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» 2014年3月10日 更新

価値観経営の時代。ソーシャルメディアが変えるマーケティング たった1か月で200万人のファンを集めた小さなプロジェクトの大きな成果

Happy Birthday Colin

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そんな名前のフェイスブクページを作ったのはコリンの母だ。

https://www.facebook.com/Coliniseleven

最初の投稿で彼女はこう綴っている。
私はコリンの母です。私は、素晴らしく、素敵で、意欲溢れる3月9日に11歳になる私の息子の誕生日のためにこのページを作りました。それはコリンの障害ためであり、彼にとって社会に適応する事が難しく、いつも疎外されています。そして他の子供たちは彼の事が嫌いなのです。 彼に「誕生日パーティーしようか」と聞いた時、彼から「そんなの意味ないよ、だって友達いないから」と言うのです。実際彼は教室ではだれも彼と一緒に食べないから教務室でいつも一人でランチを食べ、彼の存在を良く思っていない人と一緒にいるくらいならと教務室で一人座っているのです。だから考えました。もし、私がこのページを作成し、肯定的な言葉や勇気づける言葉を彼に送ってもらう事が出来れば、どんなバースデーパーティーよりも素晴らしいものになるだろうと。どうか、私のとても個性的な息子の誕生日が特別な日になるように一緒に参加してくださいませんでしょうか。(筆者訳)
この投稿がされてから、ソーシャルメディアで情報がまたたく間に広がり、最終的に、4万件近いシェア、20万を超えるコメントがこの投稿に集まる。
 
翌日の投稿では「ページのいいね!が50に!素晴らしいスタートだわ!」とお母さんが書いているので、この時はこのムーブメントを知るはずも無かったはずだ。
コリンのお母さんは、参加してくれた皆にコリンがどんなに素晴らしい息子かを綴っていく。
そして、この話題をメディアも取り上げるようになっていき、どんどんと輪が広がっていく。
あまりの広がりに、「皆さんに注意です、このページはコリンには秘密ですから、コリンに知られないようにしてくださいね」と念を押したりもしている。 そうです。サプライズプレゼントの為のページなので、事前にこの動きが知られてしまうとだめなのだ。
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お母さんの元には、たくさんのバースデーメッセージカードも届く。
次々と届く「誕生日おめでとうのメッセージ」、有名人からのビデオメッセージも届く。
さらに、工夫にあふれた誕生日メッセージも届く。
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Ross-Augustaの消防署員一同より
そうしていくうちに、200万人を超えるファンを集めたこのページ。
3月9日の彼の誕生日に合わせ、世界中の人々から温かいメッセージが届いたのだ。

なぜ、このストーリーが大きく広がったのか。

コリンに誕生日パーティーをさせてやりたいが、社会適応が出来ない障害を抱えている息子には友達が出来ない。だからみんなで祝って欲しいというメッセージ。これを、誰もがコリンのためになにかしたいと思って行動したに違いない。
しかし、その深層にはコリンが抱える問題は、誰もが抱える問題でもあるという意識がどこかにあったのではないだろうか。誰もが孤独に恐怖する経験があるはずだし、他人の評価を気にするのが人情だ。 だからこそ、掛け値なしに祝福してくれる存在というのはとても大切であり嬉しいものだ。ソーシャルメディアの力でそれが出来る。その一員になれる。そこに価値を見出した人がたくさんいたのかもしれない。

ソーシャルメディアとは何か?

ソーシャルメディアは「社会」という言葉と「媒体」という言葉をつなげた言葉だ。ソーシャルメディアとは何かと言われたら、まさに今回のコリンの事例がソーシャルメディアそのものといえるのではないだろうか。ソーシャルが学校内でうまく構築出来ない彼にとって、一緒に誕生日を祝ってくれる人を作るのはとてもむずかしい。しかし、ソーシャルメディアの力を借りれば、彼を心から祝福し、一緒に祝う事の出来る人を見つける事が出来る。だから「ソーシャルメディア」なのだ。

ソーシャルメディアを運用するという事

ソーシャルメディアの運用をしていくにあたり、このコリンのストーリーはとても意味のあるものだ。みな思いを1つにしたいと思っているし、社会的に役に立ちたい存在になりたい。みんと一緒に意味のある事に参加したい。そう思っているのだとすれば、企業の運用でも同じことが言えるのではないだろうか。facebookページの運用を何のためにやっているのか。それは企業の宣伝のためだと思っていたら広がりは無い。企業が提供するサービスや商品を使って社会とどう対話をするのか、そして何に参加して欲しいのか。それを明確にする必要がある。
アメリカ時間の3月9日。私もコリンに心から「誕生日おめでとう!」を伝えたい。

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プロフィール

石田陽之

石田陽之

株式会社サイバーブリッジ代表取締役、中小企業のSNS活用&リスク管理、海外企業の日本マーケティングコンサルタント。

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