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» 2013年7月22日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング 社会問題をソーシャルネットワークで解決するOPENIDEOの挑戦

インターネット選挙が解禁となったが、以前のブログでも書いた通り、FacebookやTwitterを使った一方通行の「告知」にしか活用されていない印象だ。http://blog.marketing.itmedia.co.jp/cyberbridge/entry/441.html

しかし、ソーシャルメディアの双方向性をもっと突き詰めて考えると、もっと大きなムーブメントを作り出す事も出来るし、今までもそのような事例が数多くあった。今回ご紹介するのは世界中の叡智を結集して社会問題を解決するという試みをしている企業だ。その試みはOpenIDEO。

デザインコンサルティングファームのアイデオという会社が運営している。

世界中で起こるコミュニティの問題・環境問題・貧困問題・教育問題などをどのようにして解決出来るかというアイデアを募りそれを相互評価していくことで結論を導き出すという仕組みだ。例えば

どうすれば、都市の低収入世帯のコミュニティーで衛生問題(ごみ問題)をマネジメントできるか。

http://www.openideo.com/open/how-can-we-improve-sanitation-and-better-manage-human-waste-in-low-income-urban-communities/realisation/

というのに対しても、多くの意見が寄せられ、その中で本当に実現可能なものだけが残っていく。美辞麗句・理想を並べただけではこのシステムでは最終的な選考には残らない。あくまで実現出来るかどうかがジャッジされていく。

OpenIDEOではその他にも様々なチャレンジが試みられている。http://openideo.com/

どうのような仕組みかを解説したビデオはこちら。


OpenIDEOのプロセスを見ていこう。

WWFなどの団体・企業等スポンサーとなり、Challengeという先ほど挙げたような根源的質問を投げかける。それに対して次ぎの4つのフェーズで解決が進んでいく。

1.インスピレーション

画像でも文字でも動画でもなんでもいいので、課題の解決に結びつきそうなアイデアを出す。ブレインストーミングのようなものと言えばよいだろうか。ネットであるからこそ、動画・音声・写真・イラスト・文章など様々なフォーマットのアイデアが集まってくる。 ここでは実現可能性をあまり考慮せずとにかく思いついたものを上げていくように促す。

2.コンセプティング

インスピレーションを元に具体的なアクションプランが提出される。それに対し、拍手やコメントなど様々なアクションが加わり最終的に20のコンセプトが選ばれ次のフェーズに進む。 評価を得たものが最終段階に残る。これは限られた審査員が審査するというものではなく、真にユーザーの評価を得たものだけが残るという仕組みだ。

3.エバリュエーション

選ばれた20のコンセプトを詳細に吟味する。具体的アクションに対する様々な問題点をここで出し合い最終的に一つの案が採用される。

4.ウィニングアイデア

最終的に決定されたアイデアはスポンサーが事業化することもあるし、されない場合もある。ただアイデアを提出した人はここで大きな注目を集め、様々なチャンスがめぐってくることにもなる。ウィニングアイデアを得た投稿者は社会的な評価を得る事につながり、その後の仕事にも良い影響を与える事が期待出来る。

5.実現

実際に実現した事業に関する情報・報告等が掲載される。
人々の集合知がまさに社会を変える様子を実感できる場でもある。

 会問題を解決するための団体は数多ある。ただ、問題を解決するにあたって専門家であるその団体の考えはともすれば近視眼的になってしまう可能性否めない。だからこそ、社会的な問題を解決するために、様々なバックグラウンドの人々が気兼ねせずに自分の意見を出すことが出来るプラットフォームは、その中からビッグアイデアを生むきっかけとなるのだ。

IDEO社の挑戦は、非常に意義深く、今後の社会問題の解決手法のスタンダードとなる可能性も秘めている。

ソーシャルメディアが社会を変える。そんな事が日本でも起こる時代は近いかもしれない。

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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