マネジメントの専門家が政府にも必要

嘘の情報の流通を防ぐのは遮断ではなく、正確な情報の流通である。 コカ・コーラ社も根も葉もない噂に悩まされていた企業だが、公式サイトにその噂を公開し、その噂がなぜ嘘なのかを丁寧に説明した事で、情報の流通が止まり正常化を取り戻したという事例もある。ソーシャルメディアで情報が爆発的に広がる今こそ、政府には「レピュテーションマネジメント(評判管理)の専門家」が必要かもしれない。 


まとめ

福島の原発事故に関しては、私自身、正確な情報が何であるかわからない現状である。そのような中で「絶対に違います」と自信を持って言えないという事もこの問題の根底にあるのかもしれない。ある人は危険だといい、ある人は大丈夫だという。そのような中でどのように情報を処理していけば良いのか。私たちが自分たちの事として今一度考えなければならないのではないだろうか。





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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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